アイスランドの山あい。

羊飼いの夫婦イングヴァルと　マリア。

大自然の中で静かに暮らす2人。ある日、羊の出産に立ち会う。

産まれてきたのは･･･！！？

 

アダと名付けて育てることにした夫婦。訪れるのは幸せか、

はたまた･･･

 

奇妙で不思議で怖いドラマ。

アイスランド、スウェーデン、ポーランドの合作映画。

映画の舞台はアイスランドで、全編アイスランド語。

 

北米での配給権を得たA24の戦略なのか「ホラー作品」というラベリングで売り出されましたが、ホラー映画ではないと思います。

 

（誘拐ドラマ？）

とある夫婦が赤ん坊を誘拐。自分たちの子供として育てようとする。

さらに目障りな実母を殺す。怒った実父が・・・

 

「異形」であることを除けば、まあ、こんなお話。

 

 「異形」は神か？悪魔か？自然の象徴なのか？

人のエゴがもたらす破滅を描いているのかもしれません。

 

（アダちゃん）

スーパーナチュラルな存在。

つぶらな瞳がかわいいが、リアルに描写される自然の風景の中で、まるで被り物をしているかのようなアダの存在は滑稽で浮いてる。

 

（見どころ）

●マリアの中の渇望、狂気

幼い娘を亡くしている事が中盤で分かります。

夫婦の暮らしや表情は穏やかだけど、2人を取り囲む自然と同じように晴れ晴れしさはなく、陰鬱とした空気が漂う。

 

そんな中、曰く「天からのさずかりもの」であるアダ。

その幸せを逃すまいとするマリアから滲む狂気めいたものが怖い。

主演＆製作総指揮を務めたノオミ・ラパスが見事に演じてます。

ラパスはスウェーデン人ですが、子供時代の多くをアイスランドで過ごしているためアイスランド語も達者。