ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂想曲(ラプソディ) B
(FEHÉR ISTEN)2014
監督 | コルネル・ムンドルッツォ | |
キャスト | ジョーフィア・プショッタ | リリ |
ルーク & ボディ兄弟犬(2犬1役) | ハーゲン (リリの愛犬) | |
シャンドール・ジョーテール | リリの父 | |
Vanda Verle | トリクシー(楽団員仲間の女子 ) | |
カーロリ・アッシャー | ピーター(楽団仲間の男子) | |
サルボルチ・トゥーローチ | 闘犬家 | |
ラースロー・ガールフィ | 楽団指揮者 |
少女リリと愛犬のハーゲン。
とっても仲良しの2人だったが父親がハーゲンを捨ててしまう。
必死にハーゲンを探すリリ。
一方、捨てられたハーゲンには過酷な運命が待ち受ける。
人間に憎しみを抱くようになったハーゲンは捨て犬たちを率いて人間に反旗を翻す!
犬たちの運命は?リリとの再会は!?
ハンガリー映画(ドイツ・スウェーデンとの合作)です。
舞台もハンガリー、首都のブダペスト。
虐げられた動物たちがリーダーに率いられ反乱を起こすというところでは2011年「猿の惑星 創世記」を、また身近な動物が突然人を襲うというところではヒッチコックの「鳥」を思い起こしたり。
人と犬の絆を描いた泣かせるような感動系ではなく、話も画も結構ダークでシビアなドラマ。
たくさんのワンコが登場し、主人公も少女ですが、決して子供向きではない作品。
(250匹のワンコたち)
「虐げられた者が、憎悪を抱き復讐者となって襲ってくる」というストーリーはテンプレートな感じ。
本作では「犬」でしたが、例えば「心を持ったロボット」や「差別されてきた人間」等でも話は出来ると思います。
この映画がすごいのは、本物の犬250匹を使って実写で撮りきった事。
努力賞です。
多くは保護施設にいた犬で、数十人のトレーナーが数か月かけて訓練したそうです。道路を封鎖して撮られたワンコ大群大疾走は圧巻です。
撮影後はみな里親家庭に引き取られていったそう。
また主役犬ハーゲンを演じた2頭の演技も圧巻。
優しい表情の時と、怒った表情の時で2頭を使い分けたようです。
兄弟犬とのことで見分けはつかなかったです。
出演したワンコ全員にパルム・ドッグ賞が贈られました。
(カンヌ映画祭で2001年から始まった賞。)
実際のハンガリーはペット大国で、ワンコにも非常にやさしい国だそうです。撮影も犬の体調優先、ワンコファーストで、決して無理させないように気を使って進めたそうです。
(見どころ)
●犬たちの演技
●主演ジョーフィア・プショッタ。美少女。
友人の連れ添いでオーディションに来た所、監督の目に留まり、熱烈なオファーを受けての出演。「一緒に来ていた友人が選ばれちゃう」という あるある的な話。友人が可哀想。
(闘犬)
本作では違法な賭博闘犬が描かれてました。
動物愛護の観点から法律で規制されている国が増えてるようです。
日本では条例で禁止している自治体はありますが、法律での規制はありません。土佐犬や秋田犬が有名で、今でも各地で闘犬大会が開かれていますが、観光客が常時見れるような施設はないようです。(もちろん賭け事にしたら違法です。)
この映画のように死ぬまで戦わせるなんて事はなく、大きなけがをしないように飼い主たちが注意を払いながら行っているようですが、「伝統・文化」「虐待」等、賛否の議論はあるようです。
是非については何とも言えないですが、「明確な意思決定の表示ができない動物に、肉体を酷使する何事かを強いる」という点では競馬と大差ないなと思います。
「闘犬」を扱った映画は、2000年「アモーレス・ペロス」(メキシコ映画)や、2014年「シーヴァス 王子さまになりたかった少年と負け犬だった闘犬」(トルコ映画)があります。
(タイトル)
ホワイト・ゴッドはハンガリー語のタイトルをそのまま英語にしただけ。
「白い神」とは、飼い主である人間を指すそうです。
邦題サブタイトルは微妙ですが、ホワイト・ゴッドだけではどんな内容かまったくわからないのでやむなしか。
1982年に「ホワイト・ドッグ(WHITE DOG)」というアメリカの映画があります。白人の差別主義によって、アフリカ系(黒人)だけを襲うようにしつけられた犬の話。(実際にそういう犬がいたらしい。)
この作品をもじったタイトルなのかなと思います。
DOG を逆にすると・・
★★★PICK UP LINES★★★
人が...犬がすっかり変わってしまったハーゲン
リリ
ハーゲン、私の事わすれちゃったの?
ハーゲン
Grrrrrrrrr.(グルルルルル。)