ストーリー・オブ・マイライフ  わたしの若草物語 A

(Little Women)2019

監督 グレタ・ガーウィグ  
キャスト シアーシャ・ローナン ジョー・マーチ(次女) 
  フローレンス・ピュー エイミー(四女)
  エマ・ワトソン メグ(長女)
  エリザ・スカンレン ベス(三女) 
  ティモシー・シャラメ ローリー 
  ローラ・ダーン Mrs.マーチ(母) 
  メリル・ストリープ マーチ伯母さん 
  クリス・クーパー Mr.ローレンス(ローリーの祖父)
  ジェームズ・ノートン ジョン・ブルック(家庭教師 / メグの夫)
  ルイ・ガレル フレデリック・ベア(教授 /ジョーと同下宿
  ボブ・オデンカーク Mr.マーチ(父)
  トレイシー・レッツ ダッシュウッド(編集長)
  ジェイン・ハウディシェル ハンナ(マーチ家政婦)
  ダッシュ・バーバー フレッド・ヴォーン(金持ち)

1860年代。

南北戦争最中のアメリカ。

マサチューセッツの田舎で暮らす四姉妹の人生や当時の女性の生き方を描いたドラマ。

 

(原作「若草物語」)

(Little Women)

これまでに何度も映画化、ドラマ化、アニメ化されてきた名作。

著者ルイーザ・メイ・オルコットの自伝的的小説で、作中の次女ジョーがルイーザ本人をモデルとしています。

原題の little women はルイーザの父親が実際に娘たちを呼ぶときに言っていた言葉だそうです。

これに「若草」という邦題を当てるセンスは素晴らしい。

響きや語感がマッチしてますよねー。

(室町時代の御伽草子で女性の人生を描いた「若草物語」から取ったのかな?)

 

本作は、少女時代を描いた「若草物語」だけでなく、姉妹たちの結婚やその後を描いた続編「続 若草物語」の内容も描いています。

現在と過去を交互に描きながら話が進んでいきますが、現在と過去で演者たちの容姿に大きな差がないので、少し話を掴みづらいかもしれません。

 

(四姉妹)

本編を観ても、姉妹の年齢順がはっきりとわからないと思います。

どう見てもベスが末っ子に見える。エイミーより年上には見えない。

アメリカが舞台のお話ですが、演じた4人全員アメリカ人ではありません。

 

●長女メグ(マーガレット)初期年齢16歳 

演:エマ・ワトソン(当時29歳  英)

容姿端麗。貧乏は嫌だけど、愛に生きる。

 

●次女ジョー(ジョゼフィーン)初期年齢15歳 

演:シアーシャ・ローナン(当時25歳  愛)

主人公。小説家志望。結婚に否定的。

シアーシャ・ローナンはグレタ・ガーウィグ監督の前作「レディ・バード」(2017)でも主演を務めています。

 

●三女ベス(エリザベス)初期年齢13歳

演:エリザ・スカンレン(当時20歳  豪)

ピアノが上手。病弱。

 

●四女エイミー 初期年齢12歳

演:フローレンス・ピュー(当時26歳  英)

画が上手。リアリスト。

 

(女性と家族と時代の物語)

 ファミリー・ドラマであり、ラブストーリーもあり、その時代を描いた時代モノの側面もあります。

監督&脚本のグレタ・ガーウィグも女性という事もあってか、男が主体の世の中で自由やチャンスがなく抑圧された女性たちの生きづらさや、葛藤、奮闘をより前面に出した作りになっています。

主人公ジョーとフレデリックが結ばれる終盤のくだりは、そこだけラブコメみたいで少し浮いている感はありましたが。

 

当時アメリカは南北戦争真っただ中。

皆、戦争による傷や悲しみも抱えています。

戦争、女性、家族というと、昭和初期を舞台にしたNHKの朝ドラと雰囲気がドンピシャ。まるで朝ドラを観ているみたいで、家族の温かみにジーンとしますし、日本人にも入ってきやすい話だと思います。

 

封建的だったり保守的だったりする時代や地域を描いた作品を観て思うのは、自由というのは本当に尊くて、価値のあるものだけど、自由=幸せとは必ずしもならないもんだということ。

難しいもんです。

 

(見どころ)

●演技

メリル・ストリープ(伯母役)、ローラ・ダーン(母役)、クリス・クーパー(ローリーの祖父役)等、ベテラン勢の人間味ある演技はもちろんのこと、若手ではフローレンス・ピュー(四女エイミー役)や、エリザ・スカンレン(三女ベス役)の演技が光ってました。

特にフローレンス・ピューの凄みのある演技が良かったです。

 

●ベスの死

泣いちゃう。

 

★★★PICK UP LINES★★★

 

(シーン①)エミリーの現実

I’m a just woman.

And as a woma, there's no way for me to make my own money.

Not enough to earn a living or to support my family.

If I had my own oney, which I don't, that money would belong to my husband the moment we got married.

If we had children, they would be his, not mine.

They would be his property.

So don't sit there and tell me that marriage isn't an economic proposition because it is.

 

女にはお金を稼ぐ手段がない。

自分の稼ぎじゃ食べていけないし、家族を支えるなんて無理。

もし財産があったとしても、無いけどさ、もしあっても結婚した瞬間に夫のものになる。

子供ができても私じゃなくて夫のもの。夫の財産になってしまう。

だからとやかく言わないで。結婚ってのは経済的な問題なの。

 

 

(シーン②)ジョーの心の叫び

I just feel like... women.. they...

They have minds and they have souls, as well as just heart.

And they've got ambition and they've got talent, as well as just beauty.

ANd I'm so sick of peoples saying that love is just all a woman is fit for.  I'm so sick of it.

But I'm.... I'm so lonely.

 

私、思うの。女って・・・

女には心だけじゃなくて知性も魂もある。

容姿だけじゃなく野心や才能だってある。

だから世間じゃ「女は結婚が一番」だなんて言ってるのにヤになっちゃう。

うんざりなのよ。

でも、でも寂しくて堪らないの。