ドクター・スリープ A
(DOCTOR SLEEP) 2019
監督 | マイク・フラナガン | |
キャスト | ユアン・マクレガー | ダン(ダニー)・トランス |
カイリー・カラン | アブラ | |
レベッカ・ファーガソン | ローズ・ザ・ハット | |
クリフ・カーティス | ビリー・フリーマン | |
ザーン・マクラーノン | クロウ・ダディ | |
エミリー・アリン・リンド | スネークバイト・アンディ | |
カレル・ストルイケン | グランパ・フリック | |
ロバート・ロングストリート | バリー・ザ・チャンク(太っちょ) | |
カール・ランブリー | ディック・ハロラン(幽霊) | |
アレックス・エッソー | ウェンディ(ダニーの母) | |
ロジャー・デール・フロイド | ダニー(子供) | |
ヘンリー・トーマス | ロイド(バーテン) / ジャック・トランス | |
ブルース・グリーンウッド | ジョン・ダルトン医師 | |
ジェイコブ・トレイブン | ブラッドリー・トレバー(野球少年) | |
バイオレット・マグロウ | バイオレット(冒頭の少女) | |
ザッカリー・モモー | アブラの父 | |
ジョスリン・ドナヒュー | アブラの母 | |
赤字はTRUE KNOT(トゥルー・ノット) |
オーバールック・ホテルでの惨劇をトラウマに抱えながら大人へと成長したダニー(ダン)。
再起を計ろうとやってきた町で、自分と同じようなシャイニング能力を持つ少女アブラと出会う。
シャイニングのような特別な能力を持つ子供たちを狙い、その生気(steam)を喰らう邪悪な集団トゥルー・ノットに狙われたアブラを救うため、彼らとの対決を決意したダニーが向かった先は・・・・・・
ホラー映画の歴史にその名を刻む名作、1980年「シャイニング」の続編です。
(ホラー + 能力者の戦い)
「シャイニング」で生き残った少年ダニーのその後を描いた続編ですが、テイストはガラッと変わりました。
子供を痛ぶりながら殺すキツイシーンもあり、幽霊など人ならざるものが人を喰らおうとするホラー映画ではありますが、「能力者」にスポットを当てた作りになったので、前作「シャイニング」のようなゴシックなホラーとは打って変わり、能力者同士のSFバトル作ような感じに仕上がってます。
「シャイニング」のようなホラーを期待していると、だいぶ違うと思います
前作では「言葉を発さなくてもテレパシー的に会話できる。」程度だったシャイニング能力でしたが、本作では「人を操る」「幻覚を見せる」「遠く離れた場所や人を見通せる」「人の頭の中を読む」等々のサイキック能力が描かれてます。
2015年~2019年のスター・ウォーズ続3部作におけるフォースの拡大解釈と似た感じが。
(見どころ)
●サイキック能力バトル
強力な能力を持った少女アブラと、トゥルー・ノットの首領ローズとのエキサイティングなSFバトル。
アブラはアベンジャーズに入っても遜色なさそう。
ハット帽にするどい目つきのローズは「時計じかけのオレンジ」のアレックスのように見えました。
●オーバールック、再び
ホテルに向かう車を空撮したシーンは、ワクワクドキドキマックス!
箱からでたホテルの住人が総出で襲ってくるシーンがステキ。
前作ファンは存分に楽しめそうですが、オーバールックでの演出は「自己パロディ」のような楽しさを感じ、あまり怖さを感じませんでした。
【原作小説 と 映画】
(スティーブン・キングの原作小説)
●1977年「シャイニング」
●2013年続編「ドクター・スリープ」を発表。
↓
(スタンリー・キューブリック監督の映画版「シャイニング」)
●1980年に「シャイニング」をキューブリックが映画化。
興業的にも成功し、巨匠キューブリックの代表作の1つとなった事でキング作品の中でも知名度が抜群に上がった作品となりました。
しかし、キューブリック版「シャイニング」はキングの原作を大幅に変更した内容だったため、キング的にはかなりご不満で、キューブリック映画版を批判してます。
しかし、キューブリック版「シャイニング」の評価は高く、今日ではホラーの傑作としての地位を確立。「シャイニング」と言えば原作ではなく、キューブリック映画版の方がスタンダードとなっています。
↓
(続編「ドクター・スリープ」は・・・・)
キングの小説「ドクター・スリープ」は小説「シャイニング」の続編。
映画版「ドクター・スリープ」は、キューブリック映画版「シャイニング」の続編として作られていますが、キングの原作要素も取り込んでいます。
解離していた原作と映画を結び付ける「キング版」-「キューブリック版」統合仕様になっています。
原作要素を無理矢理感なく、上手に取り込めているので、その辺りはキングも評価しています。
(原作―映画 統合仕様例)
●シャイニング能力者でダニーの理解者ハロランさん
キングの原作小説「シャイニング」で死なず、「ドクター・スリープ」にも登場します。しかしキューブリック映画「シャイニング」では死亡しているので映画「ドクター・スリープ」ではダニーだけに見える幽霊という形で登場させてます。
●オーバールック・ホテル
キングの原作小説「シャイニング」ではラストでボイラーが爆発。ホテルは炎上、消失してます。小説「ドクター・スリープ」の終盤ではホテル跡地のキャンプ場が舞台となります。
しかしキューブリック映画「シャイニング」ではホテルは燃えずそのまま残っているので、その設定を生かして映画「ドクター・スリープ」ではオーバールック・ホテルを最後の舞台として登場させ、さらに炎上させることで原作小説「シャイニング」のラストを再現しています。
★★★PICK UP LINES★★★
(シーン①)邪悪な奴ら
ハロランさん
World's a hungry place.
And the darkest things are the hungriest, and they'll eat what shines.
Swarm it like mosquitoes or leeches.
Can't do nothing about that.
世界は飢えている。邪悪な連中は特に貪欲で光(シャイニング)を貪ろうとする。
まるで群がる蚊やヒルみたいに。手に負えない奴らだ。
(シーン②)健康と長生きの秘訣
ローズ
Eat well, stay young, live long.(よく食べて、若さを保ち、長生きする)
(シーン③)ドクター・スリープ
ホスピスで逝く老人
Known it was comin'. Doesn't make it less scary.
(この時が来るのはわかってた。でもやっぱり怖いんだ。)
ダン
Yeah. But maybe it's just like you say, just going to sleep.
I mean, there's nothing scary. It's just sleeping.
(ええ、でもあなたが言った通り、ただ眠るだけです。
何も怖い事はない。ただ眠るだけ。)
老人
You're a strange type of doctor.(あんたは変った医者だな。)
ダン
I told you, I'm not a doctor.(言ったでしょ、私は医者じゃない。)
老人
Oh, I think you are. Doctor Sleep.
Doc, I am so scared it's gonna hurt, or be dark, or...... or be nothing at all. And I don't wanna....
(いいや、医者さ、ドクター・スリープさ。
先生、怖いんだ。痛いのか暗いのか、それとも・・それとも何にもないのか。
オレは・・・)
ダンのシャイニング
Nothing to be scared of. Just going to sleep.
Finally, true, restful sleep.
(何も怖くありませんよ。ただ眠るだけです。
ついに本当の安らかな眠りが。)
老人
Oh, thank you. Thank you, Doc.
(ありがとう、ありがとう先生。)
シリーズ作 | ||
1980年 | シャイニング | S |
2019年 | ドクター・スリープ | A |