007 美しき獲物たち 

(007 A VIEW TO A KILL)1985

監督  
ジョン・グレン③  
キャスト  
ロジャー・ムーア

ジェームズ・ボンド(007) 

クリストファー・ウォーケン ゾリン 
グレース・ジョーンズ メイ・デイ (ゾリンの女、部下)
タニア・ロバーツ ステイシー・サットン
パトリック・ボーショー スカルピン(ゾリンの部下) 
ウィロビー・グレイ モルトナー博士(片眼鏡の爺さん)
パトリック・マクニ― チベット(仏でのボンドの協力者)
アリソン・ドゥーデイ ジェニー(ゾリンの部下)
マニング・レッドウッド コンリー(ゾリンの部下 地下工事担当)
デヴィッド・イップ チャック・リー(CIA)
フィオナ・フラートン ポール・イワノヴァ(KGB女工作員)
ウォルター・ゴテル⑥ ゴゴール(ソ連の将軍)
ジョー・フラッド NYの警官

ロイス・マクスウェル⑭

マネーペニー 
デスモンド・リュウェリン⑫ Q
ロバート・ブラウン② M
ジョフリー・キーン グレイ国防大臣

世界の半導体市場を牛耳ろうと画策する実業家のゾリン

その裏にはソ連のKGBの影が。

 

ゾリンの恐るべき計画を防ぐためボンドが動く!

 

シリーズ第14作目!

 

 

 

3代目ボンド、ロジャー・ムーアの卒業作品

 

(ヒーロー・アクション)

ストーリーはともかく、スケールの大きいアクションは見応えがあり!

 

毎回ド派手なアクションを繰り広げる007シリーズ。

世界各地でロケを行っていますが、物語終盤の舞台が「悪の組織の秘密基地がある離島」のように外界から隔絶された設定になることが多いので、景観が美しい地方(田舎)でのロケや、広大なセットでの撮影が多いです。

 

しかし本作では序盤はパリ、終盤ではLAという大都会が舞台

派手なアクションは毎度の事ですが、衆目の面前で注目を浴びまくるというのは一応スパイモノである007らしくない感じ。

(特に「タワーリング・インフェルノ」みたいに火事のビルから脱出してきて群衆から拍手喝さいを受けるシーンが印象的)

アクション・ヒーローのようなボンドの姿も楽しかったですが。

 

70~80年代の007作品のアクション・シーンを観ていると、「ダイ・ハード」や「ミッション・インポッシブル」など、その後のアクション大作に多大な影響を及ぼしていることを実感します。

 

(ボンドガール)

タニア・ロバーツ(ステイシー・サットン役)

アメリカ人。当時29歳。

面長で、シュッと鋭角なあご。割と好き。

 

グレース・ジョーンズ(メイ・デイ役)

ジャマイカ出身。アメリカでモデル、歌手として活躍。当時36歳。

メインのボンドガールであるタニア・ロバーツよりも印象に残るクセツヨな外見。特徴的な髪型やメイク。

そして、しなやかなアフリカン・ボディと哀愁感じるその最期。

 

(極悪敵キャラ、ゾリン)

 007シリーズに出てくる敵ボスは結構残酷な事をしてくる奴が多く、ボンドと関係を持ってしまった女性部下などが残忍な殺され方をされることもしばしば。

そんな中でもクリストファー・ウォーケン演じる本作のゾリンは特に極悪。

自身の計画に関わった者たちをことごとく皆殺しにしようとしてます。

掘削工事現場で働いていた工員たちを小銃で撃ちまくる姿は狂気。

 

(主題歌 A View to a Kill)

デュラン・デュランのかっこいいロック調の主題歌も大ヒット。

ロック調の主題歌は珍しいですが、「死ぬのは奴らだ」の LIVE AND LET DIE もカッコよかったなー。

 

(お疲れ様!ロジャー・ムーア と ロイス・マクスウェル)

●卒業①3代目ボンド、ロジャー・ムーア 私が一番好きなボンド

007シリーズが50年以上に渡り世界中で愛される超長期シリーズとして成功したのは、ロジャー・ムーアの功績によるところが大きいです。

 

今でこそ「007映画はボンド役が代替わりしながら続いていくもの」という共通認識が出来上がっていますが、絶大な人気を誇った初代ボンドのショーン・コネリー時代には「ショーン・コネリー=ボンド」という絶対的なイメージが定着しており、観客に代替わりを受け入れされるのは至難の業で、事実、6作目に登場した2代目ジョージ・レーゼンビーは失敗。

7作目に再びコネリーが復帰するという事態になった後の、8作目に登場したのがロジャー・ムーア。

 

半端ないプレッシャーがあったと思いますが、コネリーとは違ったムーアなりのボンドを作り上げていきました。

コネリー版ボンドとは違った、とても柔和で温かみがあり、茶目っ気たっぷりで、歴代で一番優しさを感じられるボンド

たぶんにムーア本人の人柄が滲み出ている感じがします。

 

歴代最多7作品でジェームズ・ボンドを演じ切ったムーア。

最後の作品となった本作当時は57歳。

歴代最高齢でボンドを演じた役者になりました。

 

(ショーン・コネリーは6作品ですが、非イオン系の作品「ネバーセイ・ネバーアゲイン」でもボンドを演じているので、それもカウントすればムーアとタイの7作品出演という事になります。)

 

 

●卒業②マネーペニー役、ロイス・マクスウェル

マネーペニー役でシリーズ1作目から本作14作目まで連続して出演し、ボンドとの毎度の茶番劇というシリーズの風物詩を作り上げた立役者の一人。

14作品出演はシリーズ出演記録歴代2位となります。

(1位はM役デスモンド・リュウェリンの17作)

 

(製作)

サルツマンが製作から離脱した10作目「私を愛したスパイ」以降、単独プロデューサーとしてシリーズを引っ張ってきたブロッコリでしたが、本作からは継子(結婚相手の連れ子)であるマイケル・G・ウィルソンとの共同プロデュースという形になります。

以降、ウィルソンはシリーズ全作で製作を務めていきます。

 

(見どころ)

●序盤:パリ エッフェル塔からセーヌ川までの追跡アクション!

真っ二つに割れた車でパリ市街を疾走するボンドが愉快。

 

●終盤:ゴールデン・ゲート・ブリッジ上空宙吊りからケーブル上の決戦!

超高高度アクションは手に汗握るスリル満点。

 

(タイトル)

原作小説のタイトルは、From a View to a Kill (邦題:バラと拳銃)。

語呂がワルいという事でfrom が取られて、a view to a kill になったそう。

From a View to a Kill は「獲物を仕留める」という意味の慣用的な表現のよう。

 

主題歌

A View to a Kill

(デュラン・デュラン)

M
メイン・ボンドガール役 タニア・ロバーツ(米) 生存
ボンド、ジェームズ・ボンド 言う  
ウォッカマティーニ、シェイク 飲まない(ウォッカを持っていたがマティーニにしたか不明)   
Qからの装備品 なし(偏光サングラス?)  

★★★PICK UP LINES★★★

ボンド・ガール(タニア・ロバーツ)登場シーン

 

チベット

Another wealthy owner?(またセレブ女が現れたか?)

 

ボンド

Who knows?

But she'd certainly bear closer inspection.

(誰だろうね。近づいてじっくり調べないとね。)

 

チベット

We're on a mission.(任務中だぞ。)

 

ボンド

Sir Godfrey... on a mission... I am expected to sacrifice my self.

(ええ、任務ですとも。宮仕えのつらいところだ。)

 

※born(過去分詞形 bear)には「(関係を)持つ」という意味もあります。

ボンドが暗に「彼女にちょっかい出したい」と言っている感じ。

 

ボンドの最後の台詞をそのまま訳すと「自分を犠牲にするするつもりだ。」ですが、字幕の「宮仕えのつらいところだ」は、ボンドの洒落っ気がより感じられていい訳だなと思いました。

 

      シリーズ作品    
1 1962年 ドクター・ノオ ショーン・コネリー
2 1963年 ロシアより愛をこめて C ショーン・コネリー
3 1964年 ゴールドフィンガー ショーン・コネリー
4 1965年 サンダーボール作戦 C ショーン・コネリー
5 1967年 007は二度死ぬ ショーン・コネリー
6 1969年 女王陛下の007 B ジョージ・レーゼンビー
7 1971年 ダイヤモンドは永遠に A  ショーン・コネリー
8 1973年 死ぬのは奴らだ B ロジャー・ムーア
9 1974年 黄金銃を持つ男 C ロジャー・ムーア
10 1977年 私を愛したスパイ ロジャー・ムーア
11 1979年 ムーンレイカー B  ロジャー・ムーア
12 1981年 ユア・アイズ・オンリー ロジャー・ムーア
13 1983年 オクトパシー ロジャー・ムーア
14 1985年 美しき獲物たち ロジャー・ムーア
15 1987年 リビング・デイライツ   ティモシー・ダルトン
16 1989年 消されたライセンス ティモシー・ダルトン
17 1995年 ゴールデンアイ ピアース・ブロスナン
18 1997年 トゥモロー・ネバー・ダイ   ピアース・ブロスナン
19 1999年 ワールド・イズ・ノット・イナフ ピアース・ブロスナン
20 2002年 ダイ・アナザー・デイ   ピアース・ブロスナン
21 2006年 カジノ・ロワイヤル   ダニエル・クレイグ
22 2008年 慰めの報酬   ダニエル・クレイグ
23 2012年 スカイフォール ダニエル・クレイグ
24 2015年 スペクター ダニエル・クレイグ
25 2021年 ノー・タイム・トゥ・ダイ   ダニエル・クレイグ