イレイザーヘッド 

(ERASERHEAD)1977

監督 デヴィッド・リンチ  
キャスト ジャック・ナンス ヘンリー
  シャーロット・スチュアート メアリー
  ジュディス・アンナ・ロバーツ アパート向かいの女
  ローレル・ニア 夢(ラジエーター)の中の少女
  ジーン・ベイツ メアリーの母
  アレン・ジョゼフ メアリーの父
  ジャック・フィスク 窓際(隕石)の謎のエンジニア?
  T・マックス・グラハム 謎の鉛筆工場のボス
  ダーウィン・ジョストン ボスの部下

リーゼント風モジャ頭の男ヘンリー

恋人メアリーが「何か」を出産。

あきらか人ではないけれど、世話をすることに。

艶めかしい隣人女性。

謎の少女に、謎の鉛筆工場。

 

理解、読解、到底不可能!

カルトの帝王デビッド・リンチ監督の長編デビュー作

 

「カルト作品」というとイメージが湧きにくいかもしれません。

ホラーとい言えばホラーですが、自分的には「怪奇映画」という響きが一番しっくりきます。

 

一応のおおまかなストーリーみたいなものはありますが、意味不明の怪奇さやグロテスクさを楽しむ作品。

楽しめない人にとっては、ただ気持ち悪いだけの作品・・・・・

 

(リンチ監督デビュー作)

リンチ自身が製作、監督、脚本、美術、特殊効果諸々を務め、自費を投じ、数人の仲間と4年の歳月を費やして制作した自主製作映画

執念のようなものを感じますね。

 

(解釈や意味)

「意味がわからない!」「解釈なんて出来ない!」からこそのカルト。

意味を求めてはいけません。奇怪さを楽しみましょう。

と、前置きした上で・・・・・

 

一般的には、この映画を製作していた当時のデヴィッド・リンチ監督自身の

状況や心象が反映されていると言われております。

 

1967年、学生時代の恋人ペギーの妊娠をきっかけに結婚。(21才)

1698年、娘ジェニファー・リンチ誕生。

1972年、「イレイザーヘッド」製作開始。

1974年、ペギーと離婚。

1977年、「イレイザーヘッド」公開。

 

画家・映画監督を目指してこれからという時の恋人の妊娠、結婚、出産。

決して望んだ結婚、子供ではなかったというリンチの苦悩が創造の原点と言われております。

そういう視点で観ると腑に落ちるところも結構あると思います。

 

(見どころ 怪奇なキャラたち)

●映画史に残るクリーチャー、グロすぎる赤ん坊

望まぬ子供を象徴した姿でしょうか。とにかくキモ~い。

棚の上にぞんざいに置かれ、抱っこされることもなく。

 

あまりにもリアルで、グロテスクで「牛や羊の胎児」「皮を剥いだウサギ」を使っているのではと囁かれるほどですが、リンチ自身は撮影方法については黙して語らず。

モノクロ作品にしているところがちょっと気になる。

エイリアン」の2年前ですもんね~。すごい特撮力。

 

自身の子供への忌避が投影されたといわれるこのクリーチャー。

彼の娘ジェニファーは本作を観てどう思ったのか気になる・・・・

その娘ジェニファー・リンチは、父親と同じく映画監督になってます。

なかなかサイコな作品を撮っているようです。

父親リンチが製作総指揮を務めている作品もあるので、親子仲は決して悪いわけではなさそうです。

 

●コブのある少女

コブを除けば可愛らしい少女。

「天国なら全てうまくいく♪」と歌ってます。

リンチの自殺願望を表しているのかもしれません。

 

●妻メアリーの家族

ヤベー義母、ヤベー義父、動かぬおばあちゃん。

望まぬ結婚、その相手の実家という居心地の悪さを表しているのかな。

怖いというより、笑えます。

 

●隕石と、なぞのスイッチャー

隕石はヘンリーの脳の中? 細長いスルメみたいなのは胎児?精子?

 

●謎の鉛筆工場

ヘンリーの脳ミソが、鉛筆に付いている消しゴム(eraserhead)になっていく。どーいうこと???

 

★★★PICK UP LINES★★★

少女の歌

 

In heaven, everything is fine.

In heaven, everything is fine.

In heaven, everything is fine.

You've got your good things and I've got mine.

 

天国ではなにもかもうまくいく。

天国ではなにもかもうまくいく。

天国ではなにもかもうまくいく。

あなたのよろこびも、私のよこびも手に入る。

 

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公開年  
1977  
ランク  
 
年代  
   
舞台