ベン・ハー B

(BEN-HUR)1959

監督 ウィリアム・ワイラー  
キャスト チャールトン・ヘストン ジュダ・ベン・ハー
  スティーヴン・ボイド メッサーラ
  ジャック・ホーキンス アリウス長官
  ハイヤ・ハラリート エスター(サイモニデスの娘)
  サム・ジャッフェ サイモニデス(ジュダの部下)
  マーサ・スコット ミリアム(ジュダの母)
  キャシー・オドネル ティルザ(ジュダの妹)
  ヒュー・グリフィス 馬好きの族長
  テレンス・ロングドン ドルーサス(メッサーラの部下)
  フランク・スリング ポンティウス・ピラトゥス

3時間20分を超える歴史スペクタル大作です。

原作はルー・ウォレスの1880年の小説「ベン・ハー」(Ben-Hur:A Tale of the Christ)です。小説は大ヒットし、舞台化され20年以上公演されるロングランヒットとなりました。

映画化は1907年、1925年に次いで本作が3作目となります。(前二作品はサイレント映画でした。1925年版はサイレントでありながら2時間を超える大作で大ヒット。ワイラー監督も助監督として参加していたそう。本作にも影響を与えています。)

 

スケールの大きい作品ですがストーリーはシンプルですね。

幼馴染みで親友のローマ軍指揮官メッサーラに裏切られ、自身や家族に無実の罪を着せられ、罪人として追放されてしまうユダヤ人貴族のジュダ・ベン・ハー。メッサーラへの復讐を誓い這い上がるジュダとメッサーラとの対決を描いたお話です。また原作小説の題名に A Tale of the Christ とあるようにキリストの誕生から死までをジュダとの関わりを通して描いてます。

シンプルなストーリーに、音楽や背景の臨場感、役者の演技で重厚さを持たせています。

 

1,500万ドル(54億円)という当時としては超々巨額な製作費をつぎ込み、6年半という製作期間を経て完成した大作です。

何せCGなんて無かった時代。300以上のセットが作られ、戦車のシーンが撮られた闘技場に至っては1,000人以上の技術者が1年掛かりで製作。

出演者もエキストラを含めて5万人超。とにかくあらゆる面で規格外の大作と言う事ですね。

 

お金と時間をかけた甲斐あって興行的にも大成功。当時破産寸前だった

MGMを一気に立て直しました。アカデミー賞では史上最多11部門を受賞。(11部門受賞は「タイタニック」「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」と

並ぶタイ記録ですが、両作が演技部門で受賞していないのに対して、本作は主演男優賞(チャールトン・ヘストン)、助演男優賞(ヒュー・グリフィス)を受賞してます。)また巨匠ワイラー監督は3度目の監督賞受賞となりました。

 

序章と間奏で使われていた絵はミケランジェロの「アダムの創造」。

いきなり6分以上静止画で音楽だけ聞かされてびっくり。長い。

 

日本では公開前に昭和天皇・皇后がご覧になり、日本で初の天覧上映となりました。

 

ローマ郊外の大型映画撮影所チネチッタにセットが作られ、撮影もほとんどローマで行われました。

ワイラー監督でローマと言えば「ローマの休日」もどうぞ。

 

(見どころ)

●当然、戦車のシーン。迫力満点。

 あれホントに走らせてるんだもんねー。スゴイねー。

 ジョジョのジョセフVSワムウのバトルも本作からインスピレーション

 得てると思います。

 海戦のシーンは 、さすがに今観るとちゃちい感じが否めないですね。

 

★★★PICK UP LINES★★★

決裂

 

ベン・ハー

You've changed.(君は変わったな。)

 

メッサーラ

I've grown up. I've seen the world since I left Jerusalem.

I've seen Roma. It's no accident that one village on the Tiber was chosen to rule the world.

(成長したのさ。エルサレムを離れて世界を、そしてローマを見てきた。

イタリアの一つの村が世界の支配者となったのは偶然ではないよ。)

 

ベン・ハー

Your legions.(軍事力だろ。)

 

メッサーラ

It wasn't just our legions.

Other countries have armies, fine armies. I know, I fought them.

It was fate that chose us to civilize the world. And we have.

Our roads and ships connect every corner of the earth.

Roman law, architecture, literature are the glory of the human race.

(それだけじゃない。軍隊は他の国にもある。私は実際に戦ってきたんだ。ローマが選ばれたのは運命なんだよ。世界に文明をもたらすために。実際に道路と船で世界を結んだ。法も建築も文学も人類の比類なき頂点にある。)

 

ベン・ハー

I believe in the future of my people.

(それでも僕は我が民族の未来を信じるよ。)

 

 

※Tiber はイタリア中部を流れるティベレ川のとこです。