イントゥ・ザ・ワイルド 

(INTO THE WILD)2007

監督 ショーン・ペン  
キャスト エミール・ハーシュ クリス・マッキャンドレス(アレグザンダー・スーパートランプ)
  ウィリアム・ハート ウォルト(クリスの父)
 

マーシャ・ゲイ・ハーデン

ビリー(クリスの母)
  ジェナ・マローン カリーン(クリスの妹)
  ブライアン・ディアカー レイニー(ヒッピーのおっちゃん)
  キャサリン・キーナー

ジャン(レイニーのパートナー)

  ヴィンス・ヴォーン ウェイン(ファーマー)
  ザック・ガリフィアナキス ケヴィン(猟師)
  トゥーレ・リンハート マッズ(デーン)
  シーネ・イーホルム・オーゼン ソニア(デーン)
  クリスティン・スチュワート トレイシー(ヒッピーのシンガー少女)
  ハル・ホルブルック ロン・フランツ(皮職人の老人)

1992年冬のアラスカ山中に単身分け入った青年。

 

文明を避け、ヒッピーのように旅を続けてきた彼がアラスカに辿り着くまでの2年の旅と、その旅の終わりを描いたドラマ。

 

青春、旅、家族、人間のお話。

 

ショーン・ペンが監督&脚本。

原作は作家で登山家のジョン・クラカワーが1992年に実際に起こった事件を題材にしたノンフィクション作「INTO THE WILD(邦題:荒野へ)」。

 

反社会的、反体制的なエモーションはいつの時代にも若者の心に湧き起こる自然なものですが、本作の主人公クリスの思考や行動にはそれにプラスして家族の人間関係の影響を絡めて描かれてます。

 

世を嫌い自然を旅するヒッピーという点では90年代の「イージー・ライダー」のようにも思えた。

自然や命、家族の営みの大切さを描いた点では、ショーン・ペンも出演した2011年「ツリー・オブ・ライフ」に通じていくところもあるかな。

 

アカデミー賞ではハル・ホルブルックが助演男優賞にノミネートされたのみにとどまり無冠でしたが、個人的には作品賞、脚本賞、主演男優賞をあげたいなと思いました。

クオリティーは非常に高い作品ですが、文学作的な色合いが濃いためエンタメ性はやや欠ける。

 

スレンダーでキュートなヒッピーガールを演じたクリスティン・スチュワートは翌年の「トワイライト」でブレイクします。

 

(見どころ)

●大自然のロケーション。映画館で観たら素敵だったろうなー。

●様々な出会いの旅。

●出会いの旅の中ではなく、旅の最期に孤独の中で見出したクリスの答え。

 Happiness only real when shared.

 

★★★PICK UP LINES★★★

クリス 最後の冒険 アラスカに

 

Two years he walks the earth. No phone, no pool, no pets, no cigarettes. Ultimate freedom. An extremist.

An aesthetic voyager whose home is the road.

Now, after two rambling years comes the final and greatest adventure. The climactic battle to kill the false being within and victoriously conclude the spiritual revolution.

No longer to be poisoned by civilization, he flees, and walks alone upon the land to become lost in the wild.

                           Alexander Supertramp. May 1992.

 

 

二年間大地を歩いてきた。電話もプールもないし、ペットもいない。

タバコもない。究極の自由。極限の生き方。

その大地を住処に美を追い求める旅人。

そして今、二年の放浪を終え、最後にして最大の冒険が始まる。

偽りの人生を葬る戦いに勝利し、精神の革命を成し遂げる。

これ以上文明に毒されないようにここまで逃げてきた。

たった一人大地を歩く。荒野に消えるため。

            アレグザンダー・スーパートランプ  1992年5月

 

 

 

※作中でも leather tramp(歩く放浪者)、rubber tramp(タイヤ(車)の放浪者)と言われてましたが、クリスの偽名 Alexander Supertramp の tramp には「のしのし歩く、てくてく歩く、徒歩の旅」といった意味があります。