グエムル -漢江の怪物- A

)(THE HOST)2006

監督  
ポン・ジュノ  
キャスト  
ソン・ガンホ カンドゥ
コ・アソン ヒョンソ(カンドゥの娘)
ピョン・ヒボン カンドゥの親父
ペ・ドゥナ ナムジュ(カンドゥの妹)
パク・ヘイル ナミル(カンドゥの弟)
イ・ドンホ セジュ(少年)
ヨン・ジェムン ホームレスの男

韓国の大河、漢江(ハンガン)に突如現れた怪物(グエムル)愛しい娘ヒョンソをさらわれた男カンドゥ

怪物と接触したことで軍から追われるハメになったカンドゥとその家族達がヒョンソを取り戻すためにワイワイガヤガヤ、ドタバタ、ジタバタ抗いながら進んで行く騒動を描いたSF設定を使ったドラマ作。

 

韓国の雄、ポン・ジュノの長編監督3作目。

 

怪物が出てきて暴れるというSFパニック的な売り文句でしたが、作品の本質はSFではなく、SF設定を使った風刺作、ホームドラマ、コメディ作

 

韓国映画がグイグイ来てるなーと感じてきた頃の作品。

 

(社会風刺)

権威や権力に対する不信、反抗、特に反米風刺が露骨

作品の序盤で米軍の指示でホルムアルデヒドを下水道を通じて漢江に流したのも実際にあった事件。

終盤で使用された殺菌剤ドクター・イエローは、米軍がベトナム戦争で使った枯葉剤ドクター・オレンジを揶揄したものになります。

 

韓国では「米軍の戦車に中学生が轢かれて亡くなった」等々、在韓米軍絡みの事件がたくさんあり、同じく米軍基地のある日本とも似たような感情を持つ部分もあるんだなと思いました。

 

(ホームドラマ)

ワチャワチャして密で愉快な昭和っぽいファミリーが愉快。

特にカンドゥお父さん役の昭和おじちゃん感がパない。

小綺麗ではなく、小汚なく生活感があふれる下町的なが家族の絵面がいい。

さらわれた娘ヒョンソ役のコ・アソンの庶民ぽいくったくのない顔も好き。

 

(グエムル)

魚に足が生えたみたいな醜い姿のモンスター。

SFモンスターというよりは、社会の欺瞞や矛盾なんかのメタファー的表現なのかな。

モンスターモノでは夜とか暗いシーンが多くて姿がハッキリと見えない作品も多いですが、グエムルは頭から尻尾まで終始ハッキリと醜悪な姿をさらしていたのが印象的。

一応視覚効果をWETAが担当してるようですが、その割にはCGのクオリティは低め。(予算の関係??)

 

「人間による汚染」という出自はゴジラに通じるなーと思いました。

 

(見どころ)

●終盤の家族 VS グエムル

おちゃらけた家族たちに、画的なカッコよさを最後にビシッと見せてくれる

 

(好きなところ)

●コ・アソン演じるヒョンソの表情

特に排水溝でドロまみれになった時の顔の表情が好き。

2013年のポン・ジュノ監督作「スノーピアサー」では。ソン・ガンホ&コ・アソンの2人が再び親子役で共演してます。

 

★★★PICK UP LINES★★★

たいした中学生だ

 

セジュ

おねえちゃんは何が食べたい?

 

ヒョンソ

ビール。冷えたビール。