めぐりあう時間たち C
(THE HOURS)2002
監督 | スティーブン・ダルドリー | |
キャスト | ニコール・キッドマン | ヴァージニア・ウルフ |
ジュリアン・ムーア | ローラ | |
メリル・ストリープ | クラリッサ | |
スティーブン・ディレイン | レナード(ヴァージニアの夫) | |
ミランダ・リチャードソン | ヴァネッサ・ベル(ヴァージニアの姉) | |
リンダ・バセット | ネリー(ウルフ家メイド) | |
ジョン・C・ライリー | ダン | |
ジャック・ロヴェロ | リッチー(ローラとダンの息子) | |
トニ・コレット | キティ(ローラの友人) | |
エド・ハリス | リチャード(詩人) | |
アリソン・ジャネイ | サリー(クラリッサのパートナー) | |
ジェフ・ダニエルズ | ルイス(リチャードの元恋人) | |
クレア・デインズ | ジュリア(クラリッサの娘) | |
アイリーン・アトキンス | 花屋 | |
赤:1923年英リッチモンド | ||
青:1951年米ロサンゼルス |
||
緑:2001年米ニューヨーク |
イギリスの女性作家ヴァージニア・ウルフが1925年に発表した小説 「ダロウェイ夫人」(Mrs. Dalloway)
その「ダロウェイ夫人」をモチーフにしたマイケル・カニンガムの1998年の小説「めぐりあう時間たち」(The Hours)が原作。
ヴァージニア、そして異なる時代、場所に生きる3人の女性のある1日を描く。
1923年英リッチモンドの
ヴァージニア編。
1951年米ロサンゼルスの
ローラ編。
2001年米ニューヨークの
クラリッサ編。
3つの物語が交互に進んでいきます。
原作小説の「めぐりあう時間たち」はピューリッツアー賞を受賞してます。
邦題タイトルから、ハートウォーミングな物語を想像してましたが、全然違いました。かなり暗くて重苦しいお話です。
自分の感情を抑圧して、生きるのが難しくて、しんどくて・・・
そんな3人の女性たちの苦しみが描かれてます。
同性愛というのが3人に共通した葛藤の1つになってるようです。
原作者のマイケル・カニンガムもゲイだそう。
かなり複雑で繊細な描写を必要とされる脚本、構成。
楽しいエンタメ作ではないです。
(小説「ダロウェイ夫人」)
クラリッサ・ダロウェイ夫人がパーティーのため花を買いに行くところから始まり、彼女がパーリ―の準備を進めながら過去を振り返り、いろいろ想う一日を描いた作品。
モダニズム文学といわれるものの代表作で、ダロウェイ夫人の行動と思考の移ろいがごったに書かれて非常に読みづらい小説だそう。
(ヴァージニア・ウルフ)
小説「ダロウェイ夫人」の作者で、本作の3人の主人公のなかで唯一実在した女性。映画にも登場した姉ヴァネッサらとともにブルームズベリー・グループというリベラルな思想を持った学者や芸術家からなる組織を結成。
1920年代に小説家として活躍。本作でも描かれた通り、神経症を患い1941年に入水自殺し59歳で亡くなります。
映画では3人の女性のある一日が描かれてますが、最初と最後にヴァージニアが自殺するシーンだけは別の日ということになります。
(見どころ&好きなところ)
●ヴァージニアを演じたニコール・キッドマン。
あのアンニュイな表情と、気だるげな佇まいが実に見事!
人の「佇まい」を感じられるような演技ができると素晴らしい。
見事アカデミー主演女優賞を受賞しました。
(オーストラリア人女優では初受賞。キッドマンは米国籍も持ってますが。)
どう見てもキッドマンに見えないないなーと思いながら観てましたが、付け鼻をした特殊メイクをしているそうです。
またキッドマン、ムーア、ストリープ3人揃ってベルリン国際映画祭で銀熊賞(女優賞)を受賞しました。
★★★PICK UP LINES★★★
めぐりあった1日
A woman's whole life in a single day.
Just one day and in that day, her whole life.
1日に込められた女の人生。
たったの1日のその日に彼女の人生の全てが・・・