キャスト・アウェイ B

(CAST AWAY)2000

監督 ロバート・ゼメキス  
キャスト トム・ハンクス チャック・ノーランド 
  ヘレン・ハント ケリー(チャックの恋人) 
  ニック・サーシー スタン(チャックの友人、同僚)
  クリス・ノース ジェリー・ラヴェット(歯医者)
  ラリ・ホワイト ベティーナ(天使の羽根アーティスト)
  ヴィンス・マーティン アル(飛行機パイロット)
  フレッド・スミス(FedEx CEO) 本人約
  ウィルソン・バレーボール ウィルソン

物流の世界最大手フェデックスの社員チャック(トム・ハンクス)の乗った貨物飛行機が荷物とともに太平洋に墜落。

唯一生き残り、無人島へと漂着したチャックのサバイバル生活が始まる。

恋人ケリー(ヘレン・ハント)との再会を希望に

過酷で孤独な島での暮らしを続けるチャックの運命は・・・

 

ゼメキス監督&主演トム・ハンクスのタッグは1994年「フォレスト・ガンプ」以来。本作では2人が製作にも参加してます。

 

「無人島での孤独なサバイバル」「死んだと思っていた人が実は生きていて帰ってきた」の2つのプロットで、「時間」「希望」を描いたドラマ。

 

序盤のシーンから、ラストへときれい繋がっていく上手な脚本。

巧く組み立てられた物語に仕上がってます。

 

(無人島での孤独なサバイバル)

冒頭で「時間は無情だ、無駄にするな」とロシア人の従業員をまくし立てていたチャックが、無限とも言える時間の中に閉じ込めれてしまうつらさ。

確かに時は無情。

 

火を起こそうと苦労した末に「空気がいるんだ!」と気づく場面が好き。

試行錯誤→気付き→成功って流れがサバイバルっぽくていいです。

 

無人島生活4年目のチャックの姿は「猿の惑星」のチャールトン・ヘストンのよう。演じたトム・ハンクスは無人島サバイバル前後で22キロ以上の減量で挑んでます。

 

無人島サバイバルは「ロビンソン・クルーソー」以来の定番ネタ。

本作のように「一人で」の孤独パターンと、「蝿の王」のように「集団で」のパニック系のパターンがあります。

 

(希望 ケリー)

孤独な生活の支えになった恋人ケリーの存在。

島では時計の中(の写真)にいるってのがシニカル。

 

(支え ウィルソン)

この映画の代名詞的なキャラ、相棒のウィルソン!

心の支えですが、チャックの孤独を象徴するヤツでもあります。

 

(支え 羽根の絵の荷物)

仕事に誇りを持つチャックが、漂着した荷物の中で開けずにいた天使の羽根のマークが描かれた箱。荷主へ返そうとするプロ意識を自ら課したことで支えにしていたんだと思います。

この荷物(希望)はラストシーンへと繋がっていきます。

 

(実は生きていて帰ってきたドラマ)

戦争モノでよく使われるネタ。

ケリーとの再会は「時間」の残酷さを突きつけられて切ない。 

確かに時は無情。

 

(ラスト)

羽根の箱の荷主宅の門のアーチには、4年前は「ディック&ベティーナ」。現在は「ベティーナ」。序盤に浮気する夫が映っていたので別れたて独り身になったのでしょう。

そこへ荷物を届けたチャックは帰り際にベティーナと出会って物語は終了。

「この後ベティーナが引き返してきて、2人のロマンスが始まるのかな?」とか観客にその後を想像させる終わり方。

 

(フェデックス)

物流世界最大手フェデックスの創業者でCEOのフレッド・スミスが本人役で主演してます。本拠地はチャックの地元であるテネシー州のメンフィス。

メンフィスはエルビス・プレスリーが育った町。チャックはエルビスが好きで、作中でも曲が良く使われてました。

 

(ウィルソン)

ウィルソン・スポーティング・グッズ。米のスポーツ用品製造会社です。

バレーボールも作ってますが、テニスやアメフトのボールでよく見かける気がします。

 

★★★PICK UP LINES★★★

(シーン①)時は残酷 本作のテーマであり、フリであり

序盤 ロシア人を叱咤するチャック

 

Time rules over us without mercy, not caring if we're healthy or ill, hungry or drunk.  Russian, American, beings from Mars.

It's like a fire. It could either destroy us or keep us warm.

That's why every FedEx office has a clock.

Because we live or we die by the clock.

We never turn our back on it.

And we never, ever allow ourselves  the sin of losing track on time!

 

我々はみな、無情なる時間に支配されている。

具合がいいとか悪いとか、腹が減った奴、酔っ払い、ロシア人もアメリカ人も火星人も、誰だろうと関係なくどいつもこいつもだ。

時は炎のようだ。我々を滅ぼすこともあれば、温めてくれることも。

全てのFedExオフィスに時計が置かれているのはだからだ。

生きるも死ぬも時間次第。そのことに背を向けてはならない。

そして決して、配送トラックが遅れてしまうなんて罪を犯してはならない!

 

 

無人島での後半で、この台詞を「昔口癖だったんだ。」と自嘲気味に語るシーンと、ケリーと再会するシーンに刺さってきます。

 

 

(シーン②)心の支え ウィルソン

脱出への不安をウィルソンにぶつけるチャック

 

And what is your point?

Well... we might just make it. Did that thought ever cross you brain?

Regardless, I would rather take my chance out on the ocean than to stay here and die on this shithole island, spending the rest of my life taking to a goddamn volleyball!!!

 

  ~ kick the Wilson ~

 

Shut you up.................   Wilsooon!!!!

 

 

 

文句でもあるのか?なあ、今度はうまくいくかもだろ。

そうは思はないのか? 構やしないさ。

オレは海に出るチャンスに賭ける。こん島に残って死んでくくらいなら。

バレーボール相手に話して残りの人生終えるくらいならな!!

 

ちくしょうめ。・・・・・・・・ウィルソーン!!!!