スコットランド。

ヘロイン中毒の若者レントン。

クレイジーな仲間たちと日々薬を打ってヘロヘロになり、時にヤク断ちを思いたってもすぐ挫折。

そんなジャンキー･ボーイズの「人生の選択」は？青春ライフの行きつく先は！？

 

ヤク中のどうしようもない若者をユニークな映像表現を交えて描いたジャンキー･コメディ青春ムービー。

 

アーヴェン･ウェルシュの1993年の同名小説が原作のイギリス映画です。

（ウェルシュ本人も端役で出演してます。）

 

映像のユニークさや、愉快で愚かな若者たちのハチャメチャライフを楽しむコメディ要素強めの作品ですが、そのハチャメチャさは社会風刺的な側面も持っています。

 

イギリスの若者を中心に大ヒット、欧米や日本でもヒットして興行的な成功を収め、ダニー・ボイル監督とユアン・マクレガーの出世作になりました。

 

（ダニー・ボイル監督とユアン・マクレガー）

ダニー・ボイルの監督二作目。

一作目「シャロウ・グレイブ」に引き続きユアンが主演です。

ちなみに三作目の「普通じゃない」でもユアンを主演にしてます。

監督もユアンもその他メインキャストもみんなスコットランド出身です。

 

（メイドイン・スコットランド）

物語の主な舞台は首都エディンバラですが、ハイランド地方の大自然の中にポツンとあるCorrour駅から山に向かって歩き出そうとするシーンでのレントンの叫びが象徴的。（台詞は↓で取り上げてます）

イングランドとの歴史的対立による確執や不満。

貧困や失業。若者の薬物問題。

スコットランドの抱える鬱憤や卑屈さを皮肉った社会風刺が効まってる作品であり、そしてスコットランドへの深い愛も感じる作品。

 

登場人物たちが話す言葉はコッテコテのスコットランド訛りで、アメリカ英語や、イングランド英語がわかる人でも何言ってるかわからないレベルらしい。

 

イギリスの歴史とか社会情勢とか、そういうのをある程度知っていないと、単なるユニークなおバカ作品としてか見れないかも。

 

（トレイン・スポッティング）

 trainspotting の元の意味は「鉄オタ・鉄道ファン」。

エディンバラに廃線となり放置されてた鉄道の操車場があって、そこがヤク中の溜まり場になっていたことから地元の人が「奴らは鉄オタだ。」と言ったジョークからきてるようです。

その辺については、次作「T２ トレインスポッティング」の作中で少し描かれてます。

 

（見どころ）

●おもしろい映像

ラリっている時や、禁断症状に苦しむ時など、登場人物の心象風景をユニークに表現してます。

最強汚物便器へのダイブや天井を這う赤ちゃんが印象的。

スタイリッシュだけど、生々しくて汚くて退廃的な映像なので好き嫌いはあるかも。

 

●音楽

イギ―・ポップの Lust For Life の軽快なリズムで始まるOPが印象的。

ヤク中の歌で、タイトルが「生の欲望」「生への渇望」。

もう作品にぴったんこ。