ノースマン  導かれし復讐者 B

(THE NORTHMAN)2022

監督&脚本&製作  
ロバート・エガース  
キャスト  
アレクサンダー・スカルスガルド アムレート(ビヨンウルフ)
クレス・バング フィヨルニル(仇)
ニコール・キッドマン 王妃(母)
アニャ・テイラー・ジョイ オルガ
イーサン・ホーク オーヴァンディル大鴉王
ウィレム・デフォー ヘイミル(道化、司祭)
グスタフ・リンド ソリル(フィヨルニルの長男)
エリオット・ローズ グンナル(アムレートの異父弟)
ビョーク 魔女
オスカー・ノヴァク 少年アムレート

愛する父を殺され、母を奪われた王子アムレート

定められし運命に導かれた男を描いた復讐劇

 

(北欧神話)

アムレートは北欧の伝説上の人物。中世デンマークの歴史家サクソ・グラマティクスが著した「デンマークの事績」に詳細が書かれており、本作の原案になっています。

 

ノルン、オーディン、ヴァルハラ、ヴァルキュリー等々、北欧神話に関わる神々の名前や用語がたくさん出てきます。

北欧神話に詳しくなくても問題なく鑑賞はできます。

名前がよく出てきた「ノルン」は運命を支配する女神(巨人族の3姉妹)。

これから起こる運命を描いたタペストリーを織っているそう。

 

(復讐劇の原型)

「王が弟に殺され王座と王妃を奪われる」「王の幼い息子が復讐を誓う」という古典的な設定の復讐劇。

アムレートの伝説はシェイクスピアのハムレットの元になったと言われています。(ハムレットの舞台も北欧(デンマーク))

 

復讐劇を描いた人間ドラマですが、邦題サブタイトルの通り、司祭や予言者を通して神々や運命による導きがちょいちょいあって、自分的にはそういう所が好みじゃない。展開がご都合主義的で。

 

(大作映画だけど、スケール感が・・・)

仇が強大な王として君臨していれば、それを討ち滅ぼすという壮大な復讐劇になりますが、仇であるフィヨルニルは早々に没落し、田舎の村の酋長という身分になり下がっており、物語の後半はほとんどが小さな村の中で進むというスケールの小さい話に。

金と労力を使った渾身の大作であることはひしひしと伝わってきますが、それとは逆にストーリーのスケールは尻つぼみ感あり。

 

興行的にもコケして失敗しましたが、早々に配信リリースしたところかなり好調だったそう。

 

基本、画面の迫力と雰囲気の映画ですね。

 

(ヴァイキング映画)

信仰、風習、服装、道具等々にはこだわりぬいて、当時のヴァイキング文化を忠実に描いているそうです。

 

キャストの多くが北欧の出身者。

主演のアレクサンダー・スカルスガルドはスウェーデン人。

フィヨルニル役のクレス・バングはデンマーク人。

魔女役のビョークはアイスランド人。

 

(ロバート・エガース監督)

アメリカ人ですがヴァイキングへの造詣が相当深いそう。

 

オルガ役のアニャ・テイラー・ジョイ(米)は、エガースの長編初監督作「ウィッチ」(2016)で主演を務めてました。

ヘイミル役のウィレム・デフォー(米)は、エガースの監督2作目「ライトハウス」(2019)にメイン・キャストとして出演。

そして本作がエガースの監督3作目になります。

 

(見どころ)

迫力!

風景や戦闘シーンの迫力はかなりのもの。

仕上げに仕上げたアレクサンダー・スカルスガルドの肉体の威圧感が半端ない。作り上げた肉体が最高の衣装。

スカルスガルドはエガースらとともに制作も務め、相当気合入っているのは伝わってきます。

長まわしで撮った序盤の集落への襲撃シーンも凄いですが、まっ裸で斬り合うラストバトルも熱いです。

 

●演技

主演のスカルスガルド以外では、王妃役のニコール・キッドマンが貫禄の演技で、悪女を怪演してました。

 

★★★PICK UP LINES★★★

儀式

 

ヘイミル

The Norns that spin and weave at their Well of Fate.

(ノルンは運命の泉で糸を紡ぎ機を織る。)

 

オーヴァンディル王

Live in honor.(名誉に生きよ。)

 

アムレート

Live in honor.(名誉に生きます。)

 

オーヴァンディル王

Safeguard your familial blood.(一族の血を守れ。)

 

アムレート

Safeguard your familial blood.(一族の血を守ります。)

 

ヘイミル

Know you what that means, Amleth, son of Aurvandil?

(その意味がわかるか?オーヴァンディルの子、アムレートよ。)

 

オーヴァンディル王

Should I fall by the enemy's sword, you must avenge me or forever live in shame!

(私が敵の剣に倒れたら仇を討て。さもなくば永遠の恥辱を生きろ。)

 

アムレート

I will, Father, I will.  My blade will not rest till it's drunk the blood from his open neck!

(必ず、必ず仇を討ちます、父上!はねた敵の首の血を我が刃に飲ませるまで!)

 

ヘイミル

Now live aiways without fear, for your fate is set and you cannot scape it.

(恐れることなく生きよ。お前の運命は定まった。逃れることはできぬ。)