少年は残酷な弓を射る C
(WE NEED TO TALK ABOUT KEVIN)2011
監督 | リン・ラムジー | |
キャスト | ティルダ・スウィントン | エヴァ・カチャドリアン |
エズラ・ミラー | ケヴィン(息子) | |
ジョン・C・ライリー | フランク(夫) | |
アシュリー・ゲラシモヴィッチ | セリア(娘) | |
ジャスパー・ニューウェル | ケヴィン(子供時代) | |
アレックス・マネッテ | エヴァの職場同僚 |
幼い頃から母エヴァ(ティルダ・スウィントン)にはまったくなつかず、それどころか悪意や敵意をぶつけてくる息子ケヴィン(エズラ・ミラー)。
そんな息子にイラつき、戸惑いながらも向き合おうとするエヴァだが、16歳になったケヴィンが2人の人生を一変させる事件を起こしてしまう・・・・・
「母」と「息子」のいびつな関係、愛を描いたドラマ。
原作はライオネル・シュライバーの2003年の小説。
(ちなみにライオネル・シュライバーと、監督リン・ラムジーは2人とも女性)
事件後の現在と、それ以前の過去の話が交互に描かれてます。
過去の出来事も必ずしも時系列順で描かれているわけではないので、話を掴むのが少し難しいかも。
「母」エヴァは自由に各地を巡る旅行ライターだったけど出来ちゃった婚でやむなく主婦に。これまでのキャリアをあきらめて生まれた息子ケヴィンを愛そうとがんばるけど、なつかないし、反抗するし、イライラ思い悩む。
「息子」ケヴィンは、そんな母の感情を見抜いてか、いつも敵意剥き出し。
でも随所に見られる母への執着。かまってほしいが故の反抗。
自分を見てほしくて、かまってほしくてだだをこねる子供を極端にして描いたお話。駄々っ子ケヴィンはあまりに悪魔的で怖すぎですが。
母-子という血の繋がりを象徴しているのか、トマトやペンキ、ジャムなど血をイメージさせる赤色の演出が印象的でした。
比喩的な邦題タイトルも印象的でいいなと思いましたが、比喩ではなく実際に「少年が残酷な弓を射る」映画でもありました。
銃じゃなく弓なのが面白かったです。
休むことなく全力で泣き叫ぶ赤ちゃんケヴィンとベビーカーで出かけるエヴァ。泣き声にうんざりなエヴァが道路工事の騒音で泣き声がかき消されて一瞬安らぎを覚えるシーンなんて、子育ての大変さを象徴してます。
小さい男の子を子育て中のお母さんに感想を聞いてみたい映画です。
これを観せるのもどうかもしれませんが。
(見どころ)
●ケヴィンが残酷な弓を射って全てを失ったエヴァ。
それでも唯一残った息子ケヴィンの母であろうとする姿。
(好きなころ)
●悪魔のような息子ケヴィンの超コワイ表情。
演じたエズラ・ミラーの表情が秀逸。美少年で中性的。
冷たく鋭い視線に微笑む唇。文字通り悪魔的。
子供時代を演じた子役さんの表情も良かったです。
母親役のティルダ・スウィントンもどこか中性的な感じが漂う役者さん。
顔がよく似ているというわけではありませんが、中性的な感じが共通してるので似てる感じがする。
★★★PICK UP LINES★★★
なんかの宗教の勧誘
勧誘者
Do you know were are you spending the afterlife?
(死後の世界に興味は?)
エヴァ
Oh! Yes. I do as a matter of fact.
I'm going straight to hell. Eternal damnation, the whole bit.
Thanks for asking. Ok?
(ええ、それならわかっているわ。地獄に落ちて永遠に呪われるの。
わざわざどうも。いいかしら。)