パラノイドパーク B

(Paranoid Park)2007

監督  
ガス・ヴァン・サント  
キャスト  
ゲイブ・ネヴァンス アレックス・トレイメン 
ダニエル・リュー リチャード・ルー刑事 
ローレン・マッキーニー メイシ―(女友達) 
テイラー・モンセン ジェニファー(アレックスの彼女)
ジェイク・ミラー ジャレット(男友達) 

ニューヨーク。

ダウンタウンの外れ。

スケートボード場パラノイドパークに集まる不良や行き場の無い少年たち。

 

その一人アレックスはパークの横を通る線路に立ち入り、貨物列車に飛び乗り遊んでいたが、警備員に見つかり大きな事件を起こしてまう。

事件現場から逃げたアレックス。

その時から彼の世界が変わってしまった・・・・・

 

(罪悪を抱えた少年の心象風景)

「事件」ではなく、事件により変わった「少年の心」を描いた作品。

「殺人」という、とびきりの罪悪を抱えてしまった少年アレックス。

事件前後ですっかり変わってしまった彼の世界を描いたなかなか鬱な映画。

 

映像作品的な風景描写が多く、サスペンス映画ではないため、何かが解決するという事もありません。

観てスッキリする作品ではないです。

 

アレックスの混乱を表現するためか、時系列がかなり頻繁に前後して描かれています。現在のシーンが事件の後なのか前なのか、はじめは話が掴みにくいかもしれませんが、段々と事情や意味が分かってきます。

 

 

体が真っ二つになった警備員が体を引きずり、何とも言えない表情でアレックスを見上げるホラーみたいなシーンがあります。

現実では即死で動くことなどないでしょうが、アレックスの心の中の風景ではあんな風に見えたという演出なのかなーと思ってます。

 

程度の大小を問わなければ、何かしらの罪やミスを犯して、そこから逃げたり(逃げようかと思ったり)、隠したり(隠したくなったり)、そんな経験を持つ人も多いのでは。そんな人ならアレックスの置かれた状況のキツさが分かると思います。

 

(見どころ)

●アレックス、心の苦悩

アレックスは表情に乏しいポーカーフェイス。

表情ではなく、脚本や見せ方で彼の心が蝕まれていく様子を描いてます。

 

★★★PICK UP LINES★★★

混乱のアレックス

 

警察に連絡しろ。大丈夫。危害は及ばない。

誰かに、誰かに連絡しないと。

正当防衛さ。でも真実を話すとヤバイ。これは現実?

大丈夫、お前のせいじゃない。不可抗力だ。

まずは弁護士に連絡だ。スポーツ選手みたいに。

よく考えろ。弟はどうなる?

冷静に考えろ。父さんは?

でも僕の頭と体はバラバラに動いた。

体は言った、モタモタするな逃げろ。

 

Call the police.

It's OK, Alex, you're not gonna get in trouble.

Call home... Call someone. 

It was self-defense. I thought about my skateboard...

People defend themselves all the time.

But never mind that... I had to tell someone.

Maybe that was the thing...

It's OK, Alex. You're not gonna get in trouble. It's OK.

Get a lawyer first... then call the police.

That's what sports people did... Just calm down, Alex.

Didn't it? My brain could have debates all night long.

My body didn't care.

My body wanted only one thing, to get the hell out of there.