マディソン郡の橋 B

(THE BRIDGES OF MADISON COUNTY)1995

監督&製作  
クリント・イーストウッド  
キャスト  
メリル・ストリープ フランチェスカ・ジョンソン 
クリント・イーストウッド  ロバート・キンケイド
アニー・コーリー キャロライン(フランチェスカの娘)
ヴィクター・スレザック マイケル(フランチェスカの息子) 
ジム・ヘイニー リチャード(フランチェスカの夫) 
ミシェル・ベネス ルーシー(不倫した女性)

アイオワ州マディソン郡ウィンターセット。

田舎町の農家の主婦フランチェスカ

町にある橋の撮影にやってきた写真家ロバート

2人の4日間の恋を描いたラブストーリー

 

「家族に恵まれ決して不幸ではないけれど、田舎の閉塞感や日常に忙殺される日々を過ごす主婦のもとに突然現れた自由で自立した男に惹かれていく」というありがちなシチュエーションですが、名優の競演で恋の切なさや葛藤がズキズキと伝わってくる良作。

批評的にも興行的にも成功を収めました。

 

(原作、製作)

アイオワ出身の作家ロバート・ジェームズ・ウォラーの1992年の大ベストセラーとなった同名小説が原作。

制作会社はアンブリン。

アンブリンがこんなストレートな恋愛映画を製作するのは稀。

 

(中年男女の愛のメモリー)

中年男女の恋を描いた純正ラブストリー映画ですが、フランチェスカは既婚者。旦那や子供たちの留守中の不倫ラブのお話でもあります。

 

フランシェスカの息子・娘が彼女の死後に手記を読んで過去の物語を知っていくという構図で「20年以上も前の出来事」「すでに当事者が亡くなっている」ことから、追憶(メモリー)としての熱く切なく苦しい愛の物語になっています。

不倫は良くはないし、旦那や子供たちにとってはひどい裏切り行為ですが、不貞行為の背徳性にはあまりクローズアップせず、一人の女性の人生における大切な体験、記憶として肯定的、心情的に描いてます。

 

(現地ロケ 屋根付橋)

物語の舞台となったマディソン郡ウィンターセットでロケが行われました。

同地ではセットとして作られたフランチェスカの家が撮影後も残され一般公開されていたそうです。

(放火事件があり、現在は公開されていないもよう。)

 

ウィンターセットはスター俳優ジョン・ウェインの出身地でもあります。

 

作中でロバートが熱心に撮影していた屋根付橋(カバード・ブリッジ)のローズマン・ブリッジは観光名所の一つになっているようです。

何故屋根(トンネル)が付いているのかはわからないけど、多少オシャレな感じはするかな。

 

カバード・ブリッジはマディソン郡内では他にも数か所かあり、全米では500~600あるよう。アメリカ以外にも世界各地にあって日本でも何か所かあるようです。

 

(好きなところ&見どころ)

●大人のラブストーリー

勢いまかせのがっついた感じではなく、互いの立場や心情を慮った台詞や態度が素敵。自分も歳を取ったからなのか安心感を覚えます。

 

●名優の演技

特にメリル・ストリープは流石。

演技が巧すぎて、逆に現実感がないように思ってしまったりも・・・

 

★★★PICK UP LINES★★★

INVITATION

 

If you'd like supper again

'when white moths are on the wing'

come by tonight after you're finished 

Anytime is fine

 

白い蛾が羽をひろげるころ、よければまた夕食にどうぞ

お仕事が終わったあと、何時でもかみません。

 

 

「白い蛾の・・」のくだりが、アイルランドの詩人ウィリアム・バトラー・イェイッの詩、The Song of Wandering Aengus(さまようアンガスの歌)からの引用。

 

蛾が美しいという感覚はないな・・・どちらかというと気持ち悪い・・