ティファニーで朝食を B

(BREAKFAST AT TIFFANY'S) 1961

監督 ブレイク・エドワード  
キャスト オードリー・ヘプバーン ホリー・ゴライトリー(ルラメー)
  ジョージ・ペパード ポール・バージャック(フレッド)
  パトリシア・ニール 2E(ポールの支援者)
  マーティン・バルサム O・J・バーマン(芸能プロデューサー)
  バディ・イブセン ドック(ルラメーの夫)
  ミッキー・ルーニー ユニヨシ(日本人風な男)
  アラン・リード サリー・トマト(囚人マフィア)
  ホセ・ルイス・デ・ヴィラロンガ ホセ(南米の富豪)
  ジョン・マッギーヴァー ティファニーの粋な店員

ニューヨーク。

夜の社交界で男たち(rats)を品定めしながら渡り歩いて気ままに暮らす女ホリー

富豪との結婚を目指すホリーだが、彼女の住むアパートに越してきた作家のポールと出会い親しくなっていく。

 

時代や社会や男に従属するのを嫌い、自由に自分らしく生きようとした女性の軽やかさ、脆さ、儚さを描いたドラマ作。

 

(名作クラシック)

オードリー・ヘプバーンの代表作の一つ。

可愛らしく可憐なオードリーがNYの娼婦を演じたことで、彼女のイメージ、しいては世の女性のイメージを大きく変えたとも言われる作品。

 

(女性の生き方のドラマ)

ホリーとポールの関係を中心に描いたロマンティック・コメディという体ではありますが、女性の生き方を問うた社会派ドラマでもあります。

 

女性は男性と結婚して家庭に入るのが当たり前の時代。

地方の貧困女性は生きていくために親子程も歳の離れた男性と結婚する以外に選択肢がなかったり、都会へと逃げ出し社交界の男達と関係を持つようになったり、ホリーのような女性は多かったそうです。

 

そんな時代の中で、誰の者でもなく、自由に、猫にも名前を付けずに縛らずに、思うままに生きようとする女性の生き辛さ、儚さを描いてます。

 

(原作)

原作は1958年発表のトルーマン・カポーティの同名小説。

映画化に際して、設定が大幅に変えられています。

小説では語り手である「僕」(映画でのポール)からの視点でホリーの風変わりで刹那的で破滅的な生き方を描いてます。

「僕」はホリーの生き方に惹かれるものの、同性愛者なので恋愛関係にはならず、映画のようにラストで結ばれることもないです。

小説ではホリーは海外へ飛び出して行方知れずとなって終わります。

 

(主題歌MOON RIVER) 

作曲家ヘンリー・マンシーニが、この作品のオードリーのために作った曲。

温かみと儚さを感じさせるいい音。オードリーが窓辺で歌うシーン素敵。

アカデミー歌曲賞を受賞しました。

 

たくさんのカバー、バージョンがありますが、オリジナルであるオードリー歌唱版は、本人が「私はプロの歌手ではないので」と発売を断っていましたが、彼女の死後、サントラなどに収録されるようになりました。

元々歌に自信のなかったオードリーは歌唱シーンには当初は消極的だったようです。

 

(TIFFANY & Co.)

NY5番街にあるティファニー本店。

本作のヒットにより観光名所の一つとなりました。

タイトルは「ティファニーで朝食を食べることができるような素敵な身分、自分」を例えた表現です。

ジュエリー・ショップなので朝食を食べる場所ではなかったのですが、現在は4階にティファニー・ブルーを基調としたBlue Boxというカフェがあるそうで実際に朝食やランチを楽しめるそう。

 

後にティファニーが創立150年を迎えた際、オードリーが寄せた言葉が素敵だったので一部を紹介。

「朝食にも招いてくれたわね。クロワッサンとコーヒーは私の大切な思いでよ。お誕生日おめでとう、ティファニー。でも150歳でシワ一つないなんて嫉妬するわ。品位は歳をとらない。」

 

(見どころ)

女優オードリー・ヘプバーン

これまで演じて来なかったような役柄にチャレンジ。

 

原作者のカポーティは主演に妖艶なマリリン・モンローを推していたそうですが、その対極にいるような華奢で可憐なオードリーが演じることで、原作とは違ったお茶目で繊細なホリーを見事に演じてました。

 

●リトル・ブラック・ドレス

ファッション・アイコンとしても注目され続けたオードリー。

「かなりの細見」「大きな足」「控えめなバスト」など自身の体型を理解した上で、似合って映えるファションを選んで衣装にしてました。

盟友ジバンシィが冒頭のシーンのために作ったリトル・ブラック・ドレスは映画に登場するドレスの中で最も有名なものの一つ。

 

(時代を考慮したとしても、気になるところ)

●あの日本人は・・・・・ 

演じたミッキー・ルーニーは生粋のアメリカ人、白人です。

特殊メイクをしてます。

バカにはされてますよね・・・

 

●万引きは犯罪です!

 

 ★★★PICK UP LINES★★★

ティファニー

 

ホリー

I'm not sure where that is, but I know what it's like.

It's like Tiffany's.

(どこかはわからないけど、そうね、ティファニーみたいなところ。)

 

ポール

Tiffany's?  You mean the jewelry store?

(ティファニー?宝石店の?)

 

ホリー

That's right.  I'm crazy about Tiffany's.

Listen.  You know those days when you get the mean reds?

(そうよ、私はティファニーに夢中なの。

ねえ、あなた気持ちが赤く沈むことはない?)

 

ポール

The mean reds? You mean like the blues?

(赤? ブルーじゃなくて?)

 

ホリー

No.  The blues are because you're getting fat or maybe it's been raining too long.  You're just sad, that's all.

The mean reds are horrible.

Suddenly you're afraid and you don't know what you're afraid of.

Do you ever get that feeling?

(ブルーは太ったり、雨が続いたり、ただ悲しいだけ。レッドはつらいわ。

突然わけもなく怖くなるの。そんな経験ない?)

 

ポール

Sure.(ええ、もちろん。)

 

ホリー

Well, when I get it, the only thing that does any good is to jump into a cab and go to Tiffany's.  Calms me down right away.

The quietness and the proud look of it.

Nothig very bad could happen to you there.

If I could find a real life place that made me feel like Tiffany's、

then - then I'd buy some furniture and give the cat a name!.

(そんな時、良くなる方法は1つ。タクシーに飛び乗ってティファニーに行くの。すぐに落ち着くわ。あの静けさと雰囲気がいいのね。悪いことなんて何も起こらない。ティファニーみたいなそんな場所をもし見つけられたら、その時は家具も買うし、ネコに名前も付けるわ!)

 

 

※「Tiffany」に「's」が付いてますが、「ティファニーの店」って意味合いになります。

ファミレスの「Denny's」や、ジーンズの「Levi's」も同じ。