ラスト サムライ A

(THE LAST SAMURAI)2003

監督  
エドワード・ズウィック  
キャスト  
トム・クルーズ ネイサン・オールグレン大尉
渡辺 謙 勝元盛次
トニー・ゴールドウィン バグリー大佐
ティモシー・スポール サイモン・グレアム(通訳、写真家) 
原田 眞人 大村
中村 七之助 天皇 
小雪 たか(勝元の妹) 
真田 広之 氏尾(侍たちのリーダー格) 
小山田 真 信忠(勝元の息子) 
池松 壮亮 飛源(たかの息子)
福本 清三 オールグレンの見張り役の寡黙な侍(ボブ)
菅田 俊 でかい侍 
ビリー・コノリー ガント軍曹
二階堂 智 政府軍の指揮官
ジョン・コヤマ 大村の部下(顔にアザ) 
伊川 東吾 長谷川大将(政府軍の大将)
スコット・ウィルソン スワンベック米大使

1876年(明治9年)。

第7騎兵連隊でアメリカ先住民との戦いを経て心に傷を抱えた兵士ネイサン・オールグレン大尉が、明治政府軍の近代化、教練のため日本にやって来た。

急速な近代化を進める政府とそれに異を唱える武士のリーダー

勝元が対立して戦火を交える中、捕虜として勝元の国で一冬を過ごすことになったネイサン。

勝元や日本最後の侍たちと過ごす時間がネイサンにもたすものとは。

 

(ハリウッドが描く武士の終焉)

超スター俳優トム・クルーズが主演&製作ハリウッド大作が、偏見や色メガネをかけて見たステレオタイプ的ジャパニーズ・サムライを払拭して正面から日本の武士道を描こうと頑張った時代物アクション&レクイエム・ドラマ

 

「欧米人 ミーツ 異文化人」という構図で、心の交流&異文化への敬意そして時代の変化を描いてます。

1990年「ダンス・ウィズ・ウルブズ」の別バージョンのようなお話。

 

(フィクション作ですが)

オールグレンや勝元は架空の人物ですがモデルになった人がいます。

 

●ネイサンのモデルは仏軍人ジュール・ブリュネ。

1867年、幕府軍近代化のため日本に派遣され、戊辰戦争では榎本武揚の旧幕府軍に参加し函館にも行きますが、五稜郭陥落前に脱出してます。

作中のオールグレンのように日本の様子をスケッチで残してます。

 

●勝元のモデルは西郷隆盛

西南戦争が起こったのは、本作の最終戦と同年の1877年。

政府軍と勝元軍が最初にぶつかった地が「吉野」となっていたので、薩摩ではなく畿内の武将という設定のよう。作中で桜の儚さ美しさに言及していたので吉野になったのかも。

 

(日本人俳優たち)

日本での知名度は低くても、海外で活躍していたり英語が堪能な俳優さんが多数キャスティングされてます。

一番台詞の多い渡辺謙は役が決まった時点では全然英語話せなかったそう。

 

多くの日本人が関わったことで、欧米目線のキテレツな日本人描写、時代錯誤描写はなかったように思います。

(ニンジャ襲撃シーンは日本人スタッフたちが「こんなのはリアルじゃない」と進言したそうですが、「それは重々承知だがどうしても撮りたい」と強く主張され押し切られたそう。アクション映画でもあるのでこれくらいは許容できます。)

 

(海外進出、躍進へとつながった2人)

●渡辺謙

本作でアカデミー助演男優賞にノミネートされ(受賞はならず)、以後数々の外国映画に出演。海外映画で活躍する日本人俳優の代表格に。

 

●真田広之

1993年のドラマ「高校教師」の印象がが強く、トレンディ俳優的なイメージを持ってましたが、千葉真一が立ち上げたジャパンアクションクラブ(JAC)に所属、その後もアクションや殺陣の技術を磨いていたそう。

真田のキレッキレの殺陣が凄すぎてトムが見劣りするためカットされたシーンがたくさんあるそう。

さらに英のシェイクスピア舞台で演じて叙勲を受けるなど英語も堪能。

本作以後、アクション作を中心に海外で活躍してます。

 

(ロケ)

村や戦のシーンはニュージーランドで撮影。

勝元家の菩提寺のシーンは兵庫県の圓教寺で撮影してます。

日本の時代劇でも撮影に使われる古刹です。

 

(見どころ)

●渡辺謙と真田広之

迫力、オーラが凄い。

トム・クルーズも悪くはないんだけど、かたことの日本語を話しているのを見ると、自分が日本人だからだと思うけど、茶番のように見えちゃう。

 

★★★PICK UP LINES★★★

GOOD CONVERSATION

 

勝元

Many of our customs seem strange to you.

The same is ture of yours.

For example, not to introduce yourself is considered extremely rude, even among enemies.

(我々のしきたりが奇妙に思えるだろう。それはお互いにだがな。

例えば敵であれ名を名乗らぬことは極めて無礼なことだ。)

 

オールグレン

Nathan Algren.(ネイサン・オールグレンだ。)

 

勝元

I am honored to meet you.

I have enjoyed this conversation in English.

(会えて光栄だ。英語での会話、楽しかった。)

 

オールグレン

I have questions.(質問がある。)

 

勝元

I have introduced myself.  You have introduced yourself.

This is very good conversation.

(わしが名乗り、おぬしも名乗った。とてもいい会話だった。)