トゥルー・グリット B

(TRUE GRIT)2010

監督 ジョエル・コーエン イーサン・コーエン
キャスト ヘイリー・スタインフェルド  マティ・ロス
  ジェフ・ブリッジス ルースター・コグバーン保安官
  マット・デイモン

ラビーフ(テキサス・レンジャー)

  ジョシュ・ブローリン チェイニー(仇) 
  バリー・ペッパー ネッド(悪党のリーダー)
  デイキン・マシューズ ストーンヒル(仲買人)
  ポール・レイ クインシー(小屋にいた男) 
  ドーナル・グリーソン ムーン(小屋にいた男)
  エリザベス・マーヴェル マティ(大人)

父親を殺された14歳の少女マティ

仇を討つために雇ったのは腕利きと評判だが飲んだくれの保安官ルースター・コグバーン。マティたちの追跡劇の行方は!?

 

荒野で悪党を追う西部劇

1969年「勇気ある追跡」のリメイクになります。原作はチャールズ・ポーティスの同名小説(TRUE GRIT)。

 

 

コーエン兄弟らしい乾いたバイオレンス・シーンもある復讐劇ですが、明るいテイストで、主人公マティとコグバーン保安官との関係性に重きを置いたドラマになってます。

 

タイトルの TRUE GRIT は、作中では「真の勇者、本当の強者」的な意味合いで使われてます。

grit は「困難にくじけぬ闘士、気骨、やり抜く力」という意味。

 

(逞しいー!!)

のっけから、仲買人と渡り合うマティちゃんの逞しさに圧倒されます。

でも彼女だけでなく、誰もが図太く、したたかに生き抜いている時代(そうじゃないと生きていけない時代)。

子供のマティが舐められないようにちょっと背伸びして気を吐いてる感じが、健気でもあります。

 

(郷愁)

原作小説も本作もマティの回顧という形で描かれています。

大人になってからのラストシーンでは、彼女の人生において一番の思い出であろうコグバーンとの旅を懐かしむ気持ちが滲んできます。

ジャンルは全然違いますが、鑑賞後に残る余韻は「スタンド・バイ・ミー」に近いような気がします。

(ラストシーン)

大人になったマティが、コグバーンが在籍していたという興行一座「WILD WEST SHOW」を訪ねます。

 

WILD WEST SHOW は1880~1910年頃に実際にあった興行。

往年のガンマンやアウトロー本人が出演し、銃捌きや馬車襲撃の様子を実演して人気を博したそうです。

 

マティが話したコール・ヤンガーも実在の人物で元は強盗。

彼の隣に座っていたジェームズという男はヤンガーらと強盗団を結成していたフランク・ジェームズかと思われます。

(ジェームズについては2007年「ジェシー・ジェームズの暗殺」をご覧ください。)

 

コグバーンが患っていたという「ナイト・ホース病」。実際にはそんな病気はないので、マティを助けた夜の事をもじったコグバーンのヨタ話でしょう

 

マティはジェームズに対して「クズ」と罵って去っていきます。

その理由はイマイチ分かりませんがアウトローに対しての侮蔑でしょうか。

 

(見どころ)

●マティ役、ヘイリー・スタインフェルド(当時13歳)

ジェフ・ブリッジス、マット・デイモン、ジョシュ・ブローリン等の実力派と、演じるマティの役柄よろしく、堂々と渡り合って演技してます。

お見事!数々の映画賞を受賞しました。

 

(好きなところ)

●マティが馬で川を渡るシーン

マティの意志の強さ、負けん気が伝わる痛快なシーン。

 

(番外編)

アウトローのボス、ネッドは悪役っぽい顔にメイクされてますが、悪役というより、もはやゾンビのようで笑えました。

★★★PICK UP LINES★★★

決意の旅立ち 

 

Dearest Mother.

I'm about to embark on a great adventure.

I have learned that Tom Chaney has fled into the wild and I shall assist the authorities in pursuit.

You know that Papa would want me to be firm in the right, as he always was. So do not fear on my account.

Though I walk through the valley of the shadow of death, I shall fear no evil.

The author of all things watches over me and I have a fine horse.

Kiss Little Frankie for me and pinch Violet's cheek.

Papa's death will soon be avenged.

 

愛する母さんへ

私はこれから大冒険へと出発するのです。

トム・チェイニーは奥地へと逃げたそうで、私も保安官の追跡を手伝う事にしました。父さんがいつもそうだったように、私にも正義をなしてほしいと思っているはず。だから私の事は心配しないで。

死の影の谷を歩こうとも、悪を恐れない。

神様が見てくれているし、いい馬もいるしね。

弟のフランクと妹のヴァイオレットにもよろしく。

父さんの仇討ちはすぐに果たされるわ。