ファッションデザインの勉強のため田舎からロンドンへやってきたエロイーズ（エリー）。

ソーホーの下宿先の部屋のベッドで横になると、そこはきらびやかなネオンで彩られた憧れの1960年代ロンドン！

夜の歓楽街ソーホーで歌手としての成功を夢見るサンディを通じてエロイーズが体験する魅惑の街の光と影。

 

タイムトリップを通して、60年代の魅力や闇に引っ張れていく女を描いたちょっと不思議なイギリスのスリラー・ドラマ作。

 

一応ホラー作に分類されているよう。

ホラー的演出はありますが、スリラー、サスペンス、ミステリーなどいろんな要素を詰め込んである作品です。

 

（Soho ソーホー）

ロンドン中心部ウェストミンスターの中にある地区。

現在はオシャレなレストランやファッション店、またゲイバーなどが集まる賑やかな街ですが、かつては性風俗店が立ち並ぶ歓楽街として長く栄えていた地区。

 

他にもカーナビ―通り、オックスフォード･サーカス、ヘイマーケット等々、ロンドンの地名や通りがたくさん出てきますが、馴染みがないので地名で街の雰囲気をイメージするのは難しかった・・・

 

タイトルに「ソーホー」とあるだけあって、実際にソーホーや、ロンドン市内でロケを行ってます。

大都会でのロケはなかなか大変だったよう。

 

（60年代）

60年代のきらびやかな街並みを見事に再現してました。

音楽、ファッション、街並み等々、今から見るとオシャンでエモい。

 

（見どころ）

●女性たち

トーマス・マッケンジー（主役エロイーズ役）

可愛いな～。

ピュアな感じもいいし、ブロンドにした大人っぽい感じもいい。

童顔の割に胸のボリュームも良きかな。

 

アニャ・テイラー・ジョイ（もう一人の主人公サンディー役）

かなりクセのあるお顔だけど、化粧映えが抜群！

周囲の空気を変えるほどセクシーで華麗な美しさから、一気に堕ちて狂気をはらんでいく様子を好演。

 

ダイアナ・リグ（リアル60年代に活躍した大家コリンズ役）

1965年スタートの人気TVドラマ「おしゃれ㊙探偵」(The Avengers)に主演して人気女優に。

1969年には「女王陛下の007」でボンドガールを演じるなど、60年代を駆け抜けた女優さん。

（ちなみに、エロイーズが最初にタイムトリップしたときに007の「サンダーボール作戦」が公開されていたので、1965年の設定であることがわかります。）

2020年9月に死去。本作が遺作となりました。

 

●真相

序盤で主人公エロイーズは「死んだお母さんの霊が見える」という設定になっていたので、60年代の登場人物たちも当然すでに死んだ人達なのだろうと無意識に思ってしまっていましたが・・・

 

現在と過去を対比させた女性のドラマ → ホラー調 → 終盤ではミステリー的展開になったりと、作品全体のトーンの統一感に欠けるのですが、面白かったのでまあいいか。