ＦＢＩが本物の詐欺師を使ったおとり捜査で多数の政治家を収賄で摘発したアブスキャム事件という実際の事件をべースにしたドラマ。

サスペンスでコメディでラブストーリー。

 

実際の事件を基にした話ですが、もちろん大幅に脚色されてます。

登場人物の名前は変えられており、皆かなりぶっ飛んだ破天荒キャラになっております。

最初に Some of this actually happened.

「事実も含む」という注釈もありましたしね。 

 

サスペンスドラマ・コメディ・ラブストーリーがミックスされて、バランスがいいと言えなくもないですが、それぞれが半端な感じに。どれか１つに、本作ならばコメディにもっと軸を置いた方がいい気がする。

 

最後に大どんでん返し的な王道オチはちゃんと用意されていますが、話の進み方はスローでスリリングさに欠けます。

 

役者のコミカルな演技を楽しむ作品かなー。

 

（個性豊かな登場人物たち）

クリスチャン・ベール演じる詐欺師アーヴィンのモデルになったのはメルヴィン・ワインバーグという人物。(2018年に93歳で他界)

ベールは彼に3日間密着して口調などを研究したそう。

「マシニスト」の時の激ヤセとは打って変わって、お腹ポッコリの中年太り体型に。たいした役作りです。

 

ＦＢＩの捜査官は実際には2人いて、その2人をまとめた創作キャラがブラッドリー・クーパー演じるリッチー。

 

事実と全然違うのは事件後のお話。

ジェニファー・ローレンス演じるアーヴィンの妻ロザリンは事件後も図太く生きてましたが、実際のワインバーグの妻は事件後に自殺してしまったそうです。その後ワインバーグとパートナーのイブリン・ナイト（作中でのシドニー）はめでたく結ばれたそう。

 

（デヴィッド・O・ラッセル監督作）

コメディが得意で、脚本も自分で書く監督さん。

クリスチャン・ベールは2010年「ザ・ファイター」で主演。

2012年「世界に一つのプレイブック」ではブラッドリー・クーパーとジェニファー・ローレンンスが主演、ロバート・デ・ニーロが出演してます。

「世界に～」ではアカデミー8部門ノミネート、ジェニファーが見事主演女優賞を獲得したのに対して、本作は10部門でノミネートされるも受賞はなし

 

（見どころ）

●演技

若手のジェニファー・ローレンスが高く評価されてますが、エイミー・アダムスも素晴らしかっです。

もちろん役作りに励んだクリスチャン・ベールも良かったです。

 

アーヴィンとシドニーは詐欺師でさんざん悪い事をしてきた悪党なのだけれど、演じた2人の好演のおかげかどっか憎めないキャラに。