007 消されたライセンス B
(007 LICENCE TO KILL)1989
監督 | |
ジョン・グレン⑤ | |
キャスト | |
ティモシー・ダルトン② | ジェームズ・ボンド |
ロバート・デヴィ | サンチェス(麻薬王) |
キャリー・ローウェル | パメラ・ブービエ(CIA) |
タリサ・ソト | ルペ(サンチェスの女) |
デヴィッド・ヘディソン | フェリックス・ライター(CIA ボンド友人) |
プリシラ・バーンズ | デラ(フェリックスの新妻) |
フランク・マクレー | シャーキー(ボンド&フェリックスの友人、CIA?) |
アンソニー・ザーブ | クレスト(ボート屋主人 運び屋) |
エヴェレッド・マッギル | エド・キリファー(裏切りCIA捜査官) |
ベニチオ・デル・トロ | ダリオ(殺し屋) |
ドン・ストラウド | ヘラー中佐(サンチェス部下 警護担当) |
アンソニー・スターク | トゥルーマン・ロッジ(サンチェス部下経理担当) |
ケイリー・ヒロユキ・タガワ | クアン(香港の麻薬捜査官) |
ウェイン・ニュートン | ジョー・ブッチャー(瞑想博士) |
デスモンド・リュウェリン⑭ | Q |
ロバート・ブラウン④ | М |
キャロライン・ブリス② | マネーペニー |
ボンドの友人、CIAのフェリックスが麻薬王のサンチェスに拉致されてしまう!
フェリックスの新妻は殺害され、フェリックス自身も大ケガを負う。
任務ではなく、友人の復讐のためサンチェスを追うボンドに対し、Мは00エージェントに与えられている殺しのライセンスの剝奪を告げる!
シリーズ第16作目!!
4代目ボンド、ティモシー・ダルトンの2作目にして最終作。
前作の時よりかは、だいぶボンドに馴染んできたかなーという感じはしました。にんまりとしたサルっぽい笑顔が特徴的なボンドでした。
(私怨で動く)
私情で勝手に動いたために、タイトルの通り「殺しのライセンス」を剥奪されるという展開ですが、剥奪後もMI6の面々はいつもどおりボンドをバックアップ。
特にQは現地でボンドと行動を共にするなどいつも以上にサポートしているので、ライセンス剝奪によるボンドの苦境感は皆無。
その辺も脚本に反映させれば特徴的な作品になったのかなあ。
感情的になって動いた割には、敵組織内に潜入して偽情報や裏工作で内部崩壊を計るなど、仕事は細かかった。
作中でフェリックスが「ボンドがかつて結婚していた」ことに触れていました。(1969年「女王陛下の007」)
ボンドについては少なくとも本作まではシリーズ通して同一キャラクターという体になっているようです。
(ボンドガール)
●キャリー・ローウェル(ブービエ役)
アメリカ人。当時27歳。
ロングヘアからショートに変わったときの可愛さがパない。
後にリチャード・ギアと結婚、離婚してます。
●タリサ・ソト(ルペ役)
プエルトリコ系アメリカ人。当時21歳。
エキゾチックな雰囲気がボンドガールっぽい。
2人のボンドガールがボンドを巡ってジェラシーを燃やすというベタな三角関係的な構図は007シリーズでは珍しい。
(なかなか残酷なシーンも)
敵役がボンドガールに残酷な仕打ちをすることはしばしばですが、本作では冒頭でいきなり鞭でしばき、さらにサメに足を喰われるフェリックス、減圧で破裂する頭など、007シリーズにしてはやや残酷さが際立った表現をしている感じ。
(しばしのお休み 世代交代)
本作でシリーズはひと段落することになります。
これまで次回作までのスパンは長くても3年でしたが、次作「ゴールデンアイ」は6年後になります。
製作
1作目から製作を務めてきたシリーズの生みの親アルバート・R・ブロッコリが本作をもって製作業から引退しました。
次作からは、 14作目「美しき獲物たち」以降、共同プロデューサーとなっていたブロッコリの継子であるマイケル・G・ウィルソンと、ブロッコリの実子であるバーバラ・ブロッコリの2人が共同で製作を務めていきます。
演者
Qを除く、MI6のいつメン(主人公ボンド、上司М、秘書マネーペニー)たちも次作から演者が変わります。
監督
5作連続、80年代の007作品全てで監督を務めてきたジョン・グレンも本作で卒業となりました。
時代
本作が公開された1989年の12月にゴルバチョフとブッシュ大統領が40年以上続いた冷戦の終結を宣言。1991年にはソ連が崩壊します。
冷戦構造の中で活躍の場を見い出してきた諜報員ボンド。
その役割やプロットも時代に合わせて変わっていくことになります。
多くの人から支持されてずっと続いていくという事は、ずっと変わり続けることで、変わらぬ魅力を演出し続けていく事なんだと思います。
(見どころ)
ところどころで痛快なアクションを見せてくれます。
●オープニング
空中でのセスナ機釣り → スカイダイブ → 結婚式
ボンドたちがパラシュートを生地を引きずって歩いていると、子供たちがウェディングドレスのように持ち上げてくれているという小ネタも楽しい。
●前半
海中戦 → 水上スキー → セスナ機に飛び乗り
●終盤
オイルタンカー・アクション、大爆発!!
主題歌 |
LICENCE TO KILL (グラディス・ナイト) |
F |
メイン・ボンドガール役 | キャリー・ローウェル(米) | 生存 |
ボンド、ジェームズ・ボンド | 言う | |
ウォッカマティーニ、シェイク |
オーダーしたけど飲まず (代わりにブービエが飲んだ) |
|
Qからの装備品 |
歯磨き粉型プラスチック爆弾 カメラ型手相プログラム銃、等 |
★★★PICK UP LINES★★★
消されたライセンス!!
М
This private vendetta of yours could easily compromise Her Majesty's government.
You have an assignment, and I expect you to carry it out objectively and professionally.
(そういう君の個人的な復讐心は政府の仕事に支障をきたす。君には任務がある。私情をはさまず、プロに徹したまえ。)
ボンド
Then you have my resignation, sir.
(では辞職させていただきます。)
М
We're not a country club, 007!
Effective immediately, your licence to kill is revoked, and I require you to hand over your weapon.
(冗談ではすまんぞ、007!ならば直ちに殺しのライセンスを取り消す。
武器も返してもらおう。)
※ライセンスは英(licence)と米(license) で綴りが異なります。
アメリカでの公開時には license と表記されていたようです。
シリーズ作品 | ||||
1 | 1962年 | ドクター・ノオ | B | ショーン・コネリー |
2 | 1963年 | ロシアより愛をこめて | C | ショーン・コネリー |
3 | 1964年 | ゴールドフィンガー | D | ショーン・コネリー |
4 | 1965年 | サンダーボール作戦 | C | ショーン・コネリー |
5 | 1967年 | 007は二度死ぬ | B | ショーン・コネリー |
6 | 1969年 | 女王陛下の007 | B | ジョージ・レーゼンビー |
7 | 1971年 | ダイヤモンドは永遠に | A | ショーン・コネリー |
8 | 1973年 | 死ぬのは奴らだ | B | ロジャー・ムーア |
9 | 1974年 | 黄金銃を持つ男 | C | ロジャー・ムーア |
10 | 1977年 | 私を愛したスパイ | A | ロジャー・ムーア |
11 | 1979年 | ムーンレイカー | B | ロジャー・ムーア |
12 | 1981年 | ユア・アイズ・オンリー | B | ロジャー・ムーア |
13 | 1983年 | オクトパシー | D | ロジャー・ムーア |
14 | 1985年 | 美しき獲物たち | C | ロジャー・ムーア |
15 | 1987年 | リビング・デイライツ | C | ティモシー・ダルトン |
16 | 1989年 | 消されたライセンス | B | ティモシー・ダルトン |
17 | 1995年 | ゴールデンアイ | B | ピアース・ブロスナン |
18 | 1997年 | トゥモロー・ネバー・ダイ | A | ピアース・ブロスナン |
19 | 1999年 | ワールド・イズ・ノット・イナフ | B | ピアース・ブロスナン |
20 | 2002年 | ダイ・アナザー・デイ | B | ピアース・ブロスナン |
21 | 2006年 | カジノ・ロワイヤル | A | ダニエル・クレイグ |
22 | 2008年 | 慰めの報酬 | C | ダニエル・クレイグ |
23 | 2012年 | スカイフォール | B | ダニエル・クレイグ |
24 | 2015年 | スペクター | B | ダニエル・クレイグ |
25 | 2021年 | ノー・タイム・トゥ・ダイ | B | ダニエル・クレイグ |