セッション A
(WHIPLASH)2014
監督&脚本 | |
デイミアン・チャゼル | |
キャスト | |
マイルズ・テラー | アンドリュー・ニーマン |
テレンス・フレッチャー | J・K・シモンズ |
メリッサ・ベイノスト | ニコル(映画館店員) |
ポール・ライザー | アンドリューの父 |
ネイト・ラング | タナー(元の主奏者ドラマー) |
オースティン・ストウェル | コノリー(同級のドラマー) |
偉大なジャズ・ドラマーを目指して名門音楽学校に通う青年アンドリュー。
学校で最も権威のある指導者フレッチャーの目に留まり、彼のクラス(バンド)に入って練習することに。
人格を貶めるような怒声を容赦なく浴びせるフレッチャーの過酷で厳しい指導に追い詰められていくアンドリュー
才能ある若者と、過酷な指導で追い詰める教官とのガチンコぶつかり合いのヒューマン・セッション・ドラマ。
(音楽の狂気)
監督&脚本のデイミアン・チャゼルが高校でジャズ・ドラムに打ち込んだ際に厳しい指導を受けた経験が反映されているそうです。
「音楽の狂気」を描くお話はピアノが多いかなー。
(1996年「シャイン」とか)
クラシックやジャズの音楽って、精神世界の奥底にズッと引き込んでいくような人間性がありますよねー。
アンドリューが通う学校はNYのジュリア―ノ音楽院がモデルのよう。
幾たの映画賞を受賞して観客からの評価も高かった本作ですが、ジャズ・ミュージシャンからの評判は良くなかったという話を聞きます。
大前提として、この作品は本物のジャズ音楽を描いた作品ではなく、音楽を題材として使って人間ドラマを描いたエンタメ作。
であるなら、それもやむなしですかね。
(タイトル)
●原題 WHIPLASH(ウィップラッシュ)
「鞭打ち症」の意。
作中でも練習曲として演奏されていたハンク・レヴィ作曲のビッグバンドの名曲。
そんな名前のヴィランもいたな。(「アイアンマン2」)
●邦題 セッション
セッションは調和や融合だけど、バトルでもある。(特にジャズは)
アンドリュー VS フレッチャーのセッションでもあり、
役者マイルズ・テラー と J・K・シモンズとのセッションでもある。
まさに作品の内容を言い得た良い邦題。
(製作&製作総指揮)
製作はホラー専門の製作会社ブラムハウスのジェイソン・ブラム。
ドラマ作の製作をするのは珍しい。
製作総指揮はジェイソン・ライトマン。
J・K・シモンズはこれまでにもライトマン監督作に出演してます。
(2007年「JUNO/ジュノ」、2011年「ヤング≒アダルト」、2013年「とらわれて夏」)
(見どころ)二人の競演(セッション)
●J・K・シモンズ(フレッチャー役)
アカデミー助演男優賞をはじめ数多くの賞を受賞しました。
本当にハマリ役。スキンヘッドのビジュアルもジャストミートな感じ。
同じ怒鳴ってまくし立てるでも「スパイダーマン」シリーズの名物編集長とは全然違う。そりゃそうか。
●マイルズ・テラー(アンドリュー役)
音楽の狂気へと踏み込んいく様子を好演。
・マイルズ自身のドラムの腕前は?
高校時代にバンドでドラムをしたことがあり、まったくの素人というわけではなかったようですが、同じドラムでもロックとジャズでは演奏方法が違うので、撮影にあたり猛特訓したそうです。
(作中でアンドリューに主奏者の座を奪われたタナー役で出演していたプロドラマーのネイト・ラングから指導を受けたそう。)
・マイルズ自身が本当に演奏した?
マイルズの姿がはっきりと移っているシーンでは実際に彼が叩いているようですが、音はプロが叩いた音を当てているよう。
●ラスト
暴走するアンドリューに引きずられて演奏が始まり、互いに笑みがこぼれてしまうラスト。深い対立を超えた、音楽的コネクション。
たまらないですね。
★★★PICK UP LINES★★★
フレッチャー
Rushing? or dragging?(速いか?遅いか?)
アンドッリュー
Rushing.(速い。)
フレッチャー
So, you do know the difference!
If you deliberately sabotage my band, I will fuck you like a pig.
Now are you a rusher, or are you a dragger or are you gonna be on my fucking time?
(分かってるじゃないか!わざと私のバンドの邪魔をするならブチのめしてやる。お前はハシるのか、モタるのか、それともオレのテンポに合わせるのかー!!)