What a night.

（なんて夜だ。）

 

北アイルランド、

ベルファストの夜。

ヤクの売人から足を洗おうとする男バッジ。

最後にデカい取引を計画するが想定外の事態に見舞われ追い込まれていく！

 

生きるも死ぬも全ては今夜次第！

果たして無事に取引を終えることはできるのか！？

 

夜の街を車と電話で疾走するイギリスのクライム・スリラー作。

 

（リアルタイム と ワンショット）

物語は22時半頃にスタートして、０時過ぎに終了。

約9４分のリアルタイムで時間進行していくストーリー。

 

そして本作最大の売り文句が94分ワンショット！

とは言っても本当に94分を１カットで撮っているわけではないです。

コロナ禍でロックダウン中のベルファストの街で６晩かけて６テイクを撮影したそう。

長回しは大変だろうけど、ほとんどが運転する主人公のアップの画なので、難易度は意外と低め？

 

コロナ禍は映画産業を含めてエンタメ業界に大きな打撃を与えましたが、

「人がいないなら、ロケしやすいじゃん！」という逞しい発想・行動力は素晴らしいと思いました。

 

（ほぼ運転＆ハンズフリーの電話）

画的に動きの少ない作品。

主人公バッジがひたすら電話しながら運転する姿が映り続けていきます。

ようはほぼ会話劇、しかも会話の相手は対面ではなく電話の向こう。

それでいて緊迫感をヒシヒシと感じさせるのは見事。

 

たくさんのキャラに電話をかけるので、電話相手の名前と関係性を把握しておかないと話の展開が理解しずらいかも。

 

ラジオドラマにしてもいけそう。

 

（見どころ）

●テレフォン・ドラマ

差し迫った危機的な状況を感じさせるだけでなく、声と会話内容だけでそれぞれのキャラクターが見えてきて、頭の中にイメージが浮かぶ。

バッジはアウトローではあるけれど、優しさや誠実など人柄がしっかりと伝わってくる。