ビフォア・ミッドナイト  C

(BEFORE MIDNIGHT)2013

監督 リチャード・リンクレーター  
キャスト イーサン・ホーク  ジェシー
  ジュリー・デルピー セリーヌ 
  ウォルター・ラサリー パトリック(ギリシアの老作家) 
  パノス・コロニス ステファノス 
  アティーナ・レイチェル・トサンガリ アリアドニ(ステファノスの妻)
  ヤニス・パパドプロス アキレス (パトリックの孫)
  アリアン・ラビド アナ(アキレスの恋人)
  ゼニア・カロゲロプール カタリナ(パトリック友人の妻)
  シーマス・デイヴィー・フィッツパトリック ハンク(ジェシーと前妻の息子)
  ジェニファー・プライア エラ(双子の娘)
  シャーロット・プライア ニーナ(双子の娘)

ビフォア・サンライズ」1995年ウィーンでの出会い

 

その9年後。

ビフォア・サンセット

2004年パリでの再会。

 

そしてまた9年後。

2013年ギリシア

結ばれて娘も授かり家族となった2人の愛の物語。

 

 

(9年毎に)

リチャード・リンクレーター監督イーサン・ホークジュリー・デルピ―が9年毎に製作してきたラブストーリー。

作中でも9年毎の時間経過で話が作られ、演じるイーサンとジュリーも実際に9歳年を重ねながら演じてきました。

前作「ビフォア・サンセット」からは監督と主演2人の3人で脚本も手掛けて、まさに3人のライフワーク的なシリーズになってます。

 

(現実的なお話に)

前二作品は、2人の恋心をやや浮世離れしたシャレた会話や逃避行的で当てもない散歩でロマンティックに演出して、「2人は結ばれるのか?」というワクドキ感を楽しめました。

本作は「すでに結ばれて、子供ももうけて数年後」という設定なので、意見の相違や育児疲れ等、どのカップルにでも起こりうる「倦怠期」が話の中心になっていて、2人の台詞もロマンティックな愛の探り合いではなく、現実的な皮肉や罵り合いが多くなってます。

観ている方としては、前二作品の物語的ラブストーリーから、一気に現実を叩きつけられたようで、ちょっと醒めて冷めちゃう感じ。

 

愛の持続に劇的な特効薬なんてない中、2人がどう乗り越えていくのかが見どころかな。

 

(下ネタ)

会話劇中心の作品ですが、前作から引き続き下ネタがとても多いです。

ちょっと多すぎな感じもしますが、劇中の2人の会話を聞いているとセックスも大事な愛の要素のようなので。

ジュリー・デルピ―は惜しげもなくトップレスを披露してくれてます。

 

(ロケーション)

前二作ではウィーンとパリの美しい街並みを映していましたが、今回はギリシア。都会ではなく自然のある田舎の風景が中心です。

作中の2人の会話でも少し触れられていましたが、当時のギリシアは2009年から始まった「ギリシア危機」(経済危機、政治混乱、社会不安)の最中。

「夫婦の危機」と掛かっているのかなと思ったり。

 

(見どころ)

●自然体を心掛けた演出

主役2人の会話は、実際に子供を持つ夫婦が交わしてそうなものも多くて、台詞回しや掛け合いなど演技もとても自然体。本当にその場で会話しているかのような感じになってます。

前二作はほぼ2人の会話だけでしたが、本作では前半に友人知人たちとランチしながら会話するシーンがあります。内容は「ウィットに富んだ知識人階級っぽい」ものですが、このシーンもまるでその場で会話を楽しんでいるような感は出てます。

 

★★★PICK UP LINES★★★

列車での出会いから18年

 

セリーヌ

Hey. Can I ask you a question?

(ねえ、一つ聞いてもいい?)

 

ジェシー

Sure.(ああ。)

 

セリーヌ

If we were meeting for the first time today on a train, would you

find me attractive?

(今日、初めて列車で出会ったとして、私に魅力を感じる?)

 

ジェシー

Of course.(もちろん。)

 

セリーヌ

No, but really, right now as I am?

Would you start talking to me?

Would you ask me to get off the train with you?

(今のこの私にってことよ。

私に話しかけて、一緒に列車を降りようって誘う?)

 

  シリーズ作  
1995年

ビフォア・サンライズ  恋人までの距離(ディスタンス)

2004年 ビフォア・サンセット  
2013年 ビフォア・ミッドナイト