アド・アストラ B

(AD ASTRA) 2019

監督  
ジャームズ・グレイ  
キャスト  
ブラッド・ピット ロイ・マクブライド少佐
ルース・ネッガ ヘレン・ラントス(火星基地所長)
リヴ・タイラー イヴ(ロイの別れた妻)
ドナルド・サザーランド プルイット大佐(の旧友)
トミー・リー・ジョーンズ クリフォード・マクブライド(ロイの父)
ドニ―・ケシュウォーズ タナー(ケフェウス船長)
ローレン・ディーン スタンフォード(ケフェウス クルー)
キンバリー・エリス ディーヴァーズ(ケフェウス 女性クルー)
ボビー・ニッシュ ヨシダ(ケフェウス クルー)
ジョン・オーティス リヴァス中将
ジョン・フィン ストラウド准将
リサ・ゲイ・ハミルトン ヴォ―ゲル副将

アメリカ宇宙軍所属の宇宙飛行士ロイ・マクブライト(ブラット・ピット)

感情を排し、常に冷静沈着に任務をこなす優秀な飛行士

 

宇宙からの謎の巨大サージ電流に地球が襲われる中、ある極秘事項が伝えられる。

地球外生命を探す宇宙探査の任務中に消息不明となっていた父親が、実は海王星付近で生存しており、さらにサージ電流の発生に関わっている疑いがあるという。

心に波立つものを感じながらも父親への接触を試みるため、地球から月へ、火星へ、そして海王星へと進むロイの旅の果てに待ち受けるものとは!?

 

(宇宙探査系のSFドラマ)

タイトルの AD ASTRA は「星の彼方へ」の意。

SF作としてのアクションやスリルもありますが、かなり静的な作品。

宇宙の深み(終盤)へ進むとともに、文学的テイストが大きくなり、そのテーマも人の生きる意味を問いかけるような深みへと進んで行きます。

 

(いろいろな作品を連想)

宇宙探査×叙事詩的・文学的なテイストでは、その原点とも言える1968年「2001年宇宙の旅」を連想します。

 

宇宙探査に親子のドラマを絡めたものでは2014年「インターステラー」を思い起こします。個人的には「インターステラー」の方が好み。

「インターステラー」はSF・エンタメ度・ドラマ性をハイレベルでバランスよく味わえる、この手のジャンルの中で頭一つ抜けた面白さを誇る良作。

ちなみに、本作の撮影監督ホイテ・ヴァン・ホイテマは「インターステラー」でも撮影監督を務めてます。

 

軍に反旗を翻し行方をくらます謎めいた存在は1979年「地獄の黙示録」を思い起こします。

深き宇宙の闇に隠れて得体の知れない父親の存在がスリリング。

 

宇宙に行く男の相手役の女性としてリヴ・タイラーが出てると、そりゃもう「アルマゲドン」を連想します。

 

(人が存在しない場で、人の生を見つめ直すお話)

地球外生命体がいようが、いまいが、人間は孤独な存在で、だからこそ人は人との関わり合いの中でしか生を見出せない。そんなお話なのかなー。

そういうテーマ性でみると、ジャンルは全く違うけど2007年「イン・トゥ・ザ・ワイルド」が、すごい近い作品かもしれない。

 

(好きなところ)

●SF的シーン

月面でのカーチェイス&銃撃戦。

火星に向かう途中でSOS信号を発する宇宙船への探査など、SFらしいシーンが好きです。

近未来の設定ですが、航空旅客機に乗るように月や火星行きの宇宙船に乗るようになるのは随分先かな~。

とは言え、ロイや登場人物の多くが所属していた「宇宙軍」なんて、一昔前では完全にSFネタ的な響きでしかなかったのに、今では実際に米に宇宙軍がある。(2019年設立)

SFは単なる空想ではなく、科学の先駆者!

 

後半に行くにつれ、文学的テーマに踏み入っていきますが、そこを楽しめるかは人によりけりか。

私も嫌いではないですが、やや説教じみた感じもしました。

 

プルイット大佐役のドナルド・サザーランド

知見や経験を持つ示唆的なキャラをいい塩梅で好演してました。

 

★★★PICK UP LINES★★★

(シーン①)心理評価(psych eval)

 

I am ready to go.

Ready to do my job to the best of my abilities.

I am focused only on the essential, to the exclusion of all else.

I will make only pragmatic decisions.

I will not allow myself to be distracted.

I will not allow my mind to linger on that which is unimportant.

(準備はできています。自分の能力のベストを尽くして任務にのぞみます。

重要な事だけに集中し、それ以外は排除します。実用的な決断を下します。

気を散らすことなく、どうでもいい事をいつまでも引きずりません。)

 

(シーン②)生存

中将

Major, what cna you tell us about the Lima Project?

(少佐、リマ計画について知っていることは?)

 

ロイ

First manned expedition to the other solar system, sir.

Some 29 years ago, as you know.

(太陽系外への初の有人宇宙探査です。29年程前の。)

 

中将

And the commander was.....(その司令官だったのは、)

 

ロイ

He was my father, sir.

The ship disappeared approximate 16 years into the mission.

No date was ever recovered.

Deep space missions were halted after that.

(私の父です。任務から16年目に行方不明に。

データは何も回収されず、以来、深宇宙探査は中止に。)

 

  (中略)

 

准将

Roy, we have something that might come as quite a shock to you.

We believe your father is still alive near Neptune.

(ロイ、君にとってショッキングな事だと思うが、君の父上はまだ生きていようだ。海王星の近くでな。)

 

 

(シーン③)逃避

 

プルイット大佐

I was lunar astronaut for SPACECOM for 31 years.

And I came to the realization out there...  a voyage of exploration can be used for something as simple as escape.

(私は宇宙飛行士として31年間月にいた。そこでわかったことがある。

探査の旅というのは、時として逃避にもなりうるのだと。)

 

メインカテゴリー  
SF ドラマ
   
サブカテゴリー  
宇宙  
公開年  
2019年  
ランク  
B  
年代  
   
舞台  
アメリカ 月 海王星