50年代にアメリカで実際にあった人気クイズＴＶ番組の「やらせ」発覚事件を画いた作品です。

ＴＶ番組の「やらせ」というテーマやストーリー展開に新鮮味や

派手さはありませんが

演者の演技が良く、

人の心の葛藤を描いた見応えのあるドラマに仕上がっています。

 

（ＴＶの「やらせ」）

今でも報道番組やバラエティ番組で度々起こる問題。ＴＶの持つ普遍的な問題かもしれません。

多額の賞金が懸ったクイズ番組でのやらせは問題だと思いますが、ＴＶが「やらせ」をすること事体は、まあそんなもんだろーと思います。

映画最後にやらせを主導したプロデューサーの台詞に「クイズ番組は公益事業じゃない。娯楽です。我々は犯罪者じゃない。ショー・ビジネスの人間です。」とあるようにＴＶ番組なんて全てショー。ニュースもドキュメンタリーだって全てショー。ＴＶとはそういうものなんだという認識を持った上で観て楽しんだらいいと思います。

 

原作者はやらせを暴いたリチャード・グッドウィン自身で、作中では

ディック・グッドウィンの名でロブ・モローが演じてます。

主人公チャールズ・ヴァン・ドーレン、彼の父で詩人のマーク・ヴァン・

ドーレン、プロデューサーのダン・エンライトも実在した人で、名前も実名です。実際の事件を元にした作品ですが、どこまで事実に近いかはわかりません。この作品も映画というショーなのですから。

 

（見どころ）

●演技　特にグッドウィンを演じたロブ・モローが良かった。

さえない男ハービーを演じたジョン・タトゥーロや、知的で優しき父を演じたポール・スコフィールドも良かったです。

レイフ・ファインズも悪くはなかった。同年には「シンドラーのリスト」が公開されおり、脂がのってきた頃ですね。