ミルク A

(MILK)2008

監督 ガス・ヴァン・サント  
キャスト ショーン・ペン ハーヴィー・ミルク
  ジェームズ・フランコ スコット(ハーヴィーの恋人)
  ジョシュ・ブローリン ダン・ホワイト
  エミール・ハーシュ クリーヴ・ジョーンズ
  アリソン・ピル アンネ・クローネンバーグ
  ディエゴ・ルナ ジャック(ハーヴィーの恋人②)
  ブランドン・ボイス ジム
  ジョセフ・クロス ディック
  ルーカス・グラビール ダニー
  ヴィクター・ガーバー モスコーニ市長
  ハワード・ローゼンマン グリッドスタイン(L.A.ゲイの大物)
  デニス・オヘア ブリッグス議員

ハーヴィー・ミルク。1970年代の米サンフランシスコでゲイの権利を訴える運動を起こし、2度の落選を経て1977年にはサンフランシスコ市議に当選。同国で初めてゲイを公言して

公職に当選した人を描いた作品。

アカデミー脚本賞と主演男優賞を受賞してます。

 

 

 

シスコのゲイ街カストロ通りを中心としたゲイコミュニティーで頭角を現しゲイとして、活動家として、政治家として、人として、仲間とともにゲイの権利擁護のために尽力したミルク氏の戦いの物語。

 

ミルク氏はじめ登場人物はだいたい実在の人で、ストーリーもだいたい事実に沿ってます。

1984年にドキュメンタリー映画「ハーヴィー・ミルク」が製作されています。そのドキュメンタリー映画でも使われている当時のニュース映像等もたくさん使われています。

 

(差別との戦い)

流石のアメリカでも70年代では同性愛者に対する偏見・差別がきつかったようで、(今でも差別というか、嫌悪感を持って受け入れられないという人は大勢いるでしょうが)ゲイというだけで警官から目を付けられて捕まえられたり衝突することもしばしば。

 

それに対して大規模なデモ行進や、時にはエスカレートして暴動を起こしたり、黒人たちの公民権運動なさがらのゲイの権利運動があったことは知りませんでした。最後に暗殺されてしまったことも、公民権運動に重なるなー。

 

セクシャル・マイノリティに限った事ではないですが、マイノリティが偏見や差別に立ち向かう戦いは時間がかかるし、時に激しく厳しい戦い。

その先頭に立って戦う人はタフで、ブレず、その心力にはすごいなーと思います。

 

本作を観てアメリカにはホント、ゲイが多いな~と思うのですが、日本でも実は20人に1人がLGBTらしいです。そんな実感はまるでないという事はアウティング出来ない人が多いということ。激しい差別とまではいかなくても理解を得るのは難しいんだろうな。カミングアウトのハードルの高さは40年前のアメリカとたいして変わってないのかも。

現在世界では同姓婚を法律で認める国も増えてますし、カミングアウトしてる国や地方の首長クラスの政治家も結構います。

日本では同性婚は法律で認められていません。

しかし2015年に東京の渋谷区、世田谷区が「婚姻に相当する関係」を認める証明書を発行するパートナーシップ宣誓という制度を開始し、以後日本各地の自治体に少しずつ広まってきています。

 

 

(見どころ)

主演 ショーン・ペン

この人はホントに難しそうな役ばかりにチャレンジする。

そして見事になりきって演じきってる。

本作でも見事アカデミー主演男優賞を受賞しました。

(三大映画祭(ベルリン、カンヌ、ヴェネツィア)全てで主演男優賞を受賞(ヴェネツィアでは二度)、さらにアカデミー主演男優賞も2003年

ミスティック・リバー」についで二度目。世界を代表する実力派俳優でしょう。)

★★★PICK UP LINES★★★

冒頭 ハーヴィーの遺言テープ録音より

 

During one of my early campaigns, I began to open speeches with a line and it became kind of signature.

"My name is Harvey Milk and I want to recruit you."

 

初期の運動の頃、スピーチの初めに話していた台詞が私のキャッチフレーズにになった。

「私はハーヴィー・ミルク。君達を誘いたい。」