1995年「ビフォア・サンライズ」のウィーンでの出会いから9年。2人の再会を描いた続編。

ウィーンでの出来事を小説にして出版したジェシーがプロモーションのために訪れたパリでセリーヌと再開。街を巡り歩きながら9年の時間を埋めていく2人。

 

まず知りたいのは、前作最後にウィーンの駅で交わした「半年後にまた会おう」という約束が果たされたのかどうか。

2人の様子から半年後の再会がなかった事はなんとなくわかりますが、その理由や詳細が作中で語られてます。

 

前作同様、街をブラブラしながら語らい合う会話劇。

ただ会話を交わす。それだけなのですが、9年間お互い何をしていたのかなとか、前作と同じように会える時間は限られてるけど、2人はこれからどうなっていくのかなとか、すごくワクワク見られる大人なラブストーリー。

脚本が巧いんだと思います。

特別な名所でもない、その街の何気ない通りを話しながらゆっくり歩く2人を長回しで撮っていて、暖かな臨場感があります。

撮影は結構大変でしょうけど。

 

前作(1995年公開)から9年後を描いてますが、実際にも9年経った2004年に公開。さらにその9年後を描いた続編「ビフォア・ミッドナイト」が9年後の2013年に公開されてます。

 

本作と続編の「ビフォア・ミッドナイト」では、リンクレーター監督に加え主演の2人も本格的に脚本に参加。3人のライフワーク的なシリーズになってます。（2001年のアニメーション映画「ウェイキング･ライフ」でもリンクレーター監督と組んだ主演の2人。監督と3人で話を作っていく下地は出来ていたようです。）

 

作中でカワイイらしい曲を歌うセリーヌ。演じたジュリー・デルピー自身が作詞作曲しているようです。

オープニングで流れるオシャレな曲「An Ocean Apart」も彼女が作り自身で歌ってます。

ジュリーがＣＤでかけた曲はニーナ・シモンの「Just in Time」。

「ぎりぎりの時間、ちょうど間に合う」という意味なので、まさにジュリーが置かれている状況です。

 

また、セリーヌ宅の前で話しかけてきたおじちゃんとおばちゃんはジュリーの両親です。

 

（見どころ）

●再会した2人の心の内の探り合い。

前作と同じようにオシャレで知的な会話を交わす2人。

2人の自然体な演技がいいです。

会話にセックスネタがやけに多かったのはちょっと気になりましたが。

 

（好きなところ）

●オープニング

ジュリーが歌うオシャレなメロディとともにパリの何気ない風景がハイライトで映ります。

見終わった後にもう一度オープニングを見るとわかるんですが、実は作中で2人が歩いていく場所が映ってます。

2人が街を歩くのは昼下がりから夕方にかけて。

オープニングで映る風景は朝のように見えます。

 

前作「ビフォア・センセット」では、夜中に2人が巡った場所の朝の風景をエンディングにハイライトで映していたので、それを踏んでのにくい演出だと思います。