007は二度死ぬ 

(007  YOU ONLY LIVE TWICE)1967

監督 ルイス・ギルバート①  
キャスト ショーン・コネリー⑤ ジェームズ・ボンド(007)
  丹波 哲郎 田中(タイガー)
  若林 映子 アキ
  浜 美枝 007の偽装結婚相手(キッシー鈴木)
  島田 テル 大里(大里化学の社長)
  カリン・ドール ブラント(大里の秘書  No.11)
  ドナルド・プレザンス エルンスト・エルヴロ・ブロフェルド
  チャールズ・グレイ ヘンダーソン
  ロイス・マクスウェル⑤ マネーペニー
  バーナード・リー⑤ M
  デスモンド・リュウェリン④ Q
  バート・クウォーク スペクター基地エンジニア(No.2)
 

ピーター・メイビア

(ドウェイン・ジョンソンの祖父)

大里化学内での格闘相手
  ロナルド・リッチ ハンス(ブロフェルドの部下)
  ツァイ・チン リン(中国人女性)
  佐田の山 佐田の山(横綱  本人役)

アメリカ、ソ連の宇宙船が船籍不明の謎の飛行物体に捕獲され消息を消してしまう。

互いを疑い開戦の危機が高まる中、謎の飛行物体の離発着地点とおぼしき日本へと007が派遣される!

 

事件を影で操るあの組織のNo.1へと迫るシリーズ第5弾!

 

007、日本に来る!

物語の舞台はほぼ全編日本!

日本人俳優が多数出演し、日本各地で大規模なロケを敢行しています。

 

ストーリーもアクションもなかなかにスケールの大きい大作映画。

日米ともに大ヒットしました。

 

1~5作目までボンドを演じたショーン・コネリーは本作を持ってボンド役を一旦退きますが、7作目でカムバックします。

 

シリーズ初起用となった監督ルイス・ギルバートは、本作と10作目「私を愛したスパイ」、11作目「ムーンレイカー」の計3作を監督します。

(ちなみに丹波哲郎は1964年のギルバート監督作「第七の暁」に出演していた縁で、本作への出演に繋がりました。)

 

(タイトル  YOU ONLY LIVE TWICE)

You only live once(人生は一度きり)という表現をもじったものなので、そのまま訳すと「人生は二度っきり」。

冒頭でボンドが一度死んで(死を偽装して)いるので「人生は二度ある」→「二度死ぬ」に。

 

(オープニング)

和傘をモチーフにした円形模様や芸者、溶岩の流れる様などが映ってます。

 

(in JAPAN)

日本各地でロケしてます。

いろんな日本を風土・風景を、かなりの尺を使って映してます。

 

●国技館

日本に来たボンドがまず始めに訪れたところ。

現在の二代目国技館(両国国技館)ではなく、蔵前国技館です。

当時の横綱、佐田の山が本人役で登場。

相撲の取り組みもガッツリ見せてます。

 

●ホテルニューオータニ

大里化学の本社ビルとして外観が使われてます。

 

●姫路城

ニンジャの訓練施設として使われています。

ニンジャ役には極真会館の人達が協力、出演しているようです。

ニンジャたちよりも、姫路城がカッコイイ!

作中にも映ってますが、壁に手裏剣を投げつけて傷つけるなど、かなり粗いロケをしたので、お城の関係者は激オコで、最終的には追い出されてしまったそうです。

 

●熊野那智大社

ボンドの偽装結婚式場に使われる。神前式の様子をガッツリ映してます。

 

鹿児島県坊津町(現:南さつま市)

「神戸と上海の間にある島」の漁村としてと使われる。

町の高台にショーン・コネリーと丹波哲郎のサインの入った記念碑がある。

 

霧島山新燃岳

島の山(スペクターの隠れ基地)として使われています。

付近上空で、ヘリコプターの空中戦も撮られてます。

 

(ボンドガール 初の日本人 2人とも超キュート)

若林映子

当時27歳。本作以前からイタリア映画、ドイツ映画で活躍していた国際派。

 

●浜美枝

本作のメインのボンドガール。

(若林映子とダブルメインみたいな感はありましたが。)

当時23歳。当初は若林映子が演じたアキ役でキャスティングされていましたが英語が不得意で、台詞の少ないキッシー鈴木役へと入れ替わったそう。

終盤は登山シーンでも、敵基地内でもずっーと必然性なき水着(グッジョブ👍)

1作目「ドクター・ノオ」のボンドガール、ウルスラ・アンドレを連想させます。

その後も映画やTVで女優だけでなくMCとしても活躍。

環境、食や農業に関心を寄せてエッセイなども執筆。大学の客員教授になるなど幅広く活躍しておられます。

 

1962年「キングコング VS ゴジラ」に若林、浜の2人が共演しており、それを観ていた先方から2人揃って出演依頼があったそうです。

 

2人とも超カワイイ。

2人が日本人として初めてボンドガールとなりました。

以降日本人のボンドガールは一人もいません。

次はいつ、誰がなってくれるかなー?

 

(007と女性  時代)

時代もありますが、全体的に男尊女卑的な台詞や雰囲気がプンプン漂ってます。特にソープ嬢たちのシーンとか、容姿の良くない女性を pig(ブタ)呼ばわりしたりとか。 今これを上映したら炎上しそう。

 

火に油を注ぐような事を言うかもしれませんが、結婚式前に花嫁が順に現れるシーンを観る限り、ここ数十年、欧米や日本においての容姿の美醜感は共通しているよう。

 

(スペクターNo.1 ブロフェルド本格登場!)

 2作目「ロシアより愛をこめて」の時と同じくペルシャ・ニャンコを撫でながらの登場。本作では顔を見せます。

ブロフェルドは以降の作品にも登場しますが、毎回演者が変わります。

ちなみに本作でヘンダーソンを演じたチャールズ・グレイが、7作目「ダイヤモンドは永遠に」ではブロフェルドを演じてます。

 

(見どころ)

●ヘリコプターの空中戦

007と言えばカー・チェイスは定番ですが、スケールの大きいヘリ・チェイスも良かったです。Qの装備武器が次々と炸裂していき楽しい。

 

●隠れ基地での大乱戦

かなり大規模なセットに、大規模な人数での大乱戦はワクワク。

 

(好きなところ)

●ベットが回転したり、床や橋が落ちたり。ドリフ的ww

 

主題歌

You Only Live Twice(op)

歌:ナンシー・シナトラ

 (フランク・シナトラの娘)

メイン・ボンドガール役 浜 美枝(日) 生存
ボンド、ジェームズ・ボンド 言わない  
ウォッカマティーニ、シェイク 飲まない(ウォッカベースでステアした何かを、ヘンダーソンの部屋で飲んでいる)  
Qからの装備品

リトル・ネリー(組立式ヘリコプター)

 ※タバコ銃は田中からの支給品

 

★★★PICK UP LINES★★★

世界をまたにかけるボンド、世界をおまたをパックンチョ

 

ボンド

Why do Chinese girls taste different from all other girls?

(中国の女性はどうして味が違うのかな?)

 

リン

You think we bettre, huh?(味がいいの?)

 

ボンド

No, just different, like Peking duck is different from Russian caviar.

But I love them both.

(いや、違うというだけさ。北京ダックとロシアのキャビアが違うようにね。どっちも大好きだよ。)

 

リン

Darling, I give you very best duck.(最高のダックをあげちゃうわ。)

 

 

なかなかとんでもない台詞ですが、これが許されるのはジェームズ・ボンドくらいか。いや、今のご時世ではボンドでもアウトかもしれせん。

 

 

※北京

北京の英語表記は Beijing(ベイジン) ですが、昔は Peking(ペキン) という表記がよく使われていました。

「ペキン」という発音は中国南部方言に由来する歴史的な読み方ですが、現在の中国標準語の発音だとベイジンとかペイチンという風に聞こえます。

 

中国の方に中にも、最近になって定められた Beijing より Peking の方がしっくりくるという方もいるようです。

      シリーズ作品    
1 1962年 ドクター・ノオ ショーン・コネリー
2 1963年 ロシアより愛をこめて C ショーン・コネリー
3 1964年 ゴールドフィンガー ショーン・コネリー
4 1965年 サンダーボール作戦 C ショーン・コネリー
5 1967年 007は二度死ぬ ショーン・コネリー
6 1969年 女王陛下の007 B ジョージ・レーゼンビー
7 1971年 ダイヤモンドは永遠に A ショーン・コネリー
8 1973年 死ぬのは奴らだ B  ロジャー・ムーア
9 1974年 黄金銃を持つ男 C  ロジャー・ムーア
10 1977年 私を愛したスパイ A ロジャー・ムーア
11 1979年 ムーンレイカー B ロジャー・ムーア
12 1981年 ユア・アイズ・オンリー B ロジャー・ムーア
13 1983年 オクトパシー D  ロジャー・ムーア
14 1985年 美しき獲物たち   ロジャー・ムーア
15 1987年 リビング・デイライツ   ティモシー・ダルトン
16 1989年 消されたライセンス ティモシー・ダルトン
17 1995年 ゴールデンアイ   ピアース・ブロスナン
18 1997年 トゥモロー・ネバー・ダイ   ピアース・ブロスナン
19 1999年 ワールド・イズ・ノット・イナフ ピアース・ブロスナン
20 2002年 ダイ・アナザー・デイ ピアース・ブロスナン
21 2006年 カジノ・ロワイヤル ダニエル・クレイグ
22 2008年 慰めの報酬 ダニエル・クレイグ
23 2012年 スカイフォール ダニエル・クレイグ
24 2015年 スペクター ダニエル・クレイグ
25 2021年 ノー・タイム・トゥ・ダイ ダニエル・クレイグ