地中海に沈没したイギリスのスパイ船にはミサイルの軌道を操作できる秘密兵器が搭載されていた！

敵対勢力よりも先に兵器を回収するため007がギリシアへ派遣される！

 

シリーズ第12弾！

1962年に始まったシリーズもいよいよ80年代に突入！

 

（多彩なロケ、多彩なスタントアクション！）

いろんな場所で、いろんなアクションをふんだんに盛り込んで繋げた作品。

●ボンド×ウィンタースポーツ！

訪れた北イタリアのコルティーナで、スキー、スケート、バイアスロン、アイスホッケー、スキージャンプ、ボブスレーなどウィンタースポーツメドレーを見せてくれます。（ボブスレーは6作目「女王陛下の007」でも使ってました。）

前年1980年にモスクワで冬のオリンピックが開催され盛り上がったのを受けての事と思われます。

（コルティーナでも1956年に冬のオリンピックが開催されています。）

 

●海中バトル

沈没船への潜水服での探索アクションと潜水艇チェイスアクション。

海上でのボート引きずり刑はエグいな。

 

●断崖クリフハンガー！

崖から突き落とされて地上100ｍで宙吊りという危険なスタントにスタントマンのリック・シルヴェスタ―が挑んでます。

彼は前々作「私を愛したスパイ」のオープニングでも、スキーで崖ジャンプからのパラシュートという超絶スタントをこなした命知らず。

 

（ボンドガール）

●メリナ役 キャロル・ブーケ　歴代で一番好きなボンドガール！

当時23歳。フランス人。

知的な雰囲気漂うクール・ビューティー。

15歳で大学に入学するなど実際にインテリ。

ボンドガールの中では硬派なキャラで衣装の露出もかなり少ない。

目がたまらない。

刺すようにするどい瞳の中にも、とろけるような甘い香りが。

 

●伯爵夫人役 カサンドラ・ハリス

撮影現場には俳優をしていたカサンドラの夫も見学に訪れていたそうです。

夫の名はピアーズ・ブロスナン。

後に5代目ジェームズ・ボンドとなるその人。

 

●ビビ役 リン・ホリー・ジョンソン

1970年代半ばに実際にフィギュアスケート選手として活躍していた。

 

（ジョン・グレン監督）

これまでの007作品で編集などをしていましたが、本作で監督に抜擢。

以降、16作目「消されたライセンス」まで80年代に公開された5作品全てで監督を務めます。

スリリングで軽快なアクションが得意なイメージ。

 

（プレタイトル・シークエンス）

●墓参り

テレサ・ボンドと刻まれたお墓をボンドが参っています。

テレサ（トレーシー）はシリーズ6作目「女王陛下の007」でジョージ・レーゼンビー演じる2代目ボンドと結婚した相手。

 

ダニエル・クレイグの6代目ボンド以外で、シリーズ作の繋がりや、時系的連続性を示唆するシーンはかなり稀。

 

●ブロフェルド！？

狭い工場の建物の中をヘリが突っ切っていき、さらにボンドがヘリに曲乗りするというオープニングにふさわしいスリリングなアクションを見せてくれますが、問題はスキンヘッドで膝の上にペルシャ猫を乗せ、ボンドに恨みを持ち、亡き者にしようと企む男。

どう考えてもブロフェルドですが、当時、制作会社のイーオンやＵＡは、ケヴィン・マクローリーとの訴訟により（詳細はこちらで）スペクターやブロフェルド関連の権利を持っていなかったため、公式にはブロフェルドではない誰かという事になります。

 

（主題歌 For Your Eyes Only）

英人歌手のシーナ・イーストンが歌っていますが、歌手本人がオープニング映像に出演するのはこの作品だけ。

 

イアン・フレミングの原作小説 for your eyes only には「読後焼却すべし」という邦題が付けられています。（ボンドへの極秘指令書のこと）

「あなただけに見せる」という意味合いの言葉ですが、本作ラストでメリナが服を脱ぎながら上目遣いでボンドにこの台詞を囁くシーンがたまらん。

 

（Mが登場しない）

本作撮影前に、1作目より11作連続でM役として出演していたバーナード・リーが亡くなりました。

本作では代役は立てずに、Mは休暇という事になってます。

（ボンドがマネーペニーに「Mに」と言って一輪の花を渡す追悼的シーンがあります。）

 

（好きなところ）

●シトロエン２ＣＶのカーアクション

迫力よりも愉快さを追求したカーアクション楽しかったです。