コロニア B
(COLONIA)2016
監督 | |
フローリアン・ガレンベルガー | |
キャスト | |
エマ・ワトソン | レナ |
ダニエル・ブリュール | ダニエル(ハンス) |
ミカエル・ニクヴィスト | シェーファー |
ヴィッキー・クリープス | ウルセル(看護師) |
リチェンダ・ケアリー | ギゼラ(婦長的な人) |
ジャンヌ・ヴェルナー | ドロ(レナと同部屋の女) |
スティーヴ・カリエラ | バーント(工場のおじさん) |
ジュリアン・オヴェンデン | ローマン(パイロット) |
マルティン・ヴトケ | 人権団体の人 |
1973年チリ・ク―デターの最中、軍に捕まったドイツ人ダニエルはコロニア・ディグニダへと連行される。
表向きは宗教的慈善団体とされたコロニアだが、その実体は絶対的支配者であるシェーファーによる暴力や拷問がはびこる恐怖のカルト組織だった。
ダニエル救出のため外界から隔絶された狂気の組織へ恋人のレナが潜入する!
実在したカルト教団を題材にしたドイツ、ルクセンブルクのスリラー映画。
監督もドイツ人。
キャストもドイツ人を中心としたヨーロッパ人。
(告発的な映画)
カルトを率いたシェーファーは2010年に死亡していますが、時の政権や軍と癒着し、長きに渡り問題が表面化しなかったせいで、あまりに世に知られていないコロニア・ディグニダというカルトの極悪非道ぶりを告発して世間に知ってもらおうという意図を強く感じる作品。
作中で描かれたコロニア内での非人道的な行為の数々は決してオーバーではなく、むしろ実際にはもっとエグい暴力・性的虐待が日常的にはびこっていたようです。恐ろしい。
・スター女優演じる主人公が恋人を助けるためにカルトに潜入!
・緊迫感溢れる潜入生活!
・スリリングな脱出劇!
など、王道的エンタメ要素も取り入れていますが、あくまで実在したカルトの闇を暴くことに主眼を置いた作りになっている気がします。
この作品ではあまり触れていませんでしたが、冷戦下における反共政策として、アメリカがピノチェトによる左派政権転覆クーデターを支援していました。その後のピノチェトの恐怖独裁政治を見てみぬふりをしていたアメリカの責任も結構あると思います。
(見どころ&好きなところ)
●主演エマ・ワトソン。美しいね。
●恐怖が張り詰めるコロニア内での生活。
(パウル・シェーファー)
元ドイツ軍でナチス信奉者。
第二次世界大戦後は教会、孤児院を開設するが少年に対する性的暴行の罪で起訴され、一部の信者と共にチリへ逃亡。
ドイツ系移民のコミュニティを作り、それがコロニア・ディグニダとなる。
ピノチェト軍事独裁政権下で、軍と友好関係を築き、武器の売買や左派活動家の収容、拷問、死体遺棄の場として使われた。
1973年から90年まで続いたピノチェト政権や、それ以降の政権とも友好関係を保つことでシェーファーによる性的虐待、暴行、教団のカルト的面が問題視されることはなかった。
1997年性的暴行の容疑で起訴されると失踪。
2005年アルゼンチンで発見。チリへと引き渡され収容される。
2010年死亡。
★★★PICK UP LINES★★★
コロニア・ディグニダ
レナ
What is this place?(どういう所なの?)
人権団体の人
Allegedly, a chatitable mission.
But really it's a kind of cult, run by a man called Paul Schafer, or Pius as they call him.
He was a lay preacher in Germany after the war, came here with his disciples to set up a world according to his rules in the middle of nowhere.
(慈善団体ということになっているが、実際はポール・シェーファーという男が率いるカルトだ。教皇と呼ばれている男さ。
戦後はドイツで伝道師をしていたが、信徒たちとチリに来て、外界と隔絶された地に奴のルールに基づく世界を作り上げた。)