ニノチカ 

(NINOTCHKA)1939

監督  
エルンスト・ルビッチ  
キャスト  
グレタ・ガルボ ニノチカ・ヤクショーバ
メルヴィン・ダグラス レオン・ダルグー伯爵
アイナ・クレア スワナ大公妃(亡命ロシア貴族)
フェリックス・ブレサート ブリヤノフ(ロシアントリオ 眼鏡)
シグ・ルーマン イラノフ(ロシアントリオ あご)
アレクサンダー・グラナック コパルスキー(ロシアントリオ 小男)
ルゴシ・ベーラ ラジーニン(ニノチカの上官)
グレゴリー・ゲイ ラコーニン(ロシア人のホテルボーイ)
エドウィン・マクシウェル メルシエ(宝石商)
ロルフ・セダン ホテルの支配人

宝石を売って外貨を稼ごうと仏へやってきたソ連の役人たち。

それに待ったをかけたフランス人貴族の男ダルグー伯爵

対するソ連が新たに送り込んできた女性は共産主義の忠実なる同志ニノチカ

ロシアの美しき刺客と、フランスの色男が、パリで繰り広げる恋とイデオロギーの駆け引きの行方は??

 

サイレント映画、そしてトーキー映画黎明期に絶大な人気を誇った超スター女優グレタ・ガルボを主演に迎えたアメリカのロマンティック・コメディ作

 

(Garbo Laughs)

これまでクールでシリアスな役が多かったガルボが笑うシーンが多いので、このキャッチコピーが使われました。

これはガルボが初めてトーキー作に出演した時の「Garbo Talks」というキャッチコピーをもじったもの。

 

個人的には、笑いだす前のクールビューティーなガルボの方が好き。

 

(好きなところ)

●イデオロギージョーク

前半は自由の街パリの有閑貴族に対して、ガチガチの共産主義者ニノチカのミスマッチな発言や振舞を滑稽に描いてます。

冷戦より前の作品ですが、共産主義国家の持つ閉塞感や問題点をえぐるその内容は冷静時代の典型的なプロットを先取りしたような感じ。

 

アメリカ映画なので、当然共産主義を揶揄して笑っています。

その後のソ連崩壊や、中国の実質的な資本主義化を経た現在に観て、何が良くて、何が正しかったのか。

「イデオロギーは人を幸せにするのか?」

「人の幸せとは関係ないんじゃないか?」

コメディ作ですが、そんな事も考えさせられた作品でした。

 

●グレタ・ガルボが美しい

 

★★★PICK UP LINES★★★

共産主義 VS 資本主義(エッフェル塔からの夜景)

 

ダルグー

I'm glad I saw it beforebecoming extinct.

(なくなる前に来れて良かった。)

 

ニノチカ

Now, don't misunderstand me.

I do not hold your frivolity against you.

As basic material, you maynot be bad.

But you are the unfortunate product of a doomed cuture.

I feel very sorry for you.

(勘違いをしていたようです。あなたの軽薄さは、あなたのせではないわ。

根は善い人なんでしょうけど、破滅的な文明に毒された哀れな人。

気の毒だわ。)

 

ダルグー

Ah, but you must admit that this doomed old civilization sparkles.

Look at it.  It glitters!

(でもその破滅的文明が輝きを放っているのはわかるだろう。

見ろ、この輝きを!)

 

ニノチカ

I do not deny its beauty, but it's a waste of electricity.

(美しさは認めるけど、電気の無駄使いね。)