ステイ B

(STAY)2005

監督 マーク・フォスター  
キャスト ユアン・マクレガー サム・フォスター 
  ライアン・ゴズリング

ヘンリー・レサム

  ナオミ・ワッツ ライラ(サムの恋人)
  ボブ・ホスキンス レオン博士(ヘンリーの父?)
  エリザベス・リーサー アシーナ(ヘンリーの想い人)
  B・D・ウォン レイモンド(サムの同僚医師)
  ジャニーン・ガラファロー ベス(サムの同僚医師 休職中)
  ケイト・バートン ヘンリーの母?
  マイケル・ガストン ケネリー保安官

精神科医のサム(ユアン・マクレガー)。

患者で謎めいた学生ヘンリー(ライアン・ゴズリング)が自殺を宣言し姿を消す。ヘンリーを救おうと探し始めるサムだが次々と不思議な出来事が起こる。

ヘンリーとは一体何者なのか?

サムとヘンリーを繋ぐ真実とは?

 

 

不思議な出来事が次々と起こっていく心理描写的サスペンス。

 

1回観ただけでは、どういう事だったのかいまひとつ理解できず、2回目観るといろんなキャラの意味深な台詞がわかってきって、何となく掴めてきました。理解すると言うよりか、どう解釈するかかな。

 

観始めるとサムとヘンリーの事をあれこれ考えさせられます。

ファイト・クラブ」みたいにサムとヘンリーは同一人物?

シックス・センス」みたいにどっちかもう死んでて幽霊?

答えはそのどちらでもないんですが、最後まで観るとサスペンスではなく、悲しく切ないヒューマンドラマであることがわかり、じんわりと心に残る作品でした。

 

(実際に起こった事  交通事故)

冒頭と最後が現実に起こった事故に関するシーンになります。

ヘンリーの運転する車が事故を起こし、ヘンリーは瀕死の重体。

ヘンリー以外の同乗者(両親と恋人のアシーナ)は即死。

ヘンリーは自分のせいだと思い、強い自責の念に苦しんでいる。

この事をわかって観ると、話を掴みやすい。

 

(サムやヘンリーやライラのいた世界は結局なんだったのか)

①ヘンリーが死の間際に見た夢の世界。

死に際に周りにいた人物が夢の中でも登場している感じ。

 

引っかかるのはヘンリーの夢なのに、サムが一人称になってる事。

またラストシーンで、現実世界のサムがライラをコーヒーに誘う時にサムの脳裏に「夢の世界」の記憶がフラッシュバックしたかのような演出があります。どうやらヘンリーの夢の中の話が、現実世界のサムやライラにも共有されているよう。そこでもう一つの解釈、

②ヘンリーの想い(夢)が周囲の人も巻き込み作り出したパラレルワールド。

 

①②の複合的な世界だったのでしょうか。

登場人物にはヘンリーの不安や願いが投影され、そのキャラ設定や関係性が現実世界とは異なったものに再構築されている感じでしょうか。

(心理学的にも、自分の感情を直視するのがしんどい場合、夢の中では別の人や事柄に置きかえられていることはあるみたい。)

 

一辺倒な解釈だけでは理解できない気がしますし、特に正解もないと思います。その辺の解釈はよくわからなくでも、じんわりと最後に心に響くものがあればそれで十分楽しめたと言える作品だと思います。

 

(見どころ)

●チャレンジングな映像表現。

冒頭、走行中の車のタイヤのアップ、破裂、事故のシーンのアングルが斬新でそこから引き込まれます。

 

シーンとシーンの移り変わりは素晴らしいです。

不思議な世界の演出でもあり、お洒落でセンスの良さも感じます。

 

エンドロールに移るヘンリーの幼い頃からの映像、恋人アシーナとの幸せそうな日々がまた哀しさを誘います。

 

★★★PICK UP LINES★★★

同僚を心配するサムにジョークで返すライラ

 

ライラ

Is she sick?(彼女、病気なの?)

 

サム

She's exhausted.(消耗してるんだ。)

 

ライラ

Exhausted? 

Come on, we live in New York City.  Everyone's exhausted.

(消耗? ニューヨークに住んでる人はみんな消耗してるわ。)