ノーカントリー B

(NO COUNTRY FOR OLD MEN)2007

監督 ジョエル・コーエン イーサン・コーエン
キャスト トミー・リー・ジョーンズ 保安官
  ハビエル・バルデム アントン・シガー
  ジョシュ・ブローリン ルウェリン・モス
  ケリー・マクドナルド ルウェリンの妻
  ウディ・ハレルソン カーソン・ウェルズ
  ギャレット・ディラハント ウェンデル保安官助手

アカデミー作品賞、監督賞、助演男優賞

(ハビエル・バルデム)、脚色賞を受賞しました。

 

とってもコーエン兄弟っぽい雰囲気が漂っている作品です。

原作はコーマック・マカーシーの小説「血と暴力の国」(原題:NO COUNTRY FOR OLD MEN)です。

小説タイトルどおり、金を巡っての凄惨な殺し合いや血生臭い暴力の連鎖を描いてます。

 

同じくコーエン兄弟監督作の「ファーゴ」に似てるなと思いました。無慈悲で何考えてるかわからない悪(恐怖)と、古き良き隣人たる警官(保安官)を対比させるあたりが。

 

人間関係の希薄さや無関心。そこから生まれる明確な原因や理由がない殺人などの事件。そんな現代社会の乾いた闇を描いてるのかな―と勝手に思ったりしますが、そんな深く考えなくても、不気味な殺し屋シガーと大胆不敵なルウェリンとの対決は緊迫感もあり見応え充分です。

でもラストがいまいちよくわからなったなー。なぜあそこで交通事故?

アカデミー作品賞をとるような作品なのかは疑問です。

 

 

(見どころ)

殺し屋VS盗っ人

人を殺すことを何とも思わない殺し屋シガーと、麻薬絡みのヤバい金を我がものにしようとするルウェリン。

どーしようもない奴らですが、そんな奴らの殺伐として容赦ない暴力が本作の見どころかな。

 

(好きなところ)

殺し屋アントン・シガー

黒服にもさっとした黒髪。ちょっとキモイ感じの外見がいい。

圧縮空気と言う得物も斬新で良かったです。

でも武器としては目立ち過ぎるなー。

演じたハビエル・バルデムはスペイン人としてアカデミー賞初受賞だそうです。

 

★★★PICK UP LINES★★★

この映画の問いかけ? 

映画の冒頭 保安官の語りより抜粋

 

Some of the old-time sheriffs never even wore a gun. 

I always liked to hear about the old-timers.

Never missed to a chance to do so.

You can't help but compare yourself against the old-timers.

Can't help but wonder how they'd have operated these time.

昔は銃を持たない保安官もいた。

昔の人の話を聞くのは好きで、決して聞き逃さないようにしている。

今の自分と彼らとを比べずにはいられない。

「彼らだったらどうするだろう?」と思うんだ。

 

There's this boy I sent to the electric chair.

My arrest and my testimony.  He killed a 14-year-old girl.

Paper said it was a crime of passion, he told me there wasn't any passion to it.

Told me he'd been planning to kill somebody for about as long as he could remember.

Said if they turned him out, he'd do it again.

ある少年を電気イスへ送った。私が逮捕し、証言した。

少年は14歳の少女を殺した。

新聞は激情犯罪と書いたが、少年は感情なんて無かったと言った。

ずっと前から誰かを殺そうと考えいて、出所したらまた殺すと言っていた。

 

I don't know what to make of that.  I sure do don't.

The crime you see now, it's hard to even take its measure.

どう考えたらいいのかわからない。全く分からない。

最近の犯罪は理解できない。