L.A.コンフィデンシャル S
(L.A. Confidential)1997
監督 | カーティス・ハンソン | |
キャスト | ガイ・ピアース | バド・ホワイト |
ラッセル・クロウ | エド・エクスリー | |
ケビン・スペイシー | ジャック・ビンセンズ | |
キム・ベイシンガー | リン | |
ジェームズ・クロムウェル | ダドリー・スミス警部 | |
ダニー・デヴィート | シド(ハッシュ・ハッシュ記者) | |
デヴィッド・ストラザーン | ピアス・パチェット(売春元締) | |
グレアム・ベッケル | ステンズランド | |
ロン・リフキン | ロウ検事 | |
ジョン・マホーン | 警察署長 | |
サイモン・ベイカー | マット・レイノルズ(若手役者) | |
アンバー・スミス | スーザン・レファーツ(殺された娼婦) | |
ダレル・サンディーン | リーランド(バズ)・ミークス | |
パオロ・セガンティ | ストンパナート(コーエンのボディガード) | |
グウェンダ・ディーコン | スーザンの母 | |
ポール・ギルフォイル | ミッキー・コーエン |
1950年代のロスを舞台にした刑事
サスペンスです。
原作はジェームズ・エルロイの同名小説です。
ストーリーもいいんですが、当時のロスの街や社会・市警の描き方と、
登場人物の描き方がとにかく巧い。
バド、エド、ジャックのメイン3人のキャラクター描写がいいですね~。それぞれ違うタイプで、決して交わることのなさそうな男達が、事件や女、そしてそれぞれの抱える葛藤を通して目的が重なっていく様を見事に描いてます。傑作サスペンスドラマの1つだと思います。
アカデミー助演女優賞と脚色賞を受賞しました。もちろん作品賞や監督賞にもノミネートされましたが、アカデミー賞受賞最多タイとなった「タイタニック」にかっさらわれましたね。
監督兼脚本のカーティス・ハンソンと
ともに脚色賞を受賞した脚本家ブライアン・ヘルゲランドは以降大作映画で活躍してきます。
なかなかいい仕事してます。
原作者エルロイの小説1987年「ブラック・ダリア」、88年「ビッグ・ノーウェア」、90年「L.A.コンフィデンシャル」、92年「ホワイト・ジャズ」の4作品は当時のロスの闇をサスペンスで描き、L.A.四部作と呼ばれています。本作以外では「ブラック・ダリア」が2006年に映画化されてます。
登場時間はわずかでしたがミッキー・コーエンは実在したギャングのボスです。ミッキー・コーエンを扱った映画では「L.A.ギャングストーリー」がおススメです。
(見どころ)
●アクター達の見事な演技
メインの男優3人は言わずもがなです。
ガイ・ピアースとラッセル・クロウは
当時まったく無名な俳優で、本作が
出世作となりました。偶然ですが2人ともオーストラリアの俳優さんです。
もう一人ケヴィン・スペイシーはちょうど名前が売れてのって来た頃ですね。
製作陣の意向による人物・実力重視の
キャスティングですが、本作のような
大作映画の場合スター俳優がいないというのは珍しいかも。
あと忘れてはいけないのは、ヴェロニカ・レイク似の高級娼婦リンを演じて
アカデミー助演女優賞を受賞したキム・ベイシンガー。
バドにエドとの関係を問われ泣き崩れるシーンが印象的でした。
★★★PICK UP LINES★★★
①ゴシップ詩「ハッシュ・ハッシュ」の決まり文句
Remember, dear readers you heard it here first off the record on the q.t and very Hush-Hush.
(その時には読者のみなさんに真っ先にオフレコでお伝えしましょう。
こっそり内緒の超マル秘ネタを。)
※ q.t は「秘密、内密」という意味の口語です。
hush-hush も「内々の、極秘の」という意味の口語表現です。
タイトルの confidential も「内密、秘密」という意味です。
②刑事に求められるもの
ダドリー警部
Would you be willing to plant evidence on a suspect you knew to be guilty in order to insure an indictment?
(有罪だとわかっている奴を起訴するために証拠を捏造できるか?)
エド
We've been over this.(もうその話は・・・)
ダドリー警部
Yes or No?(イエスかノーか?)
エド
No.(ノー。)
ダドリー警部
Would you beat a confession out of a suspect you knew to be guilty?
(そいつに暴力で自白を強要できるかね?)
エド
No.(いいえ。)
ダドリー警部
Would you shoot a hardened criminal in the back in order to offset the chance that some lawyer・・・・
(冷酷な犯罪者を背後から撃てるかね?弁護士どもが自由にさせてし・・・)
エド
No.(いいえ。)
ダドリー警部
Then for the love of God, don't be a detective.
(では君のために言おう。刑事はやめておけ。)
このダドリーの最後の問いが、最後にくるんですよねー。