ヒッチコック監督の代表作の１つ。サイコ･サスペンス、サイコ･スリラーの元祖として映画史に残る作品です。原作はロバート・ブロックの同名小説です。アメリカ異常犯罪史にその名を残す実在の殺人犯エド・ゲインを基にしたお話です

 

今となっては定番とも言える「二重人格」「実は自分だった」という

プロット、手法を使った作品。

公開当時に観た方には、とても斬新で、センセーショナルに感じられたと思います。そしてこのプロットは、現代に至るまで様々な作品に

使われ大きな影響を与えています。

さすがに今観るとそのオチはすぐに読めてしまうのですが、主人公がいきなり中盤で殺されてしまうという展開には意外性があり、驚かされました。

こういう古典名作を観ると、今まで観てきたいろんな映画がたくさんの影響を受けている事が良くわかります。

 

有名なバスルームでの殺人シーンは、残念ながら怖さを感じませんでした。性・暴力描写に規制の多かった当時、ナイフが直接体に刺さる画はなくともカット割りを多くして、それを想像させる観せ方で恐怖を見事に演出したと評される名シーンですが、現代のもっとハードで激しい残虐描写に見慣れてしまっているせいか、ちゃちいとさえ思ってしまいました。

当時は映倫の検閲が厳しく、シャワーシーン以外にもトイレが映るシーンもこれまでに映画でトイレが映された前例がないとの事で問題になるくらい。

 

監督の意向でモノクロ作品になってます。

パラマウントが資金出さなかったので、ヒッチコックが自己資金80万ドルで製作。コケたら破産モノでしたが、大ヒットして大儲け。

マリオンの同僚役を演じたパトリシア・ヒッチコックは監督の実娘です。

 

絵にも描いたあの洋館。私の大好きなゲーム「バイオ・ハザード：コード･ヴェロニカ」もストーリー的にもビジュアル的にも本作の影響をもろに受けている事がよくわかりました。

 

1983年に続編の「サイコ２」、1986年には「サイコ３ 怨霊の囁き」が

作られました。さらにテレビ映画で「サイコ４」もあります。

また1998年にリメイク作「サイコ」も作られました。

 

～エド・ゲイン～

異常なマザコンで、母親やその他多くの人の墓を荒らし死体を掘り出し人間の皮膚や唇や頭骨でいろんなグッズ（人間の皮膚でランプシェード、小物入れ、ベルト、靴下等々）を作っていたサイコです。

題材にした作品では2000年の「エド・ゲイン」、また2007年のＯＶＡ作「エド・ゲイン」があります。

またサイコ・スリラーの傑作1991年「羊たちの沈黙」の犯人バッファロー･ビルもエド・ゲインがモデルになってます。

 

本作製作の舞台裏を描いた2012年「ヒッチコック」もどうぞ。

 

（見どころ）

●サイコ・スリラーの原点たるストーリー。

●ノーマン役のアンソニー・パーキンズ

　魅力を感じさせるサイコを演じていました。

　古典版のハンニバル・レクターといった感じでしょうか。

 

（好きなところ）

●バーナード・ハーマンによる音楽も良かった。

　特にオープニニングの映像と音楽はマッチしてた。