船外活動中、事故で宇宙に放り出され、宇宙デブリが襲い来る無重力の中、地球への帰還を目指す飛行士を描いた作品。

アカデミー監督賞を受賞しました。

 

生命の生きられぬ空間で必死に生を掴もうとする人間のドラマを絡めながら宇宙での事故・災害を真摯に描いた作品。

 

これまでの宇宙SFに比べると現実的で

現在の宇宙で実際にあり得る事故として描いている点が新しいかなと思いました。災害パニックの宇宙編って感じ。

宇宙ステーションが稼働し、お金があれば民間人でも宇宙に行ける時代。

より身近に感じられるようになっている宇宙ですが、その怖さや無情さを見せつけてくれます。

やっぱ元々人の住むとこじゃないよなと、思わされます。

 

宇宙服を脱いだサンドラ・ブロックがホットパンツにタンクトップでちょっとエロティック。実際にはオムツ履いたりするみたいで、あんな格好はしてないと思いますし、その他専門家が観たらツッコミたい所もあるんでしょうが、まぁそこは映画なんで。

 

タイトルが原題(グラビティ)と邦題(ゼロ･グラビティ)で真逆になってます。タイトルは、作品を通して伝えたいもの、主張したいものを端的に示す重要な要素なので、この違いは大きいです。

本作をラストまで観ると、無重力を描く事で、逆に重力を意識させて感じさせたかったのかなと伝わってくるので「グラビティ」の方が映画の意図に即していると思います。ただ映画の内容をより分かりやすく伝えて興行成績に繋げたいという切実な面もあるので邦題は「ゼロ・グラビティ」になったんだと思います。

 

地上管制官役の声にエド・ハリスを起用したのはやっぱり「アポロ13」ネタかな。

 

（見どころ）

●本当に宇宙で、本当の無重力で撮っているかのようなリアリティのある映像が良かったです。

「アポロ13」では高高度から急降下する飛行機の中に実際の無重力状態を作って撮影してましたが、本作では演者をワイヤーで吊ってます。つまりはワイヤーアクションです。複数のワイヤーで吊って滑らせたり動かしたり、クルクルまわる装置に乗せたりしてます。

あの滑らかな無重力感、見事です。