惑星ソラリス D
(Солярис(サリャーリス) / Solaris)1972
監督 | アンドレイ・タルコフスキー | |
キャスト | ドナタス・バニオニス | クリス・ケルヴィン |
ナターリヤ・ボンダルチューク | ハリー?(クリスの妻) | |
ユーリ・ヤルヴェト | スナウト(ステーションの学者) | |
アナトーリー・ソロニーツィン | サルトリウス(ステーションの学者) | |
ソス・サルキシャン | ギバリャン(自殺した学者) | |
ウラジスラフ・ドヴォルジェッキー | バートン | |
ニコライ・グリニコ | クリスの父 | |
オルガ・バーネット | クリスの母 | |
タマーラ・オゴロドニコヴァ | アンナ |
海におおわれた謎の惑星ソラリス。
知性を持ち人の心に働きかけるとも言われる謎の海を観測するための宇宙ステーションに派遣された学者ケルヴィン。
ステーション内は荒れ果て、先に派遣されていた元同僚のギバリャンは謎めいたメッセージを残し自殺していた。
他のクルー2人の様子もおかしい。
そこへ10年前自殺した妻が突然現れる。
ソラリスの海は人の心を読み取り、それを具現化しステーションへ送っているのであった。他のクルーの元にもソラリスにより具現化された人間が送られていた。「客」と呼ばれる彼らの存在をどう考えるのか・・・
傑作SFのとも謳われるロシア映画。(正確にはソ連映画)
ポーランドのSF作家スタニスワフ・レムの小説「ソラリスの陽のもとに」が原作。
情緒的に描かれたSF映画・・・・というか、これはもうSFではないと思う。
舞台は宇宙ですが、内容は芸術作的で哲学的なドラマ。スワンプマン的思考でアイデンティティーについて考えさせるような作品。
傑作とも言われる作品なので、それを理解しようとして観ると難解という事になるし、SF映画を楽しみたいと思って観ると、ド退屈でつまらないという事になります。
最後に物語的なオチがついているところには、親しみと愛嬌を感じました。
タルコフスキー監督の特徴は「水」などの自然や、「馬」や「犬」といった動物たちの情緒的な描写。本作でもその特徴が良く出てます。
自然描写の時間はほんとに長い。こんなに眠気を催す映画もあまりない。
米・ソを代表する天才肌の監督が同時代に作った宇宙が舞台の映画ということでスタンリー・キューブリック監督の1968年「2001年宇宙の旅」と比較されることが多いですが、比較するようなもんではないと思います。
(気になったところ)
●東京の首都高
ケルヴィンを訪ねたバートンの帰り道の風景に日本の首都高速道路が使われています。未来都市の風景として使われてますが、いきなり日本語の道路標識が出てきてちょっとびっくり。
この辺からも、監督の映像イメージ重視の姿勢が伝わってきます。
★★★PICK UP LINES★★★
テレビのニュース
ソラリスの海は特殊な頭脳のような働きを持つことが判明し、思考力を有するという大胆な仮説が立てられた。
この仮説は現在の所、否定も立証もされていない。