ゾンビ S

(DAWN OF THE DEAD)1978

監督  
ジョージ・A・ロメロ  
キャスト  
ゲイラン・ロス フラニー
デヴィッド・エンゲ スティーヴン
スコット・H・ライニガー ロジャー
ケン・フォリー ピーター
ハワード・スミス TV司会
リチャード・フランセ ラウシュ博士(眼帯)
ジェームズ・A・バフィコ ウーリー(発砲狂の警官)
ルディ・リッチ 暴走族のリーダー

生きた人間を喰らうため動き出した死者たちの群れ。

ゾンビだらけになった世界で、生き残りを計る人間たちを描いたゾンビボラーの金字塔!

 

 

 

 

 

 

(監督&脚本ジョージ・A・ロメロ)

本作から10年前、1968年「ナイツ・オブ・ザ・リビングデッド」でゾンビホラーというジャンルを切り開いたロメロ監督ゾンビホラーを世に知らしめて確立した記念碑的作品

 

(ゾンビ)

群がって人を喰うため襲ってくるゾンビ的シチュエーションに怖さは感じましたが、ゾンビのビジュアル面に関しては、残念ながら恐怖感はゼロ

ただ顔を灰色に塗っただけ・・・

 

昨今では全速力で走ってくるゾンビ(ウイルス感染者)も珍しくありませんが、かつてのゾンビと言えば、ロメロ監督が描いたゆ~っくり動くゾンビがテンプレート

本作のゾンビもかなり動きが緩慢で、取り囲まれてしまっても、素手でどつけば倒れるし、走れば簡単に切り抜けられる。

油断さえしなければ、捕まったり噛まれたりの心配があまりありません。

 

また「噛まれたヤツもゾンビになる」「頭(首)を破壊、切れば死ぬ」という定番ルールも確立されてます。

 

(ゾンビよりも)

前述の通り、ゾンビの危険度は低めですが、「ゾンビで溢れかえり崩壊した狂気の世界でのサバイバル」という昨今のゾンビ・感染者系ホラー作にも多く見られる崩壊世界の恐怖を描いた先駆的作品。

ゾンビだけでなく、略奪者と化した人間も大きな脅威として描かれます。

もちろんゾンビも恐怖の対象ですが、それを前にして平静を失っていく人間の怖さががっつし描かれています。

 

(見どころ)

白人小男警官ロジャーの変貌

序盤では暴走する同僚を体を張って止めるなど、かなり理性的な描かれ方をされていましたが、だんだんおかしくなっていきます。

 

ロジャーだけでなく、フラニーやスティーヴンも時折、感情が死んでしまったかのような、表情のない表情を見せるんですよねー。

 

●のろまゆえに怖くなく、のろまゆえに怖くもある

ゾンビの動きがスロー故に、銃で狙って撃つのもかなり容易。

作中でゾンビは銃で撃たれまくるし、刃物で頭や首などもザックリやられるし、車には惹かれるし、やられたい放題です。

怖いのはゾンビのスペックやビジュアルではなく、それが少し前までは自分たちと同じ生きた人間であったという事

人間の形をしたかつての人間が、緩慢な動き故に単なる的(物)になってしまい、撃たれまくって倒れていく光景が恐ろしい。

ロジャーたち登場人物もその光景のせいで精神が蝕まれていきます。

 

●スプラッター的要素

ゾンビに噛まれて引きちぎられる肉や、むさぼり喰われるはらわたなど画的にグロい要素も用意されてます。

 

★★★PICK UP LINES★★★

どこから

 

フラニー

They're still here.(まだいるわ。)

 

スティーヴン

They're after us.  They know we're still in here.

(俺たちを狙ってるんだ。まだいるとわかってるのさ。)

 

ピーター

They're after the place. They don't know why, they just remember. Remember that they want to be in here.

(ここに入りたいだけだろう。ただ記憶があるのさ。ショッピングセンターに行っていた記憶がな。)

 

フラニー

What the hell are they?(奴らは一体何なの?)

 

ピーター

They're us, that's all, when there's no more room in hell.

(地獄が満員で追いだされた者たちさ。)