LOGAN / ローガン S

LOGAN)2017

監督 ジェームズ・マンゴールド  
キャスト ヒュー・ジャックマン  ローガン(ウルヴァリン)  /  X-24 
  ダフネ・キーン ローラ(X-23)
  パトリック・スチュアート チャールズ(プロフェッサーX)
  ボイド・ホルブック

ドナルド・ピアース(追っ手)

  スティーヴン・マーチャント キャリバン(色白ミュータント)
  リチャード・E・グラント Dr.ザンダー・ライス
  エリザベス・ロドリゲス ガブリエラ(ローラを逃がした女性)
  エリク・ラ・サル 農夫
  エリゼ・ニール 農夫の妻
  クインシー・フォウス 農夫の息子

2029年。

突然変異が抑制され新たなミュータントが生まれなくなった世界。

X-MENを率いた偉大なる指導者プロフェッサーX(チャールズ)も今や認知症に苦しみ、薬がなければ能力を制御できず、ウルヴァリンの介護を受ける日々。

X-MENとして世界の危機を幾度と救ってきたウルヴァリン(ローガン)も歳をとり、治癒能力も限界をむかえ、かつての強靭さを失い、テキサスでリムジンの運転手をして日銭を稼ぐ日々。

そんな中、ローガンの前に突然ローラという少女と、彼女を追う集団が現れる。

「誰かに似ていると思わないか?」

ローラを見たチャールズがローガンに尋ねる。

ローガンの遺伝子を組み込まれて人工的に作られたミュータント兵器の実験体だったローラ。施設を脱走してきたローラとの逃避行が始まる・・・・・

 

ウルヴァリン・シリーズ3部作の完結編となりますが、これまでのX-MENシリーズ作やヒーローアクションとはまったくコンセプトが異なる異色のマーベル・ヒーロー映画。

というかこれはもうヒーロー映画じゃなく、「かつてのヒーロー」という設定を効果的に使ったロードムービー的ヒューマン・ドラマ

 

監督はシリーズ前作「ウルヴァリン SAMURAI」に引き続き、人間ドラマを撮るのが得意なジェ―ムズ・マンゴールド。脚本にも参加してます。

SAMURAIでは派手なエンタメアクションの中に、ウルヴァリンの心の再生というドラマをねじ込もうとして機能不全に陥り残念な感じでしたが、本作は最初から大人向けのドラマにするというコンセプトで割り切っているのでいい作品になったと思います。

 

人は誰でも年をとり、衰え、死んでいきます。当たり前のことですが、そんな現実をあの超能力全開で大暴れしてきたウルヴァリンやプロフェッサーXを使って見せつけてくるので、落差が激しく、切なく哀れで苦しくなる。

そんな生々しい現実を描いているからか、アクションも生々しい感じ。

 

残念だったのはヴィランのキャラが全然立っていなかった事。

ヒュー・ジャックマンが2役で演じたX-24はワイルドで良かったですが、追っ手の義手ハンターや博士に魅力なし。

ローガン、チャールズ、ローラ3人のドラマが主体とは言え、悪役にももう少し魅力がほしかったです。

 

近年のマーベル映画では、エンドロール後に次作へと繋がるオマケ的シーンを入れるのが常でしたが、本作にはありませんでした。

ローガン最期の作品、次はないよという事なのかな。

ヒューもウルヴァリンを演じるのはこれで最後と公言してます。

シリーズ1作目、2000年の「X-メン」当時32歳だったヒューも50歳目前。

17年間サーンクス!!

(見どころ)

老いたローガンとチャールズ

これまでにはない2人の人間的な関係性が描かれてます。

 

あらゆる傷を瞬時に直すローガンを不老不死のように思ってましたが、ゆっくりではあるけど歳をとるし、そのせいで体内のアダマンタイトが体を蝕みフィジカルもメンタルもボロボロなローガン。二世紀近くを戦いの中で生きてきた男に死を迎えさせてあげる物語。子供たちを守るため最後の力を使い果たし死んでいくローガンと、彼を父と呼ぶローラ。泣けてきます。

 

ローラ(X-23)を演じたダフネ・キーン

台詞の少ないキャラですが、目力と表情で訴えてきます。

戦闘時の凶暴な表情も良かったです。

両手の2本爪と、足からも出る爪を使った軽快ながら暴力的なローラのアクションも良かったです。

 

★★★PICK UP LINES★★★

映画「シェーン」より

 

A man has to be what he is, Joey.  Can't break the mold.

There's no living with a killing.  There's no going back.

Right or wrong, it's a brand.  A brand that sticks.

Now you run out on home to your mother.

You tell her everything's all right. 

There are no more guns in the valley.

 

人の生き方は決まっているのさ、ジョーイ。変えられない。

人殺しは人殺し。元には戻れない。

それが正しかろうと、過ちだろうと人殺しの烙印を押される。

さあ、ママのところに帰って、もう大丈夫だと伝えるんだ。

谷から銃は消えたよ。