M★A★S★H  マッシュ 

(M*A*S*H)1970

監督 ロバート・アルトマン  
キャスト ドナルド・サザーランド ホークアイ・ピアース大尉 
  トム・スケリット デューク・フォレスト大尉
  エリオット・グールド トラッパー・ジョン・マッキンタイア大尉
  サリー・ケラーマン ホットリップス(オフーリハン少佐)
  ロバート・デュバル フランク・バーンズ少佐
  ロジャー・ボーウェン ヘンリー・ブレイク中佐(MASH司令官) 
  ゲイリー・バーコフ レーダー(オライリー伍長) 指示伝達役?
  ジョン・シャック ペインレス(自殺志望の歯科医)
  ジョー・アン・フラッグ ディッシュ
  キム・アトウッド ホー・ジョン(韓国人青年)
  ルネ・オーベルジョノワ デイゴ・レッド(神父)
  ジェームズ・B・ダグラス メリル大佐(小倉在中の大佐)
  マイケル・マーフィー ミー・レイ・マーストン
  G・ウッド ハモンド准将(アメフトバカ)
  フレッド・ウィリアムソン スピアチャッカー(アメフトプロ)

朝鮮戦争で陸軍移動外科病院(Mobile Army Surgical Hospital)

 MASHに従軍する軍医を描いた強烈なブラック・コメディ。

 

負傷兵が次々と運び込まれる日々の中、悪ノリが過ぎる3人の軍医を中心にしょーもないイタズラ三昧。

手術中だって冗談言って談笑。

上官も仲間たちもみーんなどっかまぬけ。

下ネタも満載のしょーもないドタバタ劇ですが、切れ味があって、どこかオシャレでカッコイイ感じもする。

 

撮影・公開当時はベトナム戦争真っ只中で、アメリカでは反戦運動が盛り上がっていた頃。朝鮮戦争を舞台として設定してますが、露骨にベトナム戦争を批判した反戦ブラック・コメディ・・・・・という事ですが、そんな背景など気にせずとも普通にジョークやユーモアを楽しめます。

(監督は具体的な場所や時間を決めたくなかったそうですが、タイミング的にあきらかにベトナム戦争を皮肉ってるので、大人の事情で上から「ベトナムではない事を明示しろ」と求められ、オープニングに「KOREA」と表示したそう。)

 

カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを、アカデミー賞では脚色賞を受賞。

 

アルトマン監督は1976年「ビッグ・アメリカン」でベルリン国際映画祭金熊賞、1993年「ショート・カッツ」でヴェネツィア国際映画祭金獅子賞を受賞。三大映画祭全てで最高賞を受賞した巨匠です。

ちなみに自国のアカデミー賞では何度も作品賞・監督賞にノミネートされるも受賞はならず。

(2006年に長年の活躍が評価されアカデミー名誉賞は受賞してます。)

 

監督の方針で、出演者たちは脚本はあまり読まず、台詞はほぼアドリブでやっていたそうです。それに対して脚本を担当していたリング・ラードナー・Jrは「自分の書いた台詞が何一つ使われていない!」と激怒。

しかし作品賞、監督賞、脚色賞、助演女優賞の4部門でノミネートされたアカデミー賞で、実際に受賞できたのは皮肉にも脚色賞のみ。

ラードナー・Jrの胸中は複雑だったかもしれませんが「ハリウッド10」の1人だった彼は「これでようやくブラックリストから外れて、ハリウッドに受け入れられた」と安堵し喜んだそうです。

 

(見どころ)

●悪ガキドクター、おバカ軍団。まさしく "Goddamn army."

演者は新人俳優さんばかり。

中でも出世した主演キーファー・サザーランドが演じた主人公ホークアイの飄々としたキャラがかっこいい。きわどいイタズラやジョークをかましながら、すました笑顔と「ピュ~イ♪」と口笛でオチをつけちゃうクールさがいい。

 

(好きなところ)

●主題歌 Suicide Is Painless

●マヌケ司令官と、指示出しレーダー君との掛け合い。

●ペインレスとコトを終えたディッシュ女史。

 うつろな表情からのカメラ目線で昇天の笑み。

●小倉でホークアイとトラッパーを運ぶ運転手のボヤキ。

 "Goddamn army."

 

★★★PICK UP LINES★★★

①主題歌 Suicide Is Painless(邦題:もしもあの世にゆけたら)

 

Through early morning fog      朝もやを通して映るのは
I see visions of the things to be   物事のあるべき姿
The pains that are withheld for me  まだ私の知らぬ苦痛が待ち構える
I realize and I can see ...       それはわかるんだ    

That suicide is painless       自殺は苦痛ではない
It brings on many changes     気分が変わるもの
and I can take or leave it if I please やるもやらぬも私の勝手

 

 

もともとペインレス狂言自殺のシーン用の作中歌として作られた曲ですが、出来が良かったので主題歌にもなりました。

意味があるようなないような歌詞ですが、哀愁漂うメロディはいい感じ。

 

 

②最後 すげークールでカッコイイ終わり方

Attention, Attention!!

Tonight's movie has been MASH.

Follow the zany antics of our combat surgeons as they cut and stitch their way along the frontlines.

Operating as bombs and bullets burst around them, snatching laughs and love between amputations and penicillin.

Follow Hawkeye, Trapper, Duke, Dago Red, Painless, Rader, Hot Lips, Dish and Staff Sergeant Vollmer as they put our boys back together again.

Starring Donald Sutherland.........................."Goddamn army."

That is all.

 

今夜の映画は「マッシュ」でした。

前線の軍医が手術の合間に見せるあきれ果てた道化ぶり。

砲弾飛び交う中での手術。医療行為の最中においても笑いあり、恋ありの

痛快劇。

ホークアイ、トラッパー、デューク、デイゴ・レッド、ペインレス、リーダー、ホットリップス、ディッシュ、主人公たちを振り返ってみよう。

主演ドナルド・サザーランド・・・・・・・・・・ 「このクソったれども!」

以上。

 

第四の壁を破ったナレーションでキャスト紹介。

        ↓

"Goddamn army." That is all.

    ↓

ジャ~ンというドラの音    クールだなー。