私の中のあなた 

(MY SISTER'S KEEPER)2009

監督  
ニック・カサヴェテス  
キャスト  
アビゲイル・ブレスリン アナ・フィッツジェラルド
キャメロン・ディアス サラ(母 元弁護士)
ソフィア・ヴァジリーヴァ ケイト(姉 闘病中)
ジェイソン・パトリック ブライアン(父 消防士)
エヴァン・エリンソン ジェシー(兄)
アレック・ボールドウィン キャンベル・アレクサンダー(敏腕弁護士)
トーマス・デッカー テイラー(ケイトの彼氏)
ジョーン・キューザック デ・サルヴォ判事
ヘザー・ウォールクィスト ケリー(叔母 サラの妹)
デヴィッド・ソーントン Dr.チャンス(主治医)

「両親を訴えて体を守りたい!白血病の姉への臓器提供を強いるの!」

 

腕利き弁護士を雇って両親を訴えた11歳の少女アナ

 

姉を救うことに必死な母サラ

辛い闘病生活の中、必死に生きる姉のケイト

それを支える父や兄。

母のことも、姉のことも決して嫌いなわけじゃない。

愛し合い支え合う家族の絆と死の物語

 

(家族の死を受容するお話)

病気の本人も、家族もその死は受け入れ難いけど、避けようがない運命を受け入れていくまでのお話。

 

ネタとしてはありがちな「恋人・家族の余命僅か、お涙頂戴系」の王道を行く作品ですが、姉への臓器提供を拒んで少女が両親を訴えるというトリッキーな導入のおかげで、先が読めないワクワク感があって惹きつけられ、その真相がわかってくると泣けてくる。

 

後半は泣きポイントが多く、特に最後のケイトの「バスの席のお話」がダメ押しで、キャメロン・ディアス演じる母親も観客も涙腺崩壊。

 

(原作小説)

アメリカの作家ジュディ・ピコ―が2004年に発表した同名小説が原作。

小説も映画も実話ではありませんが、モデルになった家族がいます。

 

白血病の娘に骨髄移植をする必要があるが、自分たちの型が合わず、ドナーとなってくれる事を期待して子供を新たに設け、1990年に実際に骨髄移植を行った家族がメディアに取り上げられ議論になったそう。

(1991年に18歳差の姉妹の写真がTIME誌の表示を飾ったそうです。)

 

小説・映画では「姉と型が同じになるように妹が作られた」という設定でしたが、実際は型が一致する確率は23%という少ない可能性に欠けた妊娠、出産だったそう。また移植が行われたのは生後1年2か月の時なので、ドナーである妹さんの意思は関係なく、当然裁判も起こされていません。

 

(結末が異なる)

モデルとなった実際の姉妹は移殖手術後は2人とも回復し元気に過ごしているそう。

映画では移植手術は行われず姉が亡くなります。

その避けられない定めが本作の根幹になってます。

 

しかし、原作小説では結末がまったく異なります。

移殖拒否していた妹が交通事故で脳死状態に。

移植手術が行われて、姉は無事回復するが妹は死亡。

姉妹の生死が映画とは逆。

突然の事故死オチは、観客には受け入れがたい気がするので、映画版の方が良かったと思います。

 

邦題「私の中のあなた」

小説では「私」が姉で、「あなた」は妹のことですが、

映画版の結末の場合、「私」と「あなた」の解釈はいろいろできそう。

 

(見どころ)

●メイン4人の演技

主人公である妹アナ役のアビゲイル・ブレスリン。

姉ケイト役のソフィア・ヴァジリーヴァ。

母サラ役のキャメロン・ディアス。

弁護士役のアレック・ボールドウィン。

 

みんな何かを抱えてる役を好演してました。

 

弁護士の介助犬ジャッジの役割が分かりにくかったですが、本人でも気づけない発作の予兆を感じ取り、吠える事でそれを知らせてくれるワンコ。

 

★★★PICK UP LINES★★★

両親を訴えます

 

アナ

I woudn't even be alive if Kate wasn't sick.

I am a designer baby. 

I was made in a dish to be spare parts for Kate.

 

(姉が病気じゃなかったら私は生まれてさえいなかった。

私はデザイナー・ベイビー。

スペア・パーツを提供するために作られたの。)

 

(中略)

 

アレクサンダー弁護士

You sure you want to go through with this?

Good for you.

(本気でやるつもりなんだね。いい度胸だ。)

 

 

※dish はお皿ですが、ここではシャーレのことだと思います。

※とっても口語的な表現の good for you(よくやった、おめでとう、立派だ、たいしたものだ等々)の「いい度胸」という訳は合ってる。