007 私を愛したスパイ A

(007 THE SPY WHO LOVED ME )1977

監督  
ルイス・ギルバート②  
キャスト  
ロジャー・ムーア③ ジェームズ・ボンド(007) 
バーバラ・バック アニヤ・アマソヴァ少佐(トリプルX)
クルト・ユルゲンス カール・ストロンバーグ 
リチャード・キール ジョーズ(ストロンバーグの部下)
ウォルター・ゴテル② ゴゴール将軍(アマソヴァの上司)
キャロライン・マンロー ナオミ(ストロンバーグの部下 / ヘリパイロット)
シェーン・リマ― カーター艦長(米潜水艦)
シドニー・タフラー 大型タンカー船リパラス号艦長 
ヴァ―ノン・ノブチェフ マックス・カルバ
ナディム・サワラ アシズ・フェケシュ
ミルトン・リード シャンドア(ストロンバーグの部下 / 太っちょ)
ヴァレリー・レオン ホテルの受付
マイケル・ビリントン セルゲイ・バルソフ(アマソヴァの恋人)
ビクター・トジャンスキー 海から出てきたエスプリにビックリおじさん
ス―・バナー オーストリアの女
デスモンド・リュウェリン⑧ Q(ブースロイド少佐)
バーナード・リー➉ M
ロイス・マクスウェル➉ マネーペニー

イギリス、ソ連双方の原潜が突然消息を絶った!

ソ連は調査のためエージェントの

トリプルX(アマソヴァ)を手配。

そして英からはもちろん我らが007ことジェームズ・ボンドが調査に乗り出す!

 

敵女スパイとのロマンス!

世界を滅ぼさんする海底王!

めくるめく恋とアクションの一大スペクタル大作!!

 

記念すべきシリーズ10作目!!!

 

(壮大なスケール)

監督には5作目「二度死ぬ」以来のルイス・ギルバートが復帰。

「二度死ぬ」と同じように壮大な設定で、内容もかなり似ています。

 (「二度死ぬ」は米ソの宇宙船が敵の宇宙船に取り込まれてしまう話。本作では宇宙船が原子力潜水艦に変わった感じ。)

タイトルはイアン・フレミングの原作から取っていますが、ストーリーは完全に映画オリジナル脚本になっています。

 

 (ボンドガール)

バーバラ・バック

当時29歳。ロシア人役ですがアメリカ人です。

当然の如く美しく、当然の如くスタイル抜群です。

1981年に元ビートルズのメンバー、リンゴ・スターと結婚します。

 

(見どころ)

●壮大な設定 と 壮大なアクション!

英、ソ、米、世界の存亡が掛かった壮大なアクション大作。

終盤の巨大タンカー内のアクションはまさにお祭り!

巨大タンカーの中に、英、ソ、米の潜水艦が捕らえられてしまうというものすごい設定。

タンカー内部は、巨大なセットを作って再現しています。

あまりに広いセットだったため、照明の使い方に困りスタンリー・キューブリックに相談したそう。(広さだけでなく、光が反射する金属素材がセット全体に使われていたのも難点だったよう。自身の関与を秘密にする事を条件に、現地で指導してくれたそうです。)

 

まさかの英・ソ共闘!? アマソヴァとのロマンス

敵国であるソ連の美女スパイとの追いつ追われつ、騙し騙されのロマンスを軸にして話が進んでいきます。

バーバラ・バック演じるアマソヴァはソ連の腕利きスパイ。

ボンドに守られるだけの非力な女ではなく対等な立場で動けるキャラです。

そのためこれまでのボンド・ガールに比べ出演時間(ボンドと絡む時間)が

かなり長めな感じ。(これまでにも協力者的な立場のボンド・ガールはいましたが素人に毛の生えた程度で戦力としては使えない感じだった。)

 

連続乗り物アクション!

Qから支給されたロータス・エスプリでカー・アクションがスタート!

迫りくるミサイル・サイドカー付きバイクを退けると、今度は空から戦闘ヘリの銃撃、そして海にダイブ!!

潜水艇にモード・チェンジしたエスプリに敵の潜水艇が襲いかかる!

ラストは海中から浜辺に上がり、走り去って行く!

カッケー!!!

 

1作目のボンド・ガール役のウルスラ・アンドレスが浜辺に上がるシーン以来

「007シリーズで海から浜辺に上がってくのは美女」イメージがある中でのあのエスプリはカッコ良すぎる!

 

浜辺でビックリして酒瓶に目をやるおじさんは助監督さん。

次作、次々作でも同じシチュエーションで登場します。

 

(好きなところ)

ジョーズ

個性的な敵キャラも魅力的なシリーズ。

鋼の歯を持つ巨漢で、ターミネーター的にしつこく追い回してきます。

演じたリチャード・キールは2m18cmという巨躯の俳優。

まさかのジョーズVSジョーズは笑うしかない。

 

敵ボスの個性的な部下は007にやられるのが定めですが、ジョーズは生き残り、次作「ムーンレイカー」にも登場するレアな敵キャラ。

 

本作の撮影開始は1976年。

前年1975年にスピルバーグ監督の「ジョーズ」がヒットしてます。

 

オープニングのスキーアクション!

断崖絶壁からのジャンプ!からのユニオンジャックのパラシュートがドン!

主題歌ドドン♪ 盛り上がるわ~

 

当時はエクストリーム・スポーツという言葉などなかった時代。

命懸けのスタントをリアルに撮影した映像です。

 

主題歌タイトル(Nobody Does It Better)が、作品タイトルと異なるのは本作が初。(ただし、歌詞の中に、the spy who loved me はある。)

 

(ブロッコリとサルツマン)

イーオン・プロ設立

小説007シリーズに目を付けて、映画化権を手にしたハリー・サルツマンアルバート・R・ブロッコリが1961年イーオン・プロダクションを設立。

ユナイテッド・アーティスツ(UA)の出資を受けて1962年に1作目「ドクター・ノウ」が公開。

以来、9作目「黄金銃を持つ男」まで2人が共同プロデューサーとしてシリーズを成功させてきました。

 

●いわゆる方向性の違い

ブロッコリが本作のような派手でユーモアたっぷりのエンタメ重視だったのに対して、サルツマンはシリアスさも漂う原作重視。(6作目「女王陛下の007」のような)

ブロッコリ主導のエンタメ重視作が興行的に大きな成功を納めていく中で、2人の間にすこーしずつ距離が開いていったのではと言われています。

 

●サルツマンの副業失敗、イーオンからの離脱

サルツマンは制作業で得た利益で飲食や不動産などの事業に手を出すも大失敗。多額の借金を抱えてしまいます。

妻の病気も重なり精神的にも参っていたサルツマンは自身が保有していた株をブロッコリではなく、UAに売却し決別。1975年に制作から離脱。

(以後、UAの発言権が強まっていきます。)

本作「私を愛したスパイ」はシリーズ初のブロッコリ単独プロデュース作となりました。

 

シリーズ開始以来、ほぼ2年ごとに新作が公開されてきましたが、本作は前作から3年が経ってます。

上述のサルツマン離脱のゴタゴタや、マクローリーによる映画化の動きに対応するためでした。

 

主題歌

Nobody Does It Better

(キャロル・ベイヤ―・セイガー)

メイン・ボンドガール役 バーバラ・バック(米) 生存
ボンド、ジェームズ・ボンド 言う  
ウォッカマティーニ、シェイク 飲まされる  
Qからの装備品

●ロータス・エスプリ

(サブマリンカスタム)

●水上バイク

 

★★★PICK UP LINES★★★

(シーン①)オーストリアにて

 

美女

Oh, James.  I cannot find the wrods.

(ああジェームズ。なんて言ったらいいのかしら。)

 

ボンド

Let me try and enlarge your vocabulary.

(教えてあげるよ。)(口移しで教えてあげるよ。)※字幕訳

 

美女

What happened? Where are you going?

(どうしたの?どこへ行くの?)

 

ボンド

Sorry, there is something came up.(すまないね。用事ができた。)

 

美女

But, James, I need you.(ジェームズ、あなたが必要なのよ。)

 

ボンド

So does England.(イギリスもさ。)

 

 

(シーン②)毎度のやりとり

 

Q

Now pay attention 007.  I want to take great care of this eqipment.

There are one or two special accessories......

(さて、よく聞いてくれよ007。こいつの扱いには十分気をつけて。

特別な装備も・・・・)

 

ボンド

Q, have I ever let you down?(Q、君に迷惑かけたことあるかい?)

 

Q

Frequently.(いつもだよ。)

 

      シリーズ作品    
1 1962年 ドクター・ノオ B ショーン・コネリー
2 1963年 ロシアより愛をこめて C ショーン・コネリー
3 1964年 ゴールドフィンガー ショーン・コネリー
4 1965年 サンダーボール作戦 C ショーン・コネリー
5 1967年 007は二度死ぬ B ショーン・コネリー
6 1969年 女王陛下の007 B ジョージ・レーゼンビー
7 1971年 ダイヤモンドは永遠に A  ショーン・コネリー
8 1973年 死ぬのは奴らだ B ロジャー・ムーア
9 1974年 黄金銃を持つ男 C ロジャー・ムーア
10 1977年 私を愛したスパイ ロジャー・ムーア
11 1979年 ムーンレイカー ロジャー・ムーア
12 1981年 ユア・アイズ・オンリー B ロジャー・ムーア
13 1983年 オクトパシー D  ロジャー・ムーア
14 1985年 美しき獲物たち ロジャー・ムーア
15 1987年 リビング・デイライツ   ティモシー・ダルトン
16 1989年 消されたライセンス B  ティモシー・ダルトン
17 1995年 ゴールデンアイ ピアース・ブロスナン
18 1997年 トゥモロー・ネバー・ダイ   ピアース・ブロスナン
19 1999年 ワールド・イズ・ノット・イナフ   ピアース・ブロスナン
20 2002年 ダイ・アナザー・デイ ピアース・ブロスナン
21 2006年 カジノ・ロワイヤル ダニエル・クレイグ
22 2008年 慰めの報酬   ダニエル・クレイグ
23 2012年 スカイフォール ダニエル・クレイグ
24 2015年 スペクター ダニエル・クレイグ
25 2021年 ノー・タイム・トゥ・ダイ   ダニエル・クレイグ