ココ・アヴァン・シャネル 

(COCO AVANT CHANEL) 2009

監督&脚本  
アンヌ・フォンティーヌ  
キャスト  
オドレイ・トトゥ  ココ(ガブリエル)・シャネル 
ブノワ・ポールヴールド エティエンヌ・バルザン 
アレッサンドロ・ニヴォラ アーサー(ボーイ)・カペル
マリー・ジラン アドリエンヌ(ココの姉) 
エマニュエル・ドゥヴォス エミリエンヌ(舞台女優)

孤児院に預けられた幼い少女。

裁縫を学び、仕立て屋で仕事をしながら、夜はキャバレーで歌って踊り、スター女優を夢見るように。

彼女の名はココ・シャネル

 

 

ファッション・デザイナーとして活躍し、シャネル・ブランドを作り上げた彼女がキャリアを築き上げる前の若き日の物語を描いた仏の伝記作。

 

 

(キャリア前のココの恋愛物語)

キャリアを築き始めて、モード界に君臨するようになるまでの話の方が面白いような気はするし、それを期待していたんですが、本作はその前の、ココの前半生に焦点を絞った作品になってます。

 

あまりメジャーではない彼女の前半生を知ることで、ココの人間性の土台が見れたような気はしました。

 

ココと深い関係を持ったエティエンヌ・バルザンボーイ・カペルも実在した人物です。

カペルは英国人ですが、演じたアレッサンドロ・ニヴォラは米国人。

仏語での演技は苦労したよう。

カペルが交通事故で当然死んじゃうなんて、まるでドラマみたいですが、それも事実です。

(リベリオン?)

当時のフランス富裕層の婦女子の服装と言えば、コルセットでギュウギュウに締め付けられたウエスト。派手に着飾ったドレスや帽子。まるで中世。

 

そんな不便で実用性に欠いた服装や男社会から女性たちを解放したと言われるココ。

 

バルザン邸に住んでいる時に、乗馬をするシーンがりました。

当時の女性の乗り方(スカートでの横乗り)を嫌い、男性と同じようにズボンでまたがって乗馬するシーンは象徴的。

ですが、元々、裁縫(ファッション)で身を立てようとはまったく思っていなかったであろうココ。

当時、針仕事は貧乏人のイメージもあり、芸能の世界で成功を夢見ていたので、本人には「ファッションで女性を解放しよう」なんて意図や自覚はまったくなかったと思います。

 

男が優位な社会の中で、その悲喜を経験し、ただただ実用性や、自身の好悪感に真っすぐ従って進んだ感性や生き方が結果的にファッションで世の中を変えていくことに繋がったんだと思います

 

(見どころ)

●オドレイ・トトゥ演じるココ・シャネル

キャリアを築いてからのココは、TVの特集なんかで見る機会もあり、その印象は「口が悪くて、攻撃的なおばあちゃん」といった感じでした。

 

オドレイは可愛らしい女優さんですが、可愛さだけではなく、とっつきにくさや、皮肉さを纏った雰囲気が良かったです。

また、周りの人々に気を向けての観察するような鋭い視線、黒い瞳が印象的

 

(ココ・シャネルを扱った作品)

1981年「ココ・シャネル」(英仏合作)

2009年「シャネル&ストラヴィンスキー」(仏)

 

★★★PICK UP LINES★★★

貴婦人たちをディスるココ

 

ココ

まるで銀食器ね。締めすぎて体が折れそう。

頭にメレンゲを乗せてる。ケーキ屋にいるみたい。

哀れな女たち。

 

ボーイ

君は反逆者だな。

 

ココ

嫌悪感に敏感なの。