Vフォー・ヴェンデッタ B

(V for Vendetta)2005

監督 ジェームズ・マクティーグ  
キャスト ヒューゴ・ウィーヴィング V
  ナタリー・ポートマン イヴィー
  スティーヴン・レイ フィンチ警視
  ベン・マイルズ ダスコム(フィンチの部下)
  ティム・ピゴット・スミス クリーディー
  ジョン・ハート サドラー議長
  シティーヴン・フライ ゴードン(イヴィーの上司)
  ロジャー・アラム プロセロ(TV司会者)
  ジョン・スタンディング リリアン司祭
  シニード・キューザック デリア(検死医)
  ナターシャ・ワイトマン ヴァレリー

原作はアラン・ムーア脚本のDCコミックの同名コミックです。

 

舞台は近未来のイギリス。

極端に全体主義、管理主義的な政府への復讐と転覆を計る仮面のテロリストV(ヴィー)と彼に関わる事になる女性を描いた作品です。

 

製作・脚本は「マトリックス」シリーズのウォシャオスキー兄弟。

監督は「マトリックス」シリーズで助監督を務めたジェ-ムズ・マクティーグ。

アメコミ原作にウォシャオスキー兄弟とくれば、マトリックスのような

かっこいいアクションを期待しますが、アクションはほぼ無しで

原作コミックの雰囲気を反映したシリアスドラマ仕立てになってます。

 

原作コミックのストーリーを担当したアラン・ムーアは、アメコミに

文学的、社会的、哲学的要素を取り入れた大人向けな作品を描く作家で

この映画にもその雰囲気がよく現れてる気がします。

作り手の美学をがっつり盛り込んだなかなかの大作かもしれませんが、

ちょっと固くて難解で、興行的な成功は見込めなさそうな感じ。

Vがイヴィーを騙して監禁していた理屈もイマイチわからなかった・・・ 

また「Vの正体が誰か」という事に焦点を当てた作品ではないですが、

トイレットペーパーの手紙を書いたヴァレリーなのかもと思ったり。

 

本作を気に入った方は、同じくアラン・ムーア原作の「ウォッチメン」も

おススメです。

 

主役Vを演じたヒューゴ・ウィーヴィングは終始仮面を付けての演技で顔出しは一切なし。

ふざけた感じのにやけ顔のガイ・フォークスの仮面に、おかっぱ頭。

かっこ悪くて真剣味を感じないふざけたルックスだけど、どこか哀愁が漂うのはウィーヴィングの演技のおかげ?

 

(ガイ・フォークスについて)

今やハッカー集団アノニマスの象徴みたいになってる彼の仮面。

ガイ・フォークスは1605年にイングランドで発覚した火薬爆破事件の首謀者として処刑された人です。当時、国教会が優遇され、差別されていたカトリック教徒のガイが国王の爆殺を謀った事件です。いつのまにやら彼の仮面が「反体制の象徴」として扱われるようになってます。

現在でもイギリスでは彼が爆破をもくろんだ11月5日にガイ・フォークス・ナイトという子供たちが花火をしたりする習慣があるそうです。

 

★★★PICK UP LINES★★★

映画冒頭のイヴィーの語り(マザーグースの一節)

 

Remember, remember, the 5th of November. The gunpowder treason and plot. I know of no reason why the gunpowder treason, should ever be forgot.

 

忘れるな、思い出すのだ11月5日を。火薬陰謀事件を。決して忘れてはならぬのだ。

 

 

※タイトルの vendetta は「血の復讐」という意味です。