100人以上が犠牲となった凄惨な列車事故で唯一生き残った男デヴィッド･ダン。

しかもまったくの無傷で。

そんな彼に対して、途方もない事を言ってくる男が現れる。

「怪我や病気をしないのは君がヒーローだからだ。」

コミック収集家のイライジャ･プライスは、コミックに登場するような特殊な力を授かったヒーローは現実にも存在し、デヴィッドこそがそのヒーローなのだと主張するが･････

 

さえない中年男の主人公デヴィッドが、「真のヒーローなのか？」を巡るサスペンスドラマ。

ある種のヒーロー映画でもあるのかもしれません。

 

（メイド イン シャマラン）

監督＆脚本は前年に「シックス･センス」で大ヒットを飛ばしたＭ･ナイト･シャマラン。

家族の物語（夫婦、親子関係の修復）を描いたり、何気ないモノや行為を、何か特別なものに結び付けて劇的に描こうとしたり、シャマラン監督らしい作品になってます。

「シックス･センス」ほどではないにしろ、最後にどんでん返しも用意されてます。

 

（見どころ）

●対極であり表裏である存在、デヴィッドとダン

アンブレイカブル(壊れない)なデヴィッドに対して、メチャクチャブレイカブルなダン(Mr.ガラス)。　

対極にある2人が互いに存在意義となる関係だと明かされるオチ。

 

（好きなところ）

●ポンチョ(合羽)マント

ヒーローマントの代わりの様な感じで、デヴィッドのトレードマーク的アイテムになってます。

カッコイイですが、不気味な感じも。

 

（ヒーロー映画？）

2000年の公開当時に観るのと、マーベルやＤＣによる様々なヒーロー映画が作られ、ヒーロー達がハリウッドの映画界を席捲するようになった昨今に観るのとでは、感じ方が変わってくる作品だと思います。

 

2000年公開当時に観た時は「コミックの内容を現実の人間に当てはめる」なんて強引で無理矢理な脚本だなと感じたのを覚えています。

 

その後は、2002年から始まったサム・ライミ監督版の「スパイダーマン」シリーズや、2008年からのMCU(マーベル･シネマティック･ユニバース)のような派手なＳＦアクショ･ヒーロー映画が大々成功を収めていきますが、

その一方で2005年からの「バットマン ダーク･ナイト･シリーズ」や、2009年「ウォッチメン」のようなシュールでシリアスなヒーロー映画も作られてきました。

そうしたヒーロー映画の隆盛を経た今改めて本作を観ると、シュール＆シリアス路線の先駆的な作品のようにも思えてきますし、「コミックヒーローみたいなやつが現実にもいる」という設定も入ってきやすくなっているかもしれません。

 

そういった本作への見直しもあってか、16年の時を経て続編が製作されています。（2016年「スプリット」、2019年「ミスター・ガラス」）