チョコレートドーナツ A
(ANY DAY NOW)2012
監督 | トラヴィス・ファイン | |
キャスト | アラン・カミング | ルディ・ドナテロ |
ギャレット・ディラハント | ポール・フラガー | |
アイザック・レイヴァ |
マルコ | |
クリス・マルケイ |
ウィルソン(検察官 ポールの上司) | |
ミラクル・ローリー | モニカ(ポールの同僚女性) | |
ジエイミー・アン・オールマン | マルコの母親 | |
フランシス・フィッシャー | マイヤーソン(女性判事) | |
グレッグ・ヘンリー | 相手弁護士 | |
ケリー・ウィリアムズ | フレミング(学校の先生) | |
ドン・フランクリン | ロニー(黒人弁護士) | |
アラン・レイキンズ | 控訴審の判事 |
70年代カリフォルニア。
麻薬常用者の母親が逮捕され、施設へ送られることになったダウン症の少年マルコ。その窮状に心を痛めたルディとポールのゲイのカップルがマルコを引き取り3人で暮らしていくことに。
家族となった3人は幸せな暮らしを送るが、マイノリティに対する社会の目は厳しく・・・
ゲイのカップルと知的障害を持つ子供。
マイノリティ同士の3人の愛と、彼らへの偏見や差別を描いた作品。
人の世の素晴らしさと残酷さの両方を見させられるお話し。
「薬物依存の母親が育児放棄した知的障害を持つ子供をゲイが世話している」という実際にあった話を、同じアパートに住んでいた脚本家のジョージ・アーサー・ブルームが脚本化。その後長い間、日の目を見る事はありませんでしたが、俳優として活動していたトラヴィス・ファインの目に留まり、彼が監督、脚本、製作を務め映画化が実現。
本作もそうですが、「実話に基づく」系の作品は、映画化に当たり相当脚色されるので「実話にインスピレーションを受けて作った話」といった方があっていると思います。実話に忠実であろうが、大幅に話を変えようが、出来た映画がおもしろければどっちでもいいことですが。
マルコ役のアイザック・レイヴァは本人もダウン症で知的障害を持っていますが、俳優を目指し、オーディションで本作出演となりました。
大きな映画祭での受賞こそないものの、アメリカ各地の映画祭で多数の賞を受賞してます。
同時代のアメリカで、ゲイやセクシャルマイノリティーへの差別との戦いを描いた作品として2008年「ミルク」があります。
(見どころ)
●主演アラン・カミング演じるルディ。
芯が強く情に厚いゲイを実に見事に演じてます。
素晴らしい役作りだなと思ったのですが、アラン自身、バイセクシャルとの事で、女優と結婚するも離婚。その後、同姓婚をしたという話を聞いて、なるほどと・・・まぁハマリ役には違いない。
歌も見事でした。ミュージカルでトニー賞も受賞しているので歌唱力は間違いなし。
特に最後に歌ったボブ・ディラン作詞作曲で数多くカバーされてきた名曲「I Shall Be Released」には迫るものがあった。
原題タイトルにもなった歌詞の一節「any day now」(いつの日か、もうすぐに)の後に続く想いや無念さが心に響いてくるよう。
アラン以外のキャストもみな良かったです。
★★★PICK UP LINES★★★
フレミング先生からの忠告 そういう時代 今でもそうかもしれないけど
フレミング先生
「お二人の関係に興味はありません。」
ポール
「特別な関係じゃない。」
フレミング先生
「私は気にしません。でも世間は違う。教師も親御さんも。
たった一人、誤った相手の耳に入ればお二人は窮地に。」