ライトハウス C

(THE LIGHTHOUSE)2019

監督  
ロバート・エガース  
キャスト  
ロバート・パティンソン イーフレイム・ウィンズロー(若造)
ウィレム・デフォー トーマス・ウェイク(ベテランじいさん)
ワレリヤ・カラマン 人魚

孤島に2人の灯台守

高圧的で悪態を吐き散らかすベテランじいさん。

反感を覚える新人。

 

外界から遮断された世界。

灯りの見張り役を絶対に譲ろうとしない怪しいベテラン。

不穏な空気。

人魚の幻影。

押し寄せる大嵐。

狂気の中、現実が崩れ始める。

 

2人の男が繰り広げるミステリアスなスリラードラマ

 

(癖つよスリラー)

一癖、二癖ある作品を作るA24

内容だけでなく形式もクセツヨ。

スタンダードの作品もたまにある。

モノクロの作品もたまにある。

でもスタンダードかつモノクロとはビックリ。

大仰なBGMとも相まってモノクロ時代の映画を思い起こす懐古趣味的な雰囲気は感じます。

ワイド画面に見慣れている分、スタンダード(昔のテレビサイズ)だと窮屈で閉じ込められているような感覚になるかも。

 

ロバート・エガース監督は長編デビューとなった前作「ウィッチ」(2015)に引き続きA24での製作となります。

 

(文学的?スリラー)

2人しかいないから自分の存在を認証してくるのは相手だけ。

基本は対立しているけど、それだけじゃない。

新人君はかつて犯した罪の罪悪感を抱えていたり、どことなく同性愛の気質が見え隠れしたり。

灯台の光の正体も、何が現実で、何が妄想なのかも、何もハッキリとはわからぬまま意味深に終わっていくので、エンタメ度は低め。

 

「ファイト・クラブ」のように、本当は灯台守は新人1人で、ベテラン爺さんは彼の妄想だったり、彼の自身がなりきっていたかなと思ったりもしました

 

(見どころ)

●2人の演技のぶつかり合い

出演者はほぼ2人だけ。2人の舞台劇みたいなもん。

白黒だとウィレム・デフォーのギョロッとした目が映える。

 

★★★PICK UP LINES★★★

灯り

 

じいさん

When the fog clears, you'll work through the dog watch.

(霧が晴れたら、深夜作業にかかってくれ。)

 

若造

Doggin' it?  I was 'specting I'd git up to see the lantern.

(深夜作業? 灯りの見張りもしたい。)

 

じいさん

I tend the light.(オレの役目だ。)

 

わかぞう

Well, the rulues is alternatin' shifts.(規則では交代制と。)

 

じいさん

It's the mid watch that's to dread, lad.

My watch, night to morining.

Some new junior man I'm fixed with.

See to yer duties.  The light is mine.

(夜中の見張りは甘くないぞ小僧。オレが朝までやる。まったく素人はこれだから困る。自分の仕事をしろ。灯りはオレのもんだ。)

 

 

19世紀後半のお話なので、全体的に古めかしい言葉遣いになっていると思います。

 

「yes sir」を「aye sir」と言い直しさせられるシーンがありました。

意味は同じですが、aye の方がよりかしこまった感じでしょうか。

海軍では伝統的に aye sir が使われているよう。