007 カジノ・ロワイヤル A

(007 CASINO ROYALE)2006

監督 マーティン・キャンベル②  
キャスト ダニエル・クレイグ① ジェームズ・ボンド (007)
  エヴァ・グリーン ヴェスパー・リンド
  マッツ・ミケルセン ル・シッフル
  ジャンカルロ・ジャンニーニ マティス (現地協力者)
  ジュディ・デンチ M
  シモン・アブカリアン ディミトリオス
  カテリーナ・ムリーノ ディミトリオスの妻
  ジェフリー・ライト  フィリックス・ライター(CIA)
  イザック・ド・バンコレ テロリスト(ル・シッフル顧客)
  セバスチャン・フォーカン 身軽な爆弾男
  イェスパー・クリステンセン Mr. ホワイト
  ルドガー・ピストール メンデル(スイスの銀行員)

00エージェントへと昇格を果たしたジェームズ・ボンド!

テロリストの資金運用を請け負う男ル・シッフルに挑むは銃!ではなくポーカー!!

 

キャスト・設定を一新したシリーズ第21作目!

6代目ボンド、ダニエル・クレイグ登場!

 

原作小説の第一作目「カジノ・ロワイヤル」で新章スタート!!

 

(新たな007)

●新設定ボンド、スタート!

設定を新たにした6代目ボンド。(金髪や青い目のボンドは初)

00エージェントに昇格したばかりの男が愛と哀しみと怒りを知る諜報員ジェームズ・ボンドとなる過程を描いた始まりの物語

 

ダニエル・クレイグ版のボンド作品は、作品同士にストーリー的な繋がりを持たせているのが特徴。

これまでの作品にもブロフェルド等、同一キャラが複数の作品に登場することはありましたが、基本的には一作品でストーリーは完結。

 

本作で登場するボンド・ガールのヴェスパーは本作で死亡するものの、以降の作品で常にボンドの心に居続けることになる重要なキャラクター。

裏で事件を操っていたMr.ホワイトも重要キャラ。

ダニエル・クレイグ版に関しては本作から順番に観ていくのがおススメ。

 

●ザ・大人

007と言えば、ド派手アクションのエンタメ作。

本作でもアクションでの魅せ所はありますが、アクションよりも洗練されたスタイルで魅せる大人向け、特に大人男子向けの作品に仕上がってます。

 

ストーリー、キャラクター、台詞、衣装、ロケーション、音楽全てが華麗。

これまでの20作品が培ってきた007の根本イメージを損なわずに、知的な味わいを楽しむ大人向けの上質なエンターテイメント作品へと昇華させた名作となりました。

 

10~20代の若者には退屈かも。

ダニエル・クレイグ版は最低でも30過ぎてから観たいとこですね。

 

タイトルにカジノとあるだけあって、ポーカーゲームにかなりの尺を使ってます。

ポーカー後の展開は少し間延びしてる感がありました。

2人の愛の日々をしっかりと描く必要はあったにせよ、もう少しコンパクトにして尺を削っても良かったと思います。

敵役ル・シッフルの最後もあっけなかった。

ボンドの手でケリをつけてほしかったな。

 

(ボンドガール)

エヴァ・グリーン(ヴェスパー役)

フランス人。当時25歳。もっと大人に見えた。

女とはその場限りの関係が基本のボンドを本気で惚れさせ、死んでしまったことで永遠にボンドの心に居続ける事になる特別なボンド・ガールを、納得の美貌で演じてます。美しいに尽きる。

メインのボンド・ガールが死ぬのは3人だけ。(ヴェスパーが3人目)

 

カテリーナ・ムリーノ(ディミトリオスの妻役)

イタリア人。当時28歳。もっと大人に見えた。

 

(再び)

マーティン・キャンベル監督

1995年「007 ゴールデンアイ」に続いて007シリーズ2回目の監督となります。ゴールデンアイをヒットさせブロンスナン版の道筋をつけた実績を買われての起用でしょうか。

ブロスナン版とはまったくテイストの異なる本作を見事に撮り切ってます。

 

ジュディ・デンチ

続投となったのはM役の彼女のみ。

「女性蔑視の権化」とも揶揄されるボンドの上司が女性である事は、結構意味がある気がします。

お馴染みのいつメン、マネーペニーやQが登場しません

ちょっと寂しい気も。

 

CAIのフェリックス・ライター

シリーズお馴染みのボンドの助っ人役。黒人が演じるのは初。

 

●カジノ・ロワイヤル、映画化は二度目

イアン・フレミングの原作小説007シリーズの記念すべき1作目でありながら、長年その映画化権はイオン・プロダクションの元にありませんでした。

以下のようにかなり複雑な経緯を経て本作製作に至ってます。

 

1954年アメリカの生放送TVドラマが初の映像化。

(主人公はジミー・ボンドというアメリカ人)

 

映画俳優・監督のグレゴリー・ラトフがフレミングから権利を買い取る。

冷戦の最中、ロシア出身のラトフの手にボンドの利権が落ちたのは皮肉。

(ラトフは20代でアメリカに移住している)

 

ラトフが権利の半分を大物製作者チャールズ・K・フェルドマンに売却。

ラトフとフェルドマンは映画化を画策するが1960年にラトフ死亡。

フェルドマンが全権利を買い取る。

 

1962年ブロッコリ達、イオン・プロダクションが「ドクター・ノオ」を映画化して成功。大ヒットシリーズとなる。

 

フェルドマンはUA、イオンと共にカジノ・ロワイヤル映画化を計画するが、割の合わない収益分配に反発するブロッコリ側と折り合いつかず。

 

1967年フェルドマンがコロンビアと製作した「カジノ・ロワイヤル」公開。

ヒットを飛ばすイオン作品への敵対心や皮肉を込めたパロディ作。

役者は豪華だったけど、興行的には失敗。

 

フェルドマン死亡。UAとコロンビアが権利を持ち合う。

すったもんだがありMGM→ソニー(コロンビア)へと権利が映り、本作製作へとつながる。

 

(見どころ)

映画全体に漂うシリアスで硬派で知的でクールでオシャレな雰囲気

名台詞(ボンド誕生)で閉めたラストも渋いですよねー。カッケー。

 

●6代目ボンド ダニエル・クレイグ

男のダンディズムとセクシーさ、知的さとワイルドさを見事に体現。

これまでのボンドに比べるとユーモアは控えめ、皮肉マックス

優しさよりもクールで容赦ない冷酷さが強調されてます。

 

ボンド役に決まった際には「金髪のボンドなんてありえん」など猛烈なバッシングもありましたがシリーズ最高興行記録を樹立して大成功。

(2012年「007スカイフォール」が更新。)

ジェームズ・ボンドともなると誰が選ばれてもアンチが出てくる。

 

(好きなところ)

オープニング

カジノ・ロワイヤルというタイトルにかけた♡♠♢♣を使ったデザインが

かっこいい。オープニングだけ何度も見直してしまった。

モノクロのエピローグからお馴染みのガンバレル・ショット。

そして美麗でカラフルなあの画。いいですね~。 

曲はクリス・コーネルの You Know My Name 。

曲名にも歌詞にも映画のタイトルが無いのはレア。

 

●序盤の高高度スリリング・アクション!

ボンドとの追いかけっこで見事な身体さばきを見せた爆弾魔を演じたセバスチャン・フォーカンはパルクールの第一人者。

 

ボンド、敵役ともに冷酷さや非情さが際立ち、全体的にエンタメ的愉快アクションよりもリアルで生々しい暴力、残酷描写が多め。

 

●ボンドガール エヴァ・グリーン 

マティスの言う通り「言うだけ野暮だが美しすぎる!

 

ボンド VS ヴェスパー 皮肉たっぷりの大人会話が必見!

ヴェスパーに軍配あり!

 

●海から水着で登場!は、ボンド・ガールではなくボンドだった。

 

主題歌

You Know My Name

(クリス・コーネル)

M
メイン・ボンドガール役 エヴァ・グリーン(仏) 死亡
ボンド、ジェームズ・ボンド 言う  
ウォッカマティーニ、シェイク

ウォッカマティーニ(毒入)は飲むがシェイクか不明

(シェイクかステアはどちれでもいいとオーダー)

 
Qからの装備品

なし(Q登場せず)

 

除細動器や解毒注射などボンド・カーにしては珍しく守りの装備が充実のアストン・マーティンDBS

 

★★★PICK UP LINES★★★

プロローグ ~ボンド、00エージェントへ~

 

裏切り者

If M was so sure that I was bent・・・she'd have sent a double-0.

Your file shows no kills, and it takes・・・

(私が裏切り者ならばMはダブル0を送る。お前は誰も殺していないようだが、ダブル0エージェントになるには・・・)

 

ボンド

Two.(2人だ。)

 

裏切り者

How did he die?(どう殺したんだ?)

 

ボンド

Your contact? Not well.(あんたの相棒か?ひどいもんさ。)

 

裏切り者

Made you feel it, did he?  You needn't worry.

The second is・・・

(その時のどんな気分だった?心配はない。二度目は・・・)

 

  Bang!!

 

ボンド

Yes. Considerably.(ああ、ずっと楽だ。)

 

      シリーズ作品    
1 1962年 ドクター・ノオ ショーン・コネリー
2 1963年 ロシアより愛をこめて C ショーン・コネリー
3 1964年 ゴールドフィンガー ショーン・コネリー
4 1965年 サンダーボール作戦 C ショーン・コネリー
5 1967年 007は二度死ぬ ショーン・コネリー
6 1969年 女王陛下の007 B ジョージ・レーゼンビー
7 1971年 ダイヤモンドは永遠に A  ショーン・コネリー
8 1973年 死ぬのは奴らだ B ロジャー・ムーア
9 1974年 黄金銃を持つ男 C ロジャー・ムーア
10 1977年 私を愛したスパイ ロジャー・ムーア
11 1979年 ムーンレイカー B  ロジャー・ムーア
12 1981年 ユア・アイズ・オンリー ロジャー・ムーア
13 1983年 オクトパシー ロジャー・ムーア
14 1985年 美しき獲物たち ロジャー・ムーア
15 1987年 リビング・デイライツ   ティモシー・ダルトン
16 1989年 消されたライセンス ティモシー・ダルトン
17 1995年 ゴールデンアイ ピアース・ブロスナン
18 1997年 トゥモロー・ネバー・ダイ   ピアース・ブロスナン
19 1999年 ワールド・イズ・ノット・イナフ ピアース・ブロスナン
20 2002年 ダイ・アナザー・デイ   ピアース・ブロスナン
21 2006年 カジノ・ロワイヤル ダニエル・クレイグ
22 2008年 慰めの報酬   ダニエル・クレイグ
23 2012年 スカイフォール ダニエル・クレイグ
24 2015年 スペクター ダニエル・クレイグ
25 2021年 ノー・タイム・トゥ・ダイ ダニエル・クレイグ